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ニキビ肌に乳液はいらない?
「ニキビ肌に乳液は必要ない」という説を聞いたことはありませんか。これって本当なのでしょうか。これから説明していきます。
ニキビができている肌の状態とは?
まずは、ニキビの原因とニキビ肌の状態について知りましょう。
ニキビの原因
ニキビの原因には、皮脂分泌の増加、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖による化膿、肌の乾燥、不規則な生活やストレス、ホルモンバランスの乱れなどがあります。
ニキビ肌の状態
ニキビは、異常角化といって、毛穴の出口の部分に角質が局所的に増えてしまうことが始まりです。
増えた角質で毛穴の出口がふさがることに加え、さまざまなその他の原因により皮脂の分泌が増えると、皮脂が毛穴に溜まり、その皮脂をエサにアクネ菌が繁殖することで炎症が起きます。炎症が起きると、ただでさえ皮膚バリアが弱っているところに、さらにダメージを与えることになります。
ニキビができている肌は、「毛穴が詰まっている」「皮脂が過剰に分泌されている」「炎症により肌のバリア機能が低下する悪循環に陥っている」状態なのです。
ニキビ肌に乳液がやさしい理由
実は、ニキビ肌には乳液が必要です。なぜ乳液が必要なのか、その理由を見ていきましょう。
油分を補う
保湿にはほぼ必ず油分が必要です。化粧水のあとには乳液かクリームを使うのがおすすめです。ただし、クリームだと油分が多く、ニキビが増えてしまう方には、乳液がうってつけです。
ニキビが広範囲にできており、炎症が強く、熱をもっているような場合でも、適度な油分を補いつつ、適度な気化熱のおかげで熱がこもったようにならないので、乳液での保湿をおすすめすることがあります。
水分と油分のバランスを保つ
ニキビ肌の状態の「肌のバリア機能の低下」を立て直すのに有効なのが、肌の水分と油分のバランスを整えることです。この油分に乳液を使い、バランスよくすると、ニキビができづらい肌になります。
保湿力をキープ
乳液には、保湿する役割があります。保湿をすることで、肌の乾燥を防ぎ、やわらかくする効果が期待できます。乳液によって肌の保湿力をキープし、ニキビを悪化させずに済むのです。
ニキビ肌のための乳液の選び方
ニキビ肌向けの乳液を選ぶときには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。選び方のポイントを紹介します。
ニキビを防ぐ有効成分が配合されているかチェック
乳液を購入するときにチェックしたいのが、ニキビを防ぐ有効成分。有効成分が配合されているものは、パッケージに「医薬部外品」や「薬用」などと記載があります。それを目印にしつつ、成分表に次のような成分が配合されているかを確認しましょう。
殺菌効果:サリチル酸/ベンザルコニウムクロリド/イソプロピルメチルフェノール
炎症・赤みを抑える効果:アラントイン/グリチルリチン酸2K/グリチルレチン酸ステアリル
殺菌・角層軟化・角層除去効果:レゾルシン
皮脂の分泌を抑える効果:ビタミンB2(リボフラビン)
抗酸化作用:ビタミンE/ビタミンC・E誘導体
ただし、有効成分が必ずしも自分の肌に合うとは限りません。肌が敏感になっている方は、比較的シンプルな処方のものを選んでもよいでしょう。使い始めて赤くなったり、悪化したように感じた場合は使用をやめ、医師に相談してください。
ノンコメドジェニックテスト済みか確認
パッケージに「ノンコメドジェニックテスト済み」という表示があるケースもあります。この「ノンコメドジェニックテスト済み」とは、ニキビの初期段階である「コメド」ができないことをテスト済みであることを証明しています。しかし、すべての人にニキビができないわけではありません。あくまでも「ニキビができにくい」程度に考えて、そういった乳液を選ぶのも、選択肢のひとつです。
保湿成分が豊富なものをチョイスする
ニキビ肌を防ぐには、保湿が大切です。そのため、乳液も保湿成分が豊富なものを選びましょう。保湿成分には、水溶性の保湿成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、植物エキス、アミノ酸などや、脂質であるセラミドなどがあります。
肌に刺激になり得る成分入りの乳液は避ける
肌の刺激になりやすい成分が入っている乳液は避けた方がベター。とくに敏感肌の人は、アルコール、着色料、界面活性剤、香料など肌に合っていないものが配合されていないか確かめるようにしましょう。事前にパッチテストを行ったり、アレルギーテスト済みの乳液を選ぶのもおすすめです。
自分にとって心地よい使用感のものを選ぶ
乳液には、さまざまなテクスチャータイプがあります。自分好みのテクスチャーの乳液を選ぶようにすると、快適に使い続けることができます。
さらっとした軽い使用感が好みの方は、オイルフリータイプやジェルタイプを。とろみのあるタイプが好きな方は、ヒアルロン酸やグリセリンが多く配合されているものを選ぶとよいでしょう。
ニキビ肌への乳液の使い方・注意点
ニキビ肌へ乳液はどのように使えばよいのか、また使うときの注意点を解説していきます。
洗顔後にはしっかり保湿を
ニキビ肌になってしまう原因のひとつは、乾燥です。ニキビがあると、しっかり洗顔して皮脂を落とそうとしがちですが、肌が乾燥するいちばんの原因は、洗顔の仕方にあります。
決して力をかけてゴシゴシせず、たっぷりの泡で短時間で行いましょう。肌がふやけた状態で摩擦が加わる「ふやけ摩擦」が、皮膚バリアをもっとも傷つけます。皮膚バリアが傷つくと肌は乾燥してきますので、洗顔後にはしっかり保湿をしましょう。
十分な量を使用する
べたつくのを嫌って、少しの量の乳液を薄く伸ばそうと肌に擦り込むことも、肌に負担になります。摩擦が起きない程度にたっぷりと乳液を乗せる用にしてください。
手のひらでやさしくなじませる
乳液をゴシゴシと肌に塗るのはNGです。摩擦によって角質を傷つけてしまい、ニキビ肌が悪化する恐れがあります。
乳液をつけるときには、手のひらに乳液をとり、なじませてから顔全体を包むようにしてそっと顔につけるようにしましょう。けしてこすらないようにしてください。
刺激を感じたり肌が荒れるようなら使用を中止する
乳液を使っていて、肌に刺激を感じたり、肌荒れがひどくなるようなら、その乳液はあなたの肌に合っていないのかもしれません。使用を中止し、皮膚科に相談することをおすすめします。
また、自分の肌に合う乳液かどうかを判断するために、試供品やテスターを活用して確かめてから購入するようにしましょう。
美白乳液でメラニンの生成を抑える
ニキビ肌の場合、肌の炎症によってメラニンが生成されやすい状態です。メラニンが生成されてしまうと、しみやそばかすの原因となります。それを防ぐのにおすすめなのが、ビタミンC誘導体が配合された薬用の美白乳液です。ビタミンC誘導体はニキビの炎症やメラニンの生成を抑える効果が期待できます。
また、日焼け止めを塗ったり、帽子をかぶったりして、日頃の紫外線対策も万全にしておくことも大切です。
ニキビ肌には乳液でのケアも大切
ニキビ肌でも乳液を使ってケアすることで、ニキビを防ぐことができます。自分に合った乳液を選んで、ニキビレスなきれいな肌を目指しましょう。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
監修者:逗子メディスタイルクリニック院長 徳永理恵先生
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。都内美容皮膚科勤務を経て、2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。自然・健康・美容のまち「逗子葉山」で生活の一部としての美容医療を啓蒙、自分自身の美しさを引き出す『美肌プログラム』を提案している。3人男子の育児にも奮闘中。
逗子メディスタイルクリニック