家電のプロが伝授! 加湿器の選び方
この時期、暖房とともに使いたいのが加湿器。でも加湿器って種類も多くて、どう選べば良いのかわからない… という人もいるはず。
そこで今回は、延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパンで働く、総合家電エンジニア・本多宏行さんに、加湿器の選び方について教えていただきました!
* * *
これからの時期は新型コロナウイルスはもちろん、インフルエンザにも気を付けたいところ。インフルエンザを予防する有効な手段には以下が挙げられると思います。
1. 流行前のワクチン接種
2. バランスのよい栄養摂取
3. 人混みや繁華街を避ける
4. 適切な湿度保持
さて、4番目の湿度数値については、厚生労働省から50~60%と案内されています。この数値を保持するためには、加湿器が有効でしょう!
現在の市場における加湿器には、大きく分けて4種類の加湿方法が存在しています。まずはそれぞれどのような方法で加湿しているのか、メリットやデメリットと共に解説します。
◆気化方式
たとえるなら… 洗濯物に風を当てて乾かしているイメージ。
水分を含んだ専用フィルターを気化させます。プロペラからの送風で水分を気化させながら加湿しており、電力でヒーターを加熱する必要がないので、消費電力も抑えられて経済的。
一方で、ヒーターを使用しないため加湿されるまでの時間を要するというデメリットも!
◆加熱方式
たとえるなら… お湯が沸いて水蒸気が放出されるイメージ。
ヒーターで水分を加熱して水蒸気を発生させます。プロペラからの送風で水蒸気を空気中に放出させながら加湿しており、電力でヒーターを加熱するため消費電力は大きくなります。そのためヒーターの加熱により吹出口が高温になり、また充分な結露対策が必要。
ただし気化方式と比べると、即効性に優れているでしょう。
◆超音波方式
たとえるなら… ハンディスプレーで霧吹きしているイメージ。
水分に超音波を当てながら霧状の微細な水滴を発生させ、プロペラからの送風で空気中に放出することで加湿。気化方式や加熱方式と比べれば水粒が大きいため、まわりの家具、壁、床などが濡れやすくなることも。
◆加熱気化方式
たとえるなら… 洗濯物に温風を当てて乾かしているイメージ。
水分を含んだ専用フィルターを気化させます。気化方式と大きく異なる点は、プロペラから送られてくる風が温風であること。
電力でヒーターを加熱するため消費電力は大きくなりますが、吹出口は高温にならず、即効性にも優れています。また、超音波方式にヒーターを用いるタイプも存在し、このタイプであれば価格帯が比較的安価になると思います。
加湿方法と適用畳数がポイント!
さて、加湿器を選ぶときは、前述の加湿方法に適用畳数を当てはめると良いでしょう。
加湿能力は方式を問わず、室温20℃で湿度30%のときに放出することができる60分あたりの水分量で決まります。この数値が大きければ大きいほど加湿能力は高いものとされ、より広い部屋を加湿することが可能です。
そこで、使われる部屋の広さに適切なものを選ぶことが大切!
マンションなどの洋室は気密性が高いため、木造和室とは適用畳数が異なります。したがってマンション洋室畳数が10畳であった場合、木造和室畳数は6畳となり、加湿能力は同じ350mL/hが当てはまります。
詳しくはメーカーのホームページで確認するか、家電販売店の販売員の方々に相談してみてくださいね!
教えてくださったのは… テックマークジャパン株式会社 本多宏行(ほんだ・ひろゆき)さん
1999年テックマーク入社。大手自動車ディーラーでのメカニック経験を活かし、自動車から家電、PC、ガス製品を含む住宅設備機器に至るまで、幅広く修理精査業務を手がける。家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を取得。現在、延長保証の対象製品の修理精査業務を行いながら、故障を未然に防ぐための正しい家電の使い方などを分かりやすく解説するなどの活動も展開している。