愛ある別れから教訓にしたいこと
みなさん、こんにちは。OLライターのタケ子です。良い経験をさせてくれた恋愛や、思い出したくもない恋愛。みなさんならひとつやふたつ、経験してきたのではないでしょうか。私、アラサーライターのタケ子もその一人。今日はある女性の「愛ある別れ」を通して、心に留めておきたいことを紹介します。
◆「私は彼で十分だった」37歳医療事務 A子さん
私は社会人一年目のときに出会った4つ上の男性とおつき合いをすることになりました。会社の上司でしたが、まだ若いのになぜか役職付の社員。最初はとても優秀なんだとしか思っていませんでした。
私はどちらかというと中高と体育会系な環境にいたからか、そんなノリの男性とも仲が良く、アメフト経験者だった彼との関係はとても良好で、いつしか結婚を考えるようになりました。つき合って2年が経とうとしたとき。知らない番号から電話がきました。
「○○の母ですが。突然すみません。あなたとおつき合いをしていると聞いたもので電話しました」
びっくりしたと同時についにお母さんと話す時が来たか! と彼との将来が見えた気がして少しう嬉しかった。それも「今度ウチにいらっしゃい」という許可まで頂いたのだ。
後日、おいしいと評判の和菓子を持って駅で彼のお迎えを待ちました。
「ごめんな! お待たせ」と元気な顔に「おはよう」とガチガチの私。彼の家はとても大きく、というか高級住宅地にあった。
「こんにちは。どうぞ」という彼のお母さんは、お世辞にも愛想が良いとは言えず余計に緊張。応接間と思われる部屋には彼のお父さんが。
「…(えっ! お父さんまでいるなんて聞いてないよ)」
半泣きの私は震えながらお菓子を渡す。
お母さんが「コーヒーでいいかしら?」と奥で支度してるときに、彼のお父さんが口を開いた。
「とても言いにくいんだけどね、せがれ(息子)はもう結婚相手が決まっていて、君との関係を続けされる訳にはいかないんだ。大変申し訳ない」
口をポカンと開けている私に「どうぞ」とコーヒーを持ってくるお母さん。ちゃんとお会いしてお話しなければと思ったので、今日はお呼びしました、というお父さんの声はあんまり聞こえなかった気がする。正直その後は記憶がない。隣の彼も動揺していたけれど、ある程度分かっていたのかもしれない。
その日以降度重なるご両親からの連絡に、私の心は折れてしまった。なぜなら私が実家を訪れた翌週には、彼は海外に赴任。私たちの関係を知るごくわずかな同僚からの情報だと、彼のお父さんは系列会社の重役。若くして役職付だったことが腑に落ちた。
「今だけの辛抱だから」という彼の言葉は、弱気なセリフにしか聞こえなかった。きっと彼も葛藤したのだと思います。彼はウジウジした事は嫌いでスパっと判断するような性格だったから、両親からのプレッシャーや自分の将来、私を守りきれなかった自分に申し訳なさがあったのでしょう。
だから「もう大丈夫」の私の言葉に、彼は安心していたように思います。正直、数日は夜泣いては翌日みんなに「目、腫れてるよ」という日が続きました。
私は好きとかあまり口にしませんでしたが、心底彼を愛していたと思います。彼のこと嫌いになれなかったし、彼に私の現状を心配されないように会社を数ヶ月後には退職して、現在は医療事務をしています。
37歳になった今でも、彼以降男性とつき合えていません。正直もう裏切られるのが怖いから。もう立派なお局ですが、私の中の大恋愛は彼で十分だったように感じます。私にとって愛に包まれ、愛ある別れだったと思います。
* * *
好きなのに別れなくていけない、諦めなくちゃいけない恋愛ほど、悲しいことはないですよね。それでも彼を恨むことなく、愛あって別れることができた、という彼女はとても強い女性に思えました。つき合う前に、家柄や家庭環境を聞くことは難しいですが、一緒にいることで得られる情報が大切なパートナーのすべてではないということは、覚えておくと良いのではないかと思います。
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OLライター タケ子
恋愛コラムや指南書を読み漁り、婚活の糧にしているOLライター。スイーツや食にも興味あり♪