【目次】
・「凛々しい」とは、どんな意味?
・凛々しい人の特徴
・「凛々しい」の正しい使い方は? 例文をご紹介
・「凛々しい」の類語とは?
・「凛々しい」の対義語とは?
・最後に
「凛々しい」とは、どんな意味?
「凛々しい」と書いて、「りりしい」と読みます。まずは「凜」という漢字について説明しましょう。「凜」とは、冷たい氷に触れることで身も心も引き締まる様子を表します。「寒い、寒さが厳しい」「厳しい、激しい」「怖れ慎むさま、心が引き締まるさま」を意味する漢字です。
ここから「凛々しい」とは「態度、動作、表情などがきりっと引き締まっていること」や「力強さや意志の強さが感じられて、頼りがいがあること」という意味をもつようになりました。また、「凛」という言葉を重ねて「凛々」とすることによって、「凛」という漢字のもつ意味を強調しています。
見た目や言動、雰囲気がきりっと引き締まっていることを示唆していますが、その形容は「男性的な魅力」「女性的な魅力」どちらにも当てはめて使うことができます。「たくましい力強さが感じられること」や「洗練されたエレガントな魅力が感じられること」、どちらもの意味合いがあるのです。
そのため、「凛々しい男性の振る舞いに感動した」、もしくは「凛々しい女性の清楚な横顔にため息がでた」など、男女の区別なく使うことができるのも特徴のひとつです。
凛々しい人の特徴
凛々しい人の特徴として、まず挙げられるのが「勇ましい人」です。「凛」という漢字が本来もつ「心身ともに引き締まっていて勇ましいさま」を体現している人が「凛々しい人」と形容されるでしょう。
とはいえ、猛々しく争うタイプではなく、人に媚びず、自分に厳しく、自己をしっかりもっている、どちらかというとクールな印象を与える人が「凛々しい人」のイメージです。背筋がしゃんと伸びている人が多いのも特徴でで、たとえば弓道部の弓をひく姿は、この「引き締まって勇ましい姿」と合致しますね。
男性ならば、力強さがあり、自信に満ちあふれていて、決断力と行動力の両方を備えている人。それは自信過剰で周りを見下すという態度とは違います。
凛々しい男性は賢さも兼ね備えているため、周りの人たちを公正に評価して接するからです。自分がどう振る舞うのがベストかを考えて行動するので、周りからも慕われることが多いでしょう。
女性ならば、物腰が美しく、それでいて勇敢で、颯爽と行動する人。着飾った美しさではなく、中身からくる天然の清らかな美しさを備えているのは大前提です。
さらに勇気があり、危険や困難にひるまず挑戦する女性。「強く頼れる存在」は他者を引き付けるものです。勇ましい姿でもさわやかに感じる女性は、まさに「凛々しい」女性といえるでしょう。
「凛々しい」の正しい使い方は? 例文をご紹介
1:「現場で奮闘する凛々しい姿を見ていて、彼を見直した」
この例文は、ビジネスシーンで勇ましく戦う、また弱者を助けるために誠意を尽くすなど、ある現場で勇ましく行動する姿を見ていて、改めてその男性を認め直したというものです。
「凛々しい」とは、「たくましさを感じさせるオーラ」や「力強く頼れる雰囲気」などを表現することができ、その様子を魅力的に解説したものです。
2:「援軍到着の情報を聞き、彼らは凛々しい顔つきになった」
これは、援軍が到着したという知らせを聞いて、雄々しい顔つきになった人々を表現したものです。もしかしたら一度は弱気になってしまったものが、助けが来ることがわかって、力がみなぎったのかもしれません。
凛々しい顔つきというのは、「緩んでいない、きりっと引き締まった表情」になります。にやけたり、たるんだりしている弛緩した顔ではなくて、集中力や意志の強さが増し、自信がみなぎっている顔つきのことを言うのです。
3:「どんなトラブルにも冷静に対応する彼女は、凛々しい女性そのものだ」
この「凛々しい」を使った例文は、どんな困難にもしなやかに対応する女性を見て、美しい姿だと感じたことを語っています。どんなに高い壁が現れても声を荒げたり、気持ちを浮き沈みさせることなく、ただ向かっていく姿に感銘を受けたのです。
「凛々しい」には、「意志の強そうな引き締まった立ち居振る舞い」に加えて、「上品で清楚な雰囲気」「優雅に対処するさま」についても示唆することができます。
「凛々しい」の類語とは?
1:精悍な(せいかんな)
「凛々しい」の類語・類義表現に「精悍な」があります。意味は、「顔つきや態度に、勇敢で負けん気の強い気性が現れていること」になります。勇ましくて元気があふれ、勇気があって何者をも恐れない様子です。「凛々しい」という言葉と比べると、「精悍な」にはやや力強いニュアンスがあります。
2:颯爽とした(さっそうとした)
「凛々しい」の持つ勇ましさや、きりりと引き締まっている様子を表す類語として、「颯爽とした」という言葉があります。「颯爽」には「人の姿や態度、行動がさわやかで勇ましいさま」「きりりとしていて見ていて気持ちのよいさま」という意味になります。さわやかさだけでなく、同時に強さを感じるときに使われます。
「颯爽とした」という言葉は、「颯爽たる姿」「颯爽と歩く」などと使います。姿や態度だけでなく、行動に対しても使うことができるため、幅広い場面で使うことのできる言葉です。
3:気品がある
「気品」には、「どことなく感じられる上品さ」「気高い品位」という意味があります。「凛々しい」という言葉のなかの、知的さや賢さを含んでいる言葉です。
ワンランク上の上品な雰囲気がある人に対して「気品のある人」と形容したり、「気品がある」と単体で使用することもあります。「凛々しい」という言葉がもつ美しさとニュアンスが似ていると言えます。
「凛々しい」の対義語とは?
1:締まりがない
「凛々しい」には「きりっと引き締まった表情や態度をしていること」という意味があるので、その対義語として「締まりがない」という言葉が挙げられます。緊張感がなく、だらけているさまやだらしない様子が「凛々しい」と相反しています。
2:頼りがいがない
決定力と行動力を備えていて、人を引っ張っていく姿を「凛々しい」とするならば、その対義語に「頼りがいがない」が挙げられるでしょう。信用できない、信頼に値しない、頼みにならない状態を意味します。
3:みっともない
「みっともない」には、服装、動作、生き方などが相手に不快感を与えることを言います。「凛々しい」には「毅然としていて洗練された態度を示していること」という意味もあるので、見た目が悪く、見苦しく、体裁が悪い状態である「みっともない」という言葉も「凛々しい」の対義語と言えるでしょう。
最後に
「凛々しい」は男女問わず、人を褒めるときに使うことのできる言葉です。ただ「きれい」と褒めるだけでは外見のみになってしまいます。また「知的」と伝えるだけでは内面のみを褒めることになりがちです。
しかし「凛々しい」という言葉で人を褒める場合には、外見内面の両方の美しさを褒めていることになります。ですから「凛々しい」という言葉は、人に対する最高の褒め言葉といえるのです。
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