「御御籤」とは?
新年の初詣や受験シーズンなど、人生の節目でひく機会が多い「御御籤」。日本人なら馴染みのある習慣といえますが、「御御籤」の由来や縁起のいい順番など、意外と知らないことも多いのではないでしょうか? そこで今回は、「御御籤」の意味や由来、縁起のいい順番や、「待ち人」「失せ物」などの意味、「御御籤」を結ぶ理由などを解説します。
意味
「御御籤(御神籤)」は、「おみくじ」と読み、ひらがなで書かれるのが一般的です。「御御籤」という漢字は、「籤(くじ)」に、神聖さを表す「神」と敬いを表す「御」を組み合わせた言葉です。
「御御籤」とは、「神仏のお告げを得て、吉凶を知るために引くくじ」のこと。その内容は、番号、吉凶、個別の運勢(願い事、縁談、待ち人、学問、商売など)、和歌・漢詩となっています。
由来
そもそも「御御籤」にはどのような歴史があるのでしょうか? 「御御籤」の歴史は古く、はるか古代に遡ります。かつて「御御籤」は、神の意志を知るための手段でした。紙にしるしや文字を書いておき、それを人々が引くことで、国のまつりごとに関する重要事項や後継者を決めていたのです。
現在の「御御籤」は、神社やお寺で気軽に引くことができ、初詣で1年の吉凶を占うなど、占いの要素が大きいですね。現在の「御御籤」の原型は、平安時代の天台宗の僧、元三慈恵大師良源がはじめたとされています。
縁起のいい「御御籤」の順番は?
「御御籤」を引くときは、「大吉が当たりますように」と心の中で願いながら引いている人も多いはず。大吉・中吉・凶は知っていても、それ以外のものの順番は曖昧なのではないでようか。ここで改めておさらいしておきましょう。
1:大吉
「御御籤」で一番縁起が良いのが大吉です。恋愛運や金運、仕事運など全てにおいて縁起が良く、運気が上がっている状態を表します。中には、大吉よりもさらに縁起の良い、大大吉のある神社もあるそう。
2:中吉・小吉・吉・末吉
「御御籤」を引いたときに一番当たりやすいのが、吉や小吉、末吉などではないでしょうか。明確な順番は神社により異なりますが、一般的には上記の順番です。いずれもそこそこ良い運勢を示しています。
3:凶・大凶
凶・大凶の意味については、「今が一番ツイていないことから、この先は運気が上がっていく」という前向きな捉え方もあります。昔は戒めの意味合いが大きかったことから、凶の割合が多かったそう。しかし近年では、凶の数を減らしたり、なくすところも増えてきているようです。
4:半吉
先述した7種類ではなく、神社によっては12種類用意されている「御御籤」もあります。その中に含まれているのが「半吉」です。一般的に「半吉」は、吉と末吉の間にあるものとされています。12種類の「御御籤」の順番は、大吉、中吉、小吉、吉、半吉、末吉、末小吉、凶、小凶、半凶、末凶、大凶です。
「御御籤」は結んだ方がいい?
「御御籤」を引いた後に持ち帰るか、神社の木に結びつけるか迷うこともあるでしょう。これに関しても、神社によって様々な見解があり、大きく分けると以下の2つになります。
1:「御御籤」には、神仏のありがたいメッセージが込められているため持ち帰る。
大切なメッセージが込められている「御御籤」は、持ち帰って大切に保管するのがいいとする考え方があります。お守りのように、財布やバッグに入れて時々読み返すことで自分への戒めにすると良いそうです。
2:自分にとって都合の悪い「御御籤」は、境内の木に結びつけるか、納札所に納める。
万が一、凶や大凶を引いてしまった場合、境内の木に結びつけて浄化する方法も。神社の木に「御御籤」を結びつけることは、「木々に漲る生命力にあやかり、願い事がしっかりと結ばれますように」という願いが込められています。その場に結び付けて、さらなる御加護を願うと良いそうですよ。
「御御籤」の待ち人・縁談などの意味は?
「御御籤」には、吉凶だけではなく「恋愛」や「待ち人」「学問」などの項目がありますよね。中には文字を読んでもよくわからないという言葉もあるのではないでしょうか。ここでは、一般的な項目を紹介します。
1:待ち人
「待ち人」は、自分が待ち望んでいる人や会いたいと望んでいる人のこと。恋人に限らず、仕事仲間や親友、赤ちゃん、先生などその時の自分にとって必要な人のことです。
2:悦び事
喜ばしいことが起きることを表します。こうなったら良いなという願望というよりも、自分が予期していなかった良いことが起きる可能性を示しているそうです。
3:失せ物
「失せ物」とは、無くしたものや探しもののこと。無いと思っていたものがひょんなところから出てくる可能性を表します。無くしものは形があるものとは限らないようです。
4:争い事・勝負・競争
「争い事」は、喧嘩や諍い、裁判などの争い事。それ以外にも、スポーツやコンクールなどの勝負事を表します。
5:方角・方向
縁起のいい方向のこと。一般的に、自分の住まいから見た方角を指します。
6:学問
文字通り、勉強や受験、学びに関すること。受験シーズンに引く「御御籤」では、最も重視される項目ですね。学問の神様を祭る「湯島天満宮」や「北野天満宮」が有名です。
「御御籤」を結ぶときのコツ
「御御籤」の結び方は特に決まりはありません。しかし、できることなら破れたり落ちたりせず、綺麗に結びたいですね。そのためには、まず結ぶ前に折り目をつけて細長くしておくことがポイント。「御御籤」の大きさにもよりますが、四つ折り(二つ折りにした後、もう一回二つ折りにする)にするとちょうど良い細さになります。
枝や紐に結びつける際は、くるりと曲げるところに折り目をつけると落ちにくくなります。強く引っ張ると破れてしまう恐れがあるので、丁寧に結びましょう。ちなみに、凶を引いた場合、「御御籤」を聞き手と反対の手で結ぶと、困難な行いを達成するということから凶から吉に転じるという説があります。万が一、凶を引いてしまった時には、試してみてはいかがでしょうか。
最後に
「御御籤」の意味は理解できましたか? 「御御籤」を引くとついつい吉凶にとらわれ一喜一憂してしまいがち。ですが、神様からのメッセージだと受け止めて、その内容を日々の生活に活かしてみてはいかがでしょうか。意外な気づきがあるかもしれませんよ。
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