「気遣い」が空回りするのはどうして?
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よかれと思って行動をした「気遣い」がマイナスに働くことってありますよね。そんなことが続くと相手を気遣うことにためらいが出てきてしまうことがありませんか?
今回は、気遣いが空回りするのは何故なのか? その理由をお話します。
緊張が大事なアクションを疎かにさせる
CA時代は、毎回フライトするメンバーが変わります。
メンバー次第で、自分がどのように動いたらいいかを考える必要があるので、メンバー発表はいつもドキドキでした。特に先輩CAでかつ初対面だと、どんなところをフォローすればいいのか、ガチガチに緊張しながら探ったものです。余計なことをして怒らせてしまったことも数知れず、「私じゃなくてお客様に気を遣ってくれる?」と言われる始末でした。
組む相手が威圧的な雰囲気の人だと感じると、なるべく接触を減らしたいという心理がはたらき、「聞いて確認する」という大事なアクションを無意識に省いてしまっていました。そのたびに怒られてばかりだった私は、苦手だと感じる人であればあるほど、意識して話しかけるほうがいいということに気づいたのです。
「やっておきましょうか?」の一言で変わります!
その一つの方法が、自分から「やっておきましょうか?」と提案することです。
威圧的だと思っていた相手も「お願いね」や「それは今やらなくていいから」ときちんと教えてくれるようになったものです。「やっておきましょうか?」この一言で、スムーズに仕事を進められるようになり、結果、おかしな空回りは減っていきました。
「相手の不安を取り除く」ためのアクション
気遣いが空回りするのは「相手に気に入られたい」と力んでしまい、余計なことをしてしまうからです。
気に入られようと先読みして勝手にやってしまう前に、まずは自分から提案してみる。その目的は相手を「不安にさせないため」。そう考えると、本当に相手が求める気遣いに近づいていきます。
「不安」とは、この先何か悪いことが起こるのではないか、という未来の先取りにすぎません。人は想像力があるからこそ、いろいろな不安を感じ取ってしまうのです。
だからこそ、「相手を不安にさせないためにはどうすればいいか」を考え行動することが大事なのです。すると、相手がストレスを感じなくなるばかりか、自分自身もストレスを感じることなく、まわりと関わることが出来るようになっていくでしょう。
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人材教育講師 三上ナナエ
新卒でOA機器販売会社に入社し、販売戦略の仕事に携わる。その後ANA(全日本空輸株式会社)に客室乗務員(CA)として入社。チーフパーサー、グループリーダー、OJTインストラクター、部門方針策定メンバーなどを経験。
ANA退社後は、研修講師として活躍中。独自の切り口で行う接客・接遇・コミュニケーション力向上セミナー、プレゼン能力アップ研修などは、官公庁や民間企業、大学など多数で採用され、受講者総数は20,000人以上。年間100回以上の企業研修を任されている。
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