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2020.03.15

「及第点」の正しい意味と使い方を解説! 対義語や類義語も要チェック

「及第点(きゅうだいてん)」という言葉の意味をご存知でしょうか? 試験や審査などで合格するために必要な点数のことを指します。本記事では及第点の正しい意味や使い方、対義語について解説していきます。

【目次】
「及第点」の意味とは?
及第点の正しい使い方は? 例文をご紹介
及第点の類義語はどのようなものがある?
及第点の対義語はどのようなものがある?
ちなみに… 及第点の英語表現をチェック
最後に

「及第点」の意味とは?

(c)Shutterstock.com

日常生活の中でも、「セールスマンとしては及第点だ」や「初めてにしては及第点」など、ちょっと上から目線っぽく古めかしい感じがする「及第点」という言葉を耳にする機会がありますね。

サッカーやプロ野球のニュースでも「A選手に及第点の評価」や、「B選手の投球に及第点」と使っています。監督や解説者のインタビューでも、「及第点ですね」と言っているのを聞きますね。また学校の試験に関しても使うことが多いでしょう。

「及第」は「試験に合格すること。一定の基準に達していること」を意味します。それに点がついた「及第点」は「試験や審査などに合格するのに必要な点数。合格するために必要な最低限の点数」という意味になります。

「及第」とは元々は中国の言葉で、「第」は大きな屋敷を表します。「お屋敷」とは「家」という意味ではなく「政府」という意味があります。昔、中国では官吏の登用試験「科挙」が行われていました。

(c)Shutterstock.com

これに合格するといわゆる高級官僚の道が約束され、官僚として国家の中枢・政府で働くことができました。ここから「第(大きな屋敷)に及ぶ」すなわち「及第」が使われ、試験に必要な基準を満たす点数を「及第点」というようになりました。

ただ「及第点」といっても、具体的な数値に関しては厳密な決まりはありません。入試のように具体的な目安としての合格点もありますが、先に述べたようにスポーツやビジネスシーンでの「及第点」は、明確に数値化できるとは限りません。一定の基準を満たしている場合に「及第点」ということができるでしょう。

たとえば100点満点で70点が合格ラインであれば、70点〜79点くらいなら「及第点」ということができるでしょう。ベストとは言えないが、「ギリギリ」「まあまあ」といったニュアンスに近いかもしれません。

及第点の正しい使い方は? 例文をご紹介

(c)Shutterstock.com

1:「急にお願いしたにも関わらず、及第点の結果を出してくれた」

急な仕事だったが思った以上の出来だった、と褒められているようにも聞こえますが、「及第点の結果」とは言い換えれば「合格ラインには達している」「まずまずの結果」となります。可もなく不可もなくという意味なので、必ずしも褒められているとは限りません。

2:「初めてのことで非常に不安だったが、及第点以上の仕上がりだった」

「及第点以上」は、ギリギリのラインではなく「それ以上」という意味を含みますので、「まずまずだった」よりも「良い結果になった」という労いの評価として使う場合もあります。

3:「とりあえず及第点のレベルには達している」

及第点のレベルは、合格ラインに達しているそれでOKなのではという見方もあります。でも逆に言えば、「最低でもこのレベルまでは達してほしい」「もっと努力すればもう少し上にいけた、良い結果を残せた」という意味合いも含まれています。「及第点」という言葉は使う人によって基準が異なる言葉でもあるのです。

及第点の類義語はどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

1:「合格点」

一見すると「及第点」と「合格点」は同じような意味にとれますが、「合格点」は試験や審査などで一定の水準に達して合格と判断できる点数という意味です。

「及第点」も結果としては合格であっても、「及第点が取れたね」というと、何とかギリギリで合格したというニュアンスになります。努力の結果を褒めるときは、「及第点が取れたね」というよりも「合格点が取れたね」「合格したね」といった使い方がいいかもしれません。

点数が基準を満たして余裕で合格した、ポジティブに伝えたいなら「合格点」、合格はしたけれど、ギリギリで、何とかという場合は「及第点」と区別して覚えておきましょう。

2:「よい結果」「まずまずの出来・結果」「悪くない」

「及第点」はそれを使う人の満足度や基準によってニュアンスが変わります。ここで紹介する類義語は、ある程度満足のいく結果だった場合に使われることが多い言葉です。他にも「悪くない出来・悪くない結果」、「8割程度のでき」、「一人前」、「並み以上」などがあります。

3:「そこそこの出来」

「あまり勉強していなかったわりに、そこそこの出来だった」このような場合、思ったよりはいい結果だったけれども、それほど褒められたものでもない、というニュアンスになります。とりあえず及第点ではあるものの… という意味合いで、「それなり」、「及第点のでき」などとも言い換えられます。

及第点の対義語はどのようなものがある?

(c)Shutterstock.com

1:「落第点」

「落第点」は一定の基準に達しない点数、試験や審査に合格できない点数のことです。「及第点」の「第に及ぶ」に対し、「落第点」は「第から落ちる」ことです。「こんなに悪い成績だと落第だ」「50点以下は落第点だ」などと使います。

2:「赤点」

「赤点」の意味は「(赤色で示すことから)落第点。欠点」です。「赤点をつける」「試験が赤点だったので、再度試験を受けることになった」などと言いますね。

3:「不合格」

「及第点」の類義語に「合格点」がありますが、その意味では「不合格」、「失格」なども対義語といえます。

ちなみに… 及第点の英語表現をチェック

(c)Shutterstock.com

英語で「及第点」を表すと「passing grade」か「passing mark」になります。「pass」は「合格する」という意味で、「grade」は成績、評価で「合格する成績」、「mark」は「点数、評点」ですから「合格点」の意味になります。

また、「合格点」も英語では同じ「passing grade」「passing mark」といいます。なので、「get a passing mark 」で「及第点を取る」ということになります。

最後に

「及第点」はギリギリ、そこそこ、悪くはない、といった上から目線の意味合いが含まれていますから、目上の人や先輩に対して使うのは失礼にあたります。使う相手や状況次第では、誉め言葉とも皮肉とも伝わります。

ただ「こんなのやっと及第点です」と自分に対して言う場合は、「まだまだ満足いく結果ではありません」という前向きな意味になります。「及第点」を使うシーンで迷ったら、何も言わないのも選択肢の1つかもしれません。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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