箱根ポーラ美術館「シュルレアリスムと絵画」展
箱根のポーラ美術館は、森の中の美術館という感じで展示に関わらず美術館の存在そのものが大好きです。11月にも紅葉と展示を観に行ったので、今回で2ヶ月連続の訪問です。
今回は、「シュルレアリスムと絵画」展。人気のダリの作品もたくさん展示されていました!
たっぷりと自然光の差し込む美術館。散歩道もある美術館周りの森もとっても素敵。空気が綺麗で本当に癒されます♪
「シュルレアリスムと絵画」―ダリ、エルンストと日本のシュール、という展示会タイトルの通り、シュルレアリスムとそれが形を変えた「シュール」というのがテーマになっています。
シュルレアリスムとシュールが、なんとなく同義だと思っていたのですが今回細かく説明を見たり聞いたりして微妙に異なるという事を学びました。
いきなり入り口からかなりのインパクト…!
シュルレアリスムとは、理性を中心とした意識では捉えきれない新しい現実=超現実を表現することを目指して100年前に始まったもの。
そのために偶然性や即興性を表現に取り入れた作品が多く、雑誌のコラージュをでたらめに並べて「〇〇に見えてきた」というところから作品を作ったり、引っかいたり絵具がこすれて偶発的にできた線や模様から見えてきたものを題材として作品化したりしていたようです。とても面白い思想だな、と思いました。
とにかく広々としてゆったりと見やすい作りになっています。シュルレアリスムの起こりから、それが日本に来て形を変え「シュール」という世界観になり、影響を受けた芸術家の作品を数多く見る事ができます。
◆関連展示1:現代美術作家「束芋」さんの展示
日本のアーティストである束芋さんの展示もシュルレアリスムとの関連で開催されていました。とにかくハッとさせられる、少しグロテスクだけどとても美しい作品に目を奪われます。
シュルレアリスムとの関連については展示会主催者側の意向で、シュルレアリスムの原点の、偶発性から作品が生み出されるという制作過程が似ているから、との事。
絵の1枚1枚がとても素晴らしいというのに加えて、広々とした静かな展示空間もとても素敵。
映像作品も大きく展示してありました! 次から次へと変化している映像にしばらく言葉を失って見入ってしまいました。
◆関連展示2:モードとアートの香水瓶(企画展)
アートではないけれど、女子が大好きなドキドキ、そしてわくわくする企画展も同時開催!
シュルレアリスムが世界で展開した時代に制作された香水瓶の展示です。その時代に活躍した芸術家たちが手掛けた作品を中心に展示。
センスが光る古い広告も多く展示されています! こんな素敵だと、家に飾りたくなりますよね♡
レトロで美しい香水瓶はいつまでも眺めていたくなりました!
ゲランのこの形はこんなに昔からの定番なんだ! と思いびっくり。当時のマダム達もこの美しい香水瓶と香りにドキドキしていたのかなと思うと、歴史を感じつつ親近感が沸くというような不思議な気持ちに♪
ミュージアムショップも充実
実は私、ミュージアムショップが大好き。企画展ごとのグッズをチェックしては買い集めています。ポーラ美術館はミュージアムショップも充実。シュルレアリスムといえばダリ! ということでダリ関連のものも多く販売されていました。
中でも気になったのはこれ! ダリのミニチュアの絵を、立体的に組み立てて飾る事ができる工作キット。
ダリ好きにはたまらないのではないでしょうか。パッケージも素敵ですが、自分で作って飾れるとなるとさらに良いですよね! ダリづくしのカレンダーなどもあり、お土産として贈っても喜ばれそう◎
そしてこのミュージアムショップの奥には、美術関連の本がたくさんあります。
今回はダリのコーナーが設けられていました。
常にたくさんの本が売っているので他の芸術家のものもあるのですが、私が特に好きなのが、子供にも分かりやすく書いてある「僕は〇〇」というシリーズの絵本。その芸術家の生涯がまとめられているのですが、代表名画がカラーで載っていたりと、とにかく分かりやすいんです!
文字ばかりの歴史年表だといまいち頭にスッと入ってこないのですが、絵本でかわいい絵と一緒に読むと改めてどこで生まれてこんな出来事があって… というのを簡単に勉強することができます。どんな生涯だったか、どこを故郷としてどんな出来事があった中でその絵を描いたのか、を知るとその芸術家の作品に対する見方、感じ方も少し深くなるような気がします^^
シュルレアリスムと絵画展は2020年4月5日まで。そして次はなんと「モネとマティス」だそう…! 春の森の中で見るモネとマティス、なんて素敵だろう… と思い、その時期にまた箱根に訪れたくなりました♡
都内からのアクセスも良く、日帰りでも自然やアートを存分に堪能することができます! みなさんもぜひ、訪れてみて♪
オッジェンヌ 大枝千鶴
2015年からOggi読者モデル「オッジェンヌ」として活動。営業職という仕事柄、通勤服は好感度が最重要事項。最先端のIT企業で働きながらも歌舞伎と着物が大好きという古風な33歳。一級きもの講師。Instagramアカウントはこちら:@chizuruoeda