家電のプロが伝授! エアコン(暖房代)の節約術
いよいよ本格的に寒くなり、エアコン(暖房)をフル稼働しているという人も多いと思いますが、そうなると気になるのが電気代。なんとなく使っていたら電気代が大変なことになっていた… なんてことも!
そこで今回は、延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパンで働く、家電のスペシャリスト・本多宏行さんに、エアコン(暖房代)の節約術について教えていただきました!
◆稼働時の操作設定
エアコンで暖房運転を行う際、設定温度や風量、運転モードを上手く使いこなすことで節電に繋がります。
まず暖房に限らずですが、運転開始時に多くの電気を必要とします。そのため単純な電源のオン/オフだけでは節電効果は望めません。
大切なのは、こまめに電源のオン/オフを行うのではなく、こまめに室温調整を行うこと。暖房であれば、設定温度を1℃下げると約10%の省エネ効果があるとされています。
また気体は暖められると膨張しますが、空気も例外ではありません。そして膨張すると密度が低下して軽くなるので、暖められた空気は上昇して天井に向かいます。そのため風向きを任意で下に向けると、足元から暖めることができ効果的!
さらに、最も適切な風量で作動する「自動運転」モードが絶大な節電効果を発揮。外出時や就寝時には「自動運転モード」と「タイマー機能」を連携活用しながら無駄な運転を防ぎましょう!
◆室内機と室外機のお手入れ
室内機のフィルターに埃が溜まると、空気の流れが悪くなり暖房効果が低下。フィルター自動お掃除機能が備わっているエアコンであっても2週間に1回を目安としてお手入れするとベター。
フィルターに埃が溜まった状態を改善することで、約5%から10%ほど消費電力を節減できるというデータも発表されています。
室外機のお手入れポイントは2つ。“室外機の近くにモノを置かないこと”と、“雪に埋もれないようにすること”。
一般的な室外機は前面部が空気の吹出口となっており、背面部は空気の吸込口となっています。
吹出口が塞がれると排気された冷風が吸込口に向かってしまいます。そうすると暖房効果を著しく低下させ、電気の無駄に直結。これは冷房時でも同様です。最悪の場合は、保護機能が働いて運転が停止することも考えられます。
このように吹出口から排気される空気が再び吸込口に向かうことをショートサーキットやショートサイクルと呼んでいます。
室外機の近くにはモノを置かず、枯葉などが付着している場合には取り除いてあげましょう! また特に寒冷地では、雪除けの設備や強度が約束されている専用設置台などに据えて、雪に埋もれないよう工夫が必要。
大雪の被害を受けることが少ない地域の場合、数年振りの大雪に見舞われた際など、なかなか注意が行き渡らないことも。気が付いたら室外機にダメージを受けてしまう可能性も否めません。
雪に不慣れな地域では、雪除けの設備などが施工されていないことも考慮して、積もってしまう前に除雪することが大切。また祖父母の方々が寒冷地にお住まいの場合には、電話などで室外機が雪で埋もれないよう伝えてあげてくださいね!
◆室内環境の工夫
室内の環境を少し工夫するだけでも、省エネ効果を向上させることができます。
冬場の室温は、窓やサッシなどを閉めていても冷気で下がってしまいます。日中はカーテンなどを開けて陽光をしっかり取り入れましょう!
一方、日没後は急激に室温が奪われてしまいますので、カーテンを閉めて室温の低下を抑制します。夏と違って冬は16時を過ぎると室温を保ち続けることが難しくなってくるので、時間帯にも要注意。
また、窓やサッシに対してカーテンが短くて隙間が空く場合、その隙間から冷気が入り込むことも。そのためカーテンのサイズにも注意したいところです。
教えてくださったのは… テックマークジャパン株式会社 本多宏行(ほんだ・ひろゆき)さん
1999年テックマーク入社。大手自動車ディーラーでのメカニック経験を活かし、自動車から家電、PC、ガス製品を含む住宅設備機器に至るまで、幅広く修理精査業務を手がける。家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を取得。現在、延長保証の対象製品の修理精査業務を行いながら、故障を未然に防ぐための正しい家電の使い方などを分かりやすく解説するなどの活動も展開している。