世の中の悩みを「聖書」から解決#5
「悩みのない人生を送りたい!」というのは、人類の抱き続けてきた願望ですが、令和の時代になっても人の悩みは尽きるどころか増えてさえいるのかもしれません。
ツイッターフォロワー10万超【上馬(かみうま)キリスト教会】のまじめ担当MAROさんは、フォロワーの方々から寄せられるさまざまな悩みに「聖書」から解決の糸口を伝えようと日々発信中。『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)より、MAROさんが提案する悩み解決のヒントをお伝えします。
質問:好きな人がちっともこっちを向いてくれません
回答:その気持ち、ちゃんと言葉にして相手に伝えていますか?
高校の部活の同窓会で「あの頃、先輩のこと好きだったんです」とか言われて、「そのときに言え!」と思ったことがあります。好かれていても、言葉に出してくれなきゃ伝わりません。もったいない。あまりにもったいない。あー、惜しいことをした!
「好きな人がこっちを向いてくれない」という悩みはよく聞きますが、話を聞いていると、「ちゃんと気持ちを伝えていない」のが原因であることが多いです。伝えているつもりで伝わっていない、ということも多いです。
「なるべく目を合わせるようにしているのに」とか、「他の人より優しく接するようにしているのに」とか、わかりにくい! ちゃんと「好きです」とか「愛してます」とか言わなきゃ伝わりません。人って、思っているよりもニブいものなんです。そしてそれは、せっかく好きなのにもったいない!
クリスチャンがクリスチャンになるとき、必ず通らないといけないのが、「信仰告白」です。心のうちでひそかに神様を信じているだけでは、クリスチャンとして正式には認められないんです。正式に認められるには「心に信じ、口で公に告白する」ことが必要だとされています。神様も「ちゃんと口で言ってくれなきゃダメなんだからね」と言っているわけです。
全知全能で、あなたの心をみんな知っている神様でさえそうなのに、神様よりもニブくて、あなたの心を知るわけもない人が、あなたの思いをちゃんと言葉で伝える前から「あの人は私のことが好きなのね! 嬉しい!」なんて勝手に都合よくわかってくれることを期待するほうが無理があるんです。
たしかに、ときには口で言わなくても伝わることもあります。しかしそれは単に「ラッキー」だっただけで、基本的に人の心は口に出して言わなくちゃ、相手に伝わらないんです。
それに、「たぶんこの人は99%自分のことが好きだな」とわかっても、1%の不安はあるものです。ちゃんと口にすることでその1%の不安を打ち消すことができます。この1%の差はとても大きいものです。
「この人を愛しても100%大丈夫なんだ」と思えるのと、ほんの少しでも「大丈夫かな……」と思ってしまうのとでは天と地の差があります。ですから、相手に安心してもらうためにもちゃんと口で、口が恥ずかしければ文字でもいいですが、とにかく言葉で伝えることが大切なんだと思います。
…… とはいえ、恥ずかしいし、勇気が要りますよね。でもがんばって! 好きだと言われて悪い気のする人なんていないんですから。
『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』発売中!
▲『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』
著者:MARO(上馬キリスト教会ツイッター部) 出版:KADOKAWA
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上馬キリスト教会 MARO
1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。
キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。キリスト教ではない家に生まれ、23歳のときに洗礼を受けた「クリスチャン1世」。
10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。
著書に『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』、『上馬キリスト教会ツイッター部の世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。