なんでもない日常にある「ささやかな幸せ」を切り取る小説
8月1日(月)からJT内で公開中の『ひととき小説』は、漫画家・松本大洋さんなど12名のイラストレーターが描く世界観とともに、声優の梶裕貴さんが朗読するストーリーも堪能できる短編小説。
▲声優・梶裕貴さん
1話読み切りながら、各話の登場人物がゆるやかにつながり、全体でも1つの話としても楽しむことができます。登場人物は、飄々としながらたまにいいことを言う先輩、日々の仕事や恋愛に一生懸命な若手男性、明るく純粋で情に厚い新人女性という会社の同僚3人。その3人や周りの人との「なんでもないけれど、かけがえのない人生のひととき」が毎回切り取られています。
『ひととき小説』あらすじ
1話は30秒ほどで読むことができ、電車や寝る前の時間にもぴったり。各話のあらすじを紹介します。
◆第一話「迷路」
屋上で“人生は迷路かもしれない”と自分に自信をなくし悩む会社員が、先輩から“迷ったときは選んだほうが正解だ”と言われるひとときを、イラストレーターのなかむら葉子さんが繊細なタッチのイラストで表現されています。
◆第五話「片想い」
第四話「願い」から1年後、社会人2年目になった登場人物のみゆきさんと、みゆきを想う母の日常のひとときを、イラストレーターのしらこさんの柔らかなタッチで描かれています。
◆第六話「検索」
第五話「片思い」からさらに1年後、社会人3年目となり悩みが増えた登場人物のみゆきさんが、自分と同じ悩みを抱えていた若かりし頃の父に思いを馳せるひとときを、イラストレーターで漫画家のカシワイさんが表現。
◆第八話「写真」
第八話では、先輩とその家族の思い出と現在の話が描かれています。第二話で語られた父との関係。成長した家族とともに先輩は何を想うのか。漫画家の松本大洋さんがノスタルジーを感じさせるひととき。第二話のイラストに出てきたある小物が物語を演出する伏線にも注目です。
◆第十話「バス」
とあるバスで出会った外国人の女性。うとうとしてあくびをすると、となりの彼女もあくびをしていた。言葉は通じなくても“あくびはうつる”。そんなことが通じ合ったかのように笑い合う、そんな幸せのひとときをイラストレーターの宮下和さんが描いています。
◆第十一話「幸せ」
「幸せってなんだろうね。」夫の問いかけに、「幸せってなんだろうねって語り合えるような時間のことじゃない?」と答える妻。そんななんでも無いやり取りを愛する人とすることの幸せなひとときをイラストレーターの小林マキさんが表現。
『ひととき小説』は、現在14話まで公開中。声優・梶さんの包み込むような優しさと深みのある声によって、小説の世界がさらに立体的に感じられ、日常の中にある「ささやかな幸せ」がよりはっきり浮かび上がってくるような、そんなストーリーになっています。ぜひチェックしてみてください。