珍しいハロウィンの今年最小の満月
10月31日はハロウィンですが、もう一つ、天体観測的にもビッグなイベントがあります。今年のハロウィンは10月二度目の満月で、かつ今年最小の満月でもある、非常に珍しい満月なんです。
◆46年ぶり、ハロウィンの満月
さきほど話した通り、今年の10月はひと月に満月が二度もある珍しい月です。満月は月に一度じゃないの? と思われるかもしれませんが、月の満ち欠けの周期は約29.5日のため、数年に一度のタイミングで月に二度、満月が見られることがあるんですよ。
月に二度目の満月は「ブルームーン」とも呼ばれ、その珍しさから見ると幸せになれると言い伝えられている地域もあるようです。「ブルームーン」の定義や語源ははっきりとしていませんが、アメリカの天文誌が誤用して一般化したという説や、英語の慣用句「once in a blue moon(めったにない)」が元になっているという説があります。
▲国立天文台ホームページより
さらにハロウィンと満月が重なるのも大変珍しく、ハロウィンの日に満月になるのは1974年以来、46年ぶりのこと! 次回は38年後の2058年なので、ハロウィンに満月が見られるのはかなり珍しいんですよ。見逃さないようにしたいですね!
◆今年最小の満月
そして、今月31日の満月は、今年最小の満月でもあります。
▲国立天文台ホームぺージより
上の図は月と地球の距離の変化を表していて、月が地球から遠いほど小さく見えて、月が地球に近いほど大きく見えます。
なぜ見かけの大きさが変わるのかというと、月は地球の周りを公転しているのですが、月の軌道はまん丸ではなく楕円形をしていて、地球と月の距離が一定ではないためです。
▲国立天文台ホームページより
4月8日の今年最大の満月と比べると、今月31日の満月は大きさが約14%小さく、明るさは約30%暗くなるとのことですが、この差をただ月を眺めるだけで感じるのは難しいです。同じ場所・角度で写真を撮ると、その差を比べることができるかもしれませんね。
◆肝心のお天気は?
10月31日は全国的に晴れて、広い範囲でお月見チャンスがあります。ただこの時期は季節の歩みが早く、東京の31日夜9時の気温は13℃くらいまで下がりそうです。仮装をされる方は、うっかり薄着になることがないよう気をつけてお月見を楽しんでくださいね。
参考:国立天文台
TOP画像/(c)Shutterstock.com
気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。