600万円の手切金をもらった女
女性たちの中にはドラマのような恋愛を経験した人も少なくありません。シンデレラストーリーのような恋愛からロマンティックな恋物語、時には愛憎劇まで。順調な交際から奈落に落とされる場合も。
今回はそんな愛のどんでん返しを経験したアラフォー女性の体験談です。
結婚への憧れはなくなりました(都内OL・Rさん35歳のケース)
当時30歳だったRさんは都内で働く普通のOLだったそうです。派遣社員からそのまま同じ会社の契約社員へ。そんな彼女が勤めていたのは大手町の有名な大会社。
社内で知り合ったという2つ年上の男性との交際は順調でお互い結婚も意識していたようです。
「彼はガツガツしたタイプじゃなくってどちらかというと大人しい性格だったかな。上品であまり女性なれしていない感じ」とRさんは振り返りました。
彼は千葉県出身で中高と県内の有名私立校を卒業後、都内の偏差値の高い大学へ。その後はそのまま大手町に就職したいわばエリート。けれどRさんがより結婚について具体的な話をした頃から交際に変化があったようです。
「プロポーズされたわけではないけれどなんとなくお互い意識していたから『こんなところで式あげたいね〜』とか『ハネムーンはどこがいいかなぁ?』って話すようになったんです。
その頃から急に仕事が忙しくなったっていう彼。仕方なくデートもない日々が続いていたんですけど突然『親と会ってほしい』と言われて。やっとご挨拶ができるってすごく嬉しかったんです。その時までは」
ご両親そろってRさんに頭を下げたわけ
千葉の彼の実家に行くことになったRさんは朝から大忙し。ヘアメイクはいつもより控えめに服装は上品な紺のワンピース、手土産もバッチリ。スマホで調べたご両親への挨拶アドバイスを頭に叩き込みいざ出陣! それがまさかあんなことになるなんて。
「千葉のご実家に伺ったのがちょうどお昼時だったので、みんなでお食事をしながらお話しできるかなって期待してました。到着後はもうびっくり!
彼の実家はそれはそれは大きなお家で『ここに嫁ぐのかぁ〜』と内心バクバク。彼同様上品そうなお義母さんに案内された私はリビングでお義父さんとも対面。早々に手土産を渡したことは今でもはっきり覚えています」
「『わざわざ来てもらって申し訳ないね。』確かこんな感じの挨拶。そしたらお義父さんが『Rさん、申し上げにくいのですが息子の婚約が決まりましたので別れて頂けませんか』って。最初私がその結婚相手ですがって思ったんですけど隣の彼はダンマリ。
『その代わりある程度の額は用意させていただきました。これまで息子と交際していたことは控えてもらえればと思います』ってテーブルに頭がつきそうなほどご両親が頭を下げていました。
もう怒りを通り越して放心状態の私は、義父から重い紙袋を渡されて都内に帰りました」
名家との交際は気をつけて…
Rさんとの交際しながらも、将来の自分が背負うべきものをわかっていた彼はなるべく彼女を傷つけないためにも社内では交際の公表はしていなかったそう。
「きっと付き合ってた時は本当に私のことを愛してくれていたと思います。何度も泣いて何度も酷い目にあわせてやろうと考えたか。けれど後になって彼の実家は名家と呼ばれる家柄と知り、彼の苦労もわかるようになってきました。
もしかしたらずっと昔から結婚相手が決まっていたのかもしれないし、私の経歴も調べて釣り合わないと思われたのかもしれない。けれど今は彼に幸せに暮らしてもらいたいと思っています。名家出身の男性との交際は慎重になるべきだったのかもしれませんね」
「あの紙袋は例の手切金でした。何度も返却しようと思いましたけど唯一の親友にだけことの経緯を話したら『持っておいたら?』と。なので専用の通帳に入れています。
600万円。『私の価値はそれくらい?』と疑問に思ったりしましたが将来のためにも当分手をつけないでおこうと思います」
現在は勤め先も変わり、例の彼とは完全に縁を切ったRさん。
一瞬でも彼との結婚への憧れを持ったことに少し後悔をしたという彼女は、私たちが思う以上に深いキズを負ったのかもしれません。「結婚への憧れはもうなくなりました」そう最後に添えた彼女は今でも独身だそうです。
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OLライター タケ子
恋愛コラムや指南書を読み漁り、婚活の糧にしているOLライター。スイーツや食にも興味あり♪