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LIFESTYLE

2022.03.07

これが本物の木魚? お坊さんが叩く木魚の由来って? 萬福寺で坐禅体験も

「中国にゆかりのあるお寺は、日本のものと違う所がいっぱいあって面白い! お経を唱える時にたたく木魚の発祥についても教えて頂きました」専属読者モデルオッジェンヌの大枝千鶴が日々のコーディネートや働く女子としてのリアルな私生活を紹介するブログです。

オッジェンヌ 大枝千鶴

【萬福寺】一歩足を踏み入れたら、そこはまるで中国

中国の僧侶がきて、仏教を広める目的の為に建てられた、萬福寺(京都府宇治市)。日本にいんげん豆や木魚、煎茶を伝えた「隠元和尚」のために建てられたお寺です。中国にゆかりがあり、見ていて新鮮なお寺でした。

まず、お寺全体は、龍にまつわるものがいっぱい。門を入ってすぐの参道も、龍の背中を模して作られています。参道は、細長い石で縁取られ、ひし形の石が龍の背中の模様のようになっています。

萬福寺では、日本の神社と同じで、真ん中は遠慮して歩かないそうです。でも、この石の配置、真ん中のひし形部分を歩きたくなりますよね(^^)。別にNGというわけではないのでどうぞ! ととても話が上手で気さくな僧侶さんが言ってくださいましたが、一応遠慮しておきました(笑)。

そして、とても印象に残っているのが、この石碑に書いてある詩。

「山門を出れば日本で茶摘みうた」

このお寺がまるで中国にいるように感じられて、でも1歩外に出るとそこは日本で、外からは茶摘み歌が聞こえる。という詩です。

実際に茶摘み歌は聞こえませんでしたが、私もまさに同じ感覚に陥りました。日本じゃないみたい! というのが最初の感想です。お寺も広いので色々な所を見て回っているうちに、すっかり中国寺院観光の気持ちになって、そして外に出たときにふと「あ、ここは日本だった」と思う感じ。同じような感覚を当時の人と共有出来ている気持ちになり、嬉しくなりました。

仏様のいるところもなんだかカラフル。ピンクの桃がなんとも可愛らしいです。中国では、桃は魔除け・厄除けの意味があるそう。扉も「桃戸」と言われる桃をあしらったものでした。この桃戸だけ外開きになっているのは、中から外へ戸を開ける事で魔除け・厄除けの意味を込めているそうです。

足元も龍の鱗を表現した作りになっています。綺麗に敷き詰められていて、モダンでおしゃれにも見えました。

天井は龍のおなかを模して作られた「じゃばら天井」。作るのは難しそうだなと思うのですが、ここでも龍を表現する事にこだわっているのですね。

お寺はとにかく広く、このような廊下を歩いて本堂まで向かいます。朝だったので明かりは灯っていませんでしたが、ランタンがとっても素敵。こういう設え1つ1つが、中国っぽいなと感じます。本当に豪華なお寺だなと思いました。

また当時、隠元和尚にとどまってもらうために、天皇から土地をもらい、徳川からお金をもらって建てたとのことで、ランタンにはその両方の紋章がありました。

そして中国寺院の定番! 布袋様♡ 中国式の寺院では、まず布袋様の前で3毒を取り払ってからお釈迦様にご挨拶、というのが基本様式だそう。

布袋様に3毒を取り払ってもらい→お釈迦様にご挨拶をし、帰り際にまた布袋様にお詣りして徳をさずかって帰る、を私もしっかり実行しました(^^)

ちなみに布袋様とは、七福神で唯一実在した中国のお坊さん。袋を担いで、困っている人がいたら袋から必要なものを取り出して与えていたそうです。

布袋様の後ろには、韋駄天(いだてん)像があるのも定番。韋駄天とは、あのNHKの大河でもやっていたいだてん! です。足が速い神様で、お釈迦様が死んでしまったときに骨を盗んで走った人を追いかけて捕まえた、という逸話があるほど。お釈迦様と面する配置に祀られています。

木魚の由来と使い方は…

そしてこちらが、木魚の原型と言われる開梆(かいぱん)! 木魚発祥の地は萬福寺だそうで、本家本元の木魚です。お坊さんがお経を唱える時に叩く木魚とは形が違いますが、こちらが元になる開梆。当時、魚は眠らないで泳ぎ続けるということから、不眠不休と考えられ、そんな魚を見習って修行に励みましょうという思いを込めて使われていたそうです。

使い方は、なんと「ご飯の合図」! ごはんできたよーの合図を、この開梆を叩いてお知らせするのに使うといいます。くわえている丸い玉は煩悩をあらわしているそう。お魚のお腹を叩くことで、この煩悩の玉を吐き出す、という意味がこめられていると教えてくれました。

今回は特別に、中国式のお経「梵唄(ぼんばい)」も聞かせていただきました。こちらの萬福寺では、お経は全て中国語。日本のお経は、抑揚がなく一定のリズムで唱え続けますが、中国式は、抑揚をつけて音楽のようにお経を唱えます。木魚や太鼓や鐘を鳴らしながら、まるで音楽のようでした。お経に華やか、という表現も違和感があるかもしれませんが、聞き心地が良く明るい感じがするお経でしたよ。

お釈迦様のお部屋には、空間を取り囲むように十八羅漢が並んでいました。お釈迦様のお弟子さん達です。

そしてここで珍しい羅漢さん発見! 「羅睺羅(らごら)尊者」といって、胸の中にお釈迦様がいます。お釈迦様は、外にではなく、自分の中にあるんだよ、と表しているそう。全国の展覧会などで人気なので、ほぼ出張している羅漢さんですが、この冬はちゃんとお戻りになっていたので、実物を拝見することができて嬉しかったです。

坐禅体験もしてきました!

ひと通り、お釈迦様にお詣りした後は、坐禅体験! 萬福寺では、1回1,000円で、約1時間の坐禅体験ができます(要予約)。ひんやりと澄んだ冬の空気の中、動いちゃいけない! と緊張感を持って瞑想する時間はとても贅沢。スマホも水、髪の毛も触らず… という時間は長く感じます。

座布団も用意してくれているので、足が痛くなったり、お尻が痛くなったりすることはありませんでした。15分の坐禅でもやっとの思いでやり遂げましたが、修行中のお坊さんは基本的にトイレと食事以外はずっと坐禅とのこと…。お坊さんってすごい! 貴重な体験で楽しかったです。

▲寺院の地図マークの「卍(まんじ)」も発見しました

坐禅体験も終え、広い中国式の寺院を散策し、布袋様にもお釈迦様にもお詣りして、充実した寺院見学でした。1歩外に出ると、あらためてすごい中国みたいな空間だったけどここは日本だったんだ! と気付かされる、そんな体験も思い出に残りました。

黄檗宗大本山 萬福寺

※お出かけの際は行政による移動自粛についての最新情報や各施設の営業情報をご確認ください。

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オッジェンヌ 大枝千鶴

2015年からOggi読者モデル「オッジェンヌ」として活動。営業職という仕事柄、通勤服は好感度が最重要事項。最先端のIT企業で働きながらも歌舞伎と着物が大好きという古風な34歳。一級きもの講師。Instagramアカウントはこちら:@chizuruoeda


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