幸せオフィスラブから一転、奈落の底へ
マッチングアプリなどが普及した今でも社内恋愛は成婚率が高い出会いの場でもあります。社内恋愛が禁止じゃないのにクビになってしまった絶賛婚活中の元アラサーOL。その原因を実録でお届け!
元受付嬢・Yさん・31歳の経験談
社内恋愛を禁止する会社はあまり聞かれなくなりましたが、どんどん勧める会社も多くはありません。しかしアラサーの出会いとなると、ある程度お決まりの行動範囲が確立され20代の頃と比べるとその行動範囲が限られてくるのが実情。独身男女が勤め先で出会いを求めるのはどの世代もさほど変わりません。今回はそんな“社内恋愛”で恋を見つけた元アラサー受付嬢Yさんの大失敗婚活をお聞きしました。
「最近の会社では受付スタッフを雇わずくカウンターに内線機だけを置き、お客様自らアポのある社員を呼ぶスタイルが増えてきました。ですが、私の勤めていた会社は外資系で非常に規模が大きく、常に6〜8人の受付スタッフで来客を迎える感じ。
出会いもそこそこあったし、オープンな会社だったせいか社員・来客含め平気で受付嬢をナンパする人も少なくありませんでした。特に社内恋愛禁止でもなく、先輩の中ではそんなナンパから始まった恋愛を経て寿退社した人もいて婚活中の私もチャンスがあればと思っていたのは本音です。
業務で最も多いのが社員との取次ぎ。社長や役員など上層部の人たちには電話で担当秘書に取次いでいましたが、一般社員には社内用チャットで直接本人に連絡します。私が転落したのはこの“社内チャット”。
ある時期私は来客取次ぎのために一定期間頻繁に特定の男性社員と社内チャットをすることがありました。名前から日本人ではないということはわかるものの、顔は知らず、初めは社内にいる1,000人以上もの社員の内の1人としか思っていませんでした。しかし、その一定期間が終わった後私にこんなチャットが届いたんです。
『ここ1週間来客連絡ありがとう! レセプションのYさんですね?』
私はただのThanksチャットだと思い『お役に立てて良かったです』と返信しました。すると彼から私的なチャットが届くように。
『ランチタイムはいつ? お礼にご馳走するよ!』
『金曜だけどYさんの予定は?』
『YさんのFacebook教えてもらえるかな』
積極的な彼にちょっぴり好意を持ちはじめた私はそのチャットに毎回短く返信していました。ある日いつも通り受付業務をしていると『君がYさん? 僕だよ! 初めて会えたね!』そこには高身長で青い目、ブロンドの髪にスーツがよく似合うイケメン社員! その美形に私は雷を撃たれた衝撃で、年甲斐もなく“白馬に乗った王子様登場!”と思っちゃいました(笑)。
『なかなか誘っても食事をしてくれないから挨拶に来たんだよ』そう言って少し会話をすると彼はまたオフィスに戻っていきました。いや〜あんな王子様に誘われたなんて… と幸せに浸っていましたが、どうやらその様子をお局受付嬢のEさんに見られていたようで…。
後日私は上司に突然『打合せ室に来てください』と連絡を受けました。打合せ室に行ってみるとそこにはあのお局受付嬢Eさんの姿も。『これはYさんと社員の私的と思われるチャット内容のコピーです』突然目の前に私と彼のチャット履歴を印刷された紙を見せられました。
『私的なやりとりはNGなのは知っていますよね。アメリカ本社からも厳しく指摘が入りました。Yさんには契約通り1ヶ月後に退職していただくことが決まりましたのでご報告します』これが晴天のへきれきというものか!? と思いました。
確かに私的なやりとりは禁止されていましたが、過去に寿退社をした先輩たちもこっそりチャットで愛を育んでいたのを知っていたので完全に油断していました。現役の先輩たち、特にお局Eにさえバレなければと思いましたが、要領よくできなかった私が悪いのが当然。もしかしたらあの王子様と結婚できていたのかもというタラレバな気持ちが残りました。
かろうじて彼のFacebookを教えてもらっていたため連絡してみましたが、返信はなく…。その日から退職までのおよそ1ヶ月、私は華やかなカウンターでの受付嬢を外されバックヤードでの事務処理嬢へと島流れになりました。この歳で再び出会いがゼロになるのは非常に辛いですが、今はようやくやる気を出して就職活動に励んでいます」(Yさん)
* * *
Yさんの勤めていた規模の大きな会社では1人の受付が1日に対応する来客はおよお50人だそうです。スタッフが不足している日には100人前後の来客を捌くほど忙しいよう。一見出会いも多く感じますが、来客対応以外の業務も立て込み実際には私的なやりとりが困難だったそうです。
しかし彼のように個別にチャットをくれる社員もいるように、何らかの好意を持ってくれる人も。社内規定違反とみなされて当然かもしれませんが、貴重な出会いを根こそぎ取られてしまった残念アラサー婚活女子。ダメージの大きさは計り知れません。
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OLライター タケ子
恋愛コラムや指南書を読み漁り、婚活の糧にしているOLライター。スイーツや食にも興味あり♪