タカラジェンヌが社会人になる時。経験したふたりが語るリアルな心境
元タカラジェンヌとして舞台に華を添えていた、『Oggi』専属読者モデル・オッジェンヌの力丸莉帆さん。
宝塚歌劇団を退団した後は、不動産開発会社の社員として働いています。タカラジェンヌは退団後、表現者として舞台に立つことを続ける人や、ヨガやダンスなどを教える人、宝塚歌劇団受験者のサポートをする人などなど様々な道に進む中、会社員を選ぶ人は「意外と少ないんです」(力丸さん談)。
そんな中、同期の元雪組男役スター・真地佑果(まち・ゆうか)さんは2021年4月に退団し、今は本名の森脇由梨(もりわき・ゆり)さんに戻って「株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクスト」の社員としてキャリアを重ねています。
現役時代とはまるで異なる「会社員」を選んだふたりが、タカラジェンヌのセカンドキャリアをテーマにクロストークを展開。元タカラジェンヌの本音をうかがいます。
元タカラジェンヌのふたり、今はこんな仕事をしています!
力丸さん(以下敬称略):私は4年前に(宝塚歌劇団を)退団して、今は社会人3年目。不動産開発の会社で、主にブランディングの仕事をしています。物件ごとのパンフレット制作を担当していて、社内報を作ったりも。(社内の)人数が少ないから、現場に行くこともあるよ。
森脇さん(以下敬称略):莉帆ちゃん(力丸さん)が出る『Oggi』の企画で、管理しているビルで撮影したこともあるんだよね?
力丸:そうそう! 土地を買って建物を建てて完成して… というのが、みんなで舞台というひとつのものを作る過程にすごく似ていて、感動することも多いよ。建物が竣工して内覧会に来てくれたお客さんが「おおー」と言っているのを見ると、すごくうれしいしやりがいを感じる。ゆっちん(森脇さん)はどんな仕事をしているの?
森脇:私が勤めているタカラヅカ・ライブ・ネクスト(以下、ライブネクスト)は宝塚歌劇OGの活躍の場を増やすのが目的の会社で、舞台制作がメイン。でも、例えば文章を書くのが得意な人や絵が上手な人、お話することに長けている人など、舞台に立つだけでなくいろんな方面で頑張っている人が輝ける場を作ったりつなげたりできるような、可能性を広げる会社だと思っているよ。
力丸:タレントとして所属されているOGさんもいらっしゃるよね。
森脇:うん。宝塚歌劇団でタカラジェンヌとしていられるのは唯一無二の時間で、公演中は毎日3時間公演×週に10回。それってなかなかキツかったと思う。それぞれ思うことがあって退団を選び、そこからまたなにかを始める道を広げたい人のために、OGに目を向けてもらう機会を作りたいなと。莉帆ちゃんのことも会社の人に話しているんだよ。「人気の雑誌の読者モデルで、会社員としても頑張っていてすごいんです」って。仕事をしながら多くの人の目に届く活躍をしているやん? いろんな可能性があるんだよね。