【不妊解消法】20代で子宮がん検診をうけるべき理由
20歳を超えると「子宮がん検診」が推奨されていますが、その検査に、がん検診という意味だけではなく、不妊検査の意味もあることはあまり意識されていないのではないでしょうか。
妊娠にとって、もっとも大切なことは、「子宮と卵巣が健康であること」です。女性の不妊症の原因には様々なものがありますが、そのほとんどが子宮や卵巣に悪影響を与えるものであります。
「子宮頸がん」は若いからといって油断禁物!
子宮がんは、発生部位によって、大きく「子宮頸がん」と「子宮体がん」に区別されます。
子宮体がんは、他の多くの癌と同様に40代以上で発生率が上昇しますが、子宮頸がんは多くがHPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスが原因となって、20代~30代でも発症する病気ですので、若いからといって油断はできません。
子宮がん検診による早期に発見が不妊症の予防に
子宮がん検診では、主に子宮頸部の細胞に異常がないかを検査します。もし異常があっても、子宮頸がんになる前の状態(異形成や上皮内癌と呼ばれます)であれば、病気の部分だけを切除し、将来の妊娠のために子宮を温存することができます。
また、子宮がん検診では、同時に超音波検査も行なわれます。子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍といった子宮や卵巣の病気は、妊娠率を下げる原因となります。これらの病気も、早期に発見することができれば、子宮や卵巣から腫瘍部分だけを切除することができます。
婦人科の病気を早期発見、早期治療することや、HPVワクチンをうって子宮頸がんを予防することが、不妊症の予防にもなっていることも意識において、定期的な検診を受けられることをおすすめします。
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麻布モンテアールレディースクリニック・院長 山中智哉
日本産科婦人科学会/日本生殖医学会/日本卵子学会所属
不妊治療のクリニックとして、体外受精や高度な技術が求められる治療にも幅広く対応している。いずれは不妊治療だけではなく、アンチエイジングや健康医療を軸にした分野にも着手し、様々な側面でお悩みを抱える多くの女性のトータルケアを促進できるようなクリニック、夫婦にとって信頼できるクリニックを目指している。