タダより高い寿司はない… そのココロは?
今回は友人N奈32歳の話。彼女はコンサルティングファームに勤めるナチュラル系アジアンビューティ。仕事もできるパーフェクトウーマン。
N奈は学歴も華々しいこともあり、学生時代はもとより社会に出てからも驚くようなネットワーク、コネクションを持っている。私もN奈から、魅力的な異性を数人紹介してもらったことがあるが、彼らの成功者っぷりにこちらが怖気付いてしまい、その後の発展はなかった。
そんな成功者軍団の中でもひときわ有名な男性AとN奈のエピソード。AはN奈の大学の先輩で、34歳。見た目もスマートで今っぽい港区男子。誰もが羨むスペックの持ち主だ。今回はそのAとの話というので、私は甘いロマンスの香りを探っていたのだが…。
「パピコ、私思うんだけど、タダより高い寿司はないんだよねー」
ワイングラスを片手に力強く言うN奈。私はよくわからずにポカンとしてしまった。
先輩Aは一流外資系金融機関に勤め、その後独立。海外への出張も多く多忙な日々を送っているようだが、その彼の趣味は、寿司を食べること。予約が取れない名店の席を定期的におさえていて、N奈も誘われて何度か、超高級な寿司をご馳走してもらっていたそう。
多くの人が憧れている名店の寿司に同席できるばかりかお会計までしてくれる… Aが素敵なジェントルマンのように聞こえるが、実際はそうではない! というのが今回のN奈の話の要。
成功者だからと言って、他人の生き方を否定するような発言はいかがなもの?
アラサーバリキャリ女性のN奈をイラつかせる原因は、彼の話の内容にあるよう。
「成功している人の話を聞くのは、刺激的で勉強になる。でもそれを4時間、聞き続けるのはなかなかの忍耐力が必要なの…」とN奈。
先輩Aは寿司屋への道中から食事の会計が終わり別れる間際まで、延々と自分の体験談や、成功事例を話し続けるタイプの男だそう。更に、その発言の中には、他の人を見下したり、卑下する内容も多いというからいただけない…。
そして、N奈を最も怒らせたのはこの一言。
「N奈も、いつまでもサラリーマンやってちゃ、自由がないし、女性としての幸せもつかめなくなっちゃうよ。独立したら? 40歳にもなったらもう手遅れだよ~、ちゃんと考えた方がいいよ」
N奈は無神経は彼のこの発言にブチ切れ、なんと食事の途中で退席したそうな。流石バリキャリN奈! その度胸ある行動にパピコ憧れます。
N奈はサラリーマンとして企業に所属しながら、ビジネスパートナーと個人事業立ち上げを行ったり、NPO法人のコアメンバーとして精力的に活動している。彼女自身の仕事やビジョンをはっきりと持って、仕事を楽しんでいる。
Aは、N奈によかれと思い、人生アドバイスをしていたのだろう。しかし、プライドをもって、仕事をしている女性には逆効果だったよう。独立を勧める発言は、N奈のキャリアや生き方を否定をしたようなもの、そりゃ逆鱗に触れちゃうよね。
その後もAからの誘いの連絡がN奈にはくるというから、Aもなかなかタフな神経の持ち主ってこと。まあ、それくらい図太くなきゃ若くして成功もできないのかもしれないけれどね。
今回は恋愛系とは違う話になってしまったけれど、懸命に働くアラサーバリキャリ女子の思考をこの世の男性陣にも広く理解していただきたいものです。
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〜予約困難店常連男にご馳走される際に必要なスキル〜
今回のN奈の話から、高級なものをご馳走してもらう際は強靭メンタルで臨むべしとパピコは学びました。
■「自慢」「他者への誹謗中傷」を4時間聞き続ける忍耐力
■時代遅れの思考を聞き流し続ける忍耐力
■自分の成功体験を押し付けることをかわし続ける忍耐力
高級なものご馳走になるのですから、それなりの対価は必要だとは思いますが、彼らの話を気持ちよく聞けるように、メンタル的に余裕を持ち、聞き流せる忍耐力と、作り笑顔で相槌を打てるスキルを持ち合わせることが必須なんですね。
まあでもパピコは一生懸命自分で稼いで、自分のお金でご褒美ご飯するのがいいな♡ 「ご馳走するよ」の甘い罠にはまらないよう気をつけます!
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サラリーマンライター パピコ
東京都内で働くアラサーサラリーマン。日々仕事に謀殺されながらも、周囲の人々に抱くフラストレーションを、かえって楽しめる技をもつ。
アラサー女性の周りに良くいる多種多様な人物をパピコ独自の目線でつづります。
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