神社名を見るだけでどんな神社かおおよそわかります!
神社巡りが趣味のライター吉田が、参拝する際にちょっと役立つ情報をお届けします!
前回の記事では「神宮」と「大社」の社号の違いについてご紹介しました。
「○○神宮」であれば、皇室や皇室の祖先神とされる神様が祀られており、「○○大社」であれば地域の信仰に根ざしている神社や大規模な神社に対して与えられる社号であるというお話をしました(一部例外あり)。
つまりは神社というのは神社名を見るだけで、どんな神様が祀られていてどんな由緒があるのか、ある程度わかるようになっているんです。
そこで今回は、全国各地にある「○○八幡宮」「○○天満宮」「○○天神」「○○東照宮」「○○稲荷」という名称は何を表すのか、またどんな御利益があるのかなどご紹介したいと思います。
これがわかるようになると、いちいち神社名でググらなくてもある程度どんな神社かわかるようになるので、神社巡りがさらに楽しくなりますよ!
◆「○○八幡」は勝負運がつくと言われる神社!
▲鶴岡八幡宮
「八幡」とつく神社、あなたの近所にもありませんか?
※有名なところでは鶴岡八幡宮、石清水八幡宮、富岡八幡宮など。
というのもさまざまな神社系列がある中、「八幡」とつく神社はその数は優に4万社を超える規模の系列です。
「八幡」がつく神社の多くは、応神天皇(別名:誉田別尊・ほむたわけのみこと)を主神とし、母・神功(じんぐう)皇后と神道の女神・比売神(ひめがみ)と合わせて八幡三神として祀られています。
勝負運に御利益があると言われていますが、その由来は源頼家がかつて出陣の際、京都・石清水八幡宮に必勝祈願をした後に見事勝利をおさめたとされたことにあるようです。
◆「天満」「天神」とつく神社の祭神は、学問の神と呼ばれるあのお方!
▲太宰府天満宮
「天満宮」や「天神」とつく神社は全国に約12,000社あると言われており、比較的多く見られる神社ではないでしょうか。
※有名なところでは、太宰府天満宮、湯島天神、北野天満宮など。
「天満宮」や「天神」とつく神社の御祭神は、菅原道真公です。
道真が不運にも太宰府へと左遷され、亡くなりました。その後、天変地異が多発し、道真の祟りだと畏れられ、それを鎮めるために京都に北野天満宮を建立したのが始まりとされています。
道真公が非常に学問に秀でていたことから、現在では「学問の神様」「受験の神様」とされ、毎年の受験シーズンには「天満宮」「天神」とつく神社には列をなすほどの人気が。
◆言わずと知れた、徳川家康を祀る「東照宮」は仕事運!
▲日光東照宮
「東照宮」とつく神社は徳川家康を主祭神としています。
※有名なところでは日光東照宮、上野東照宮、久能山東照宮など。
家康の遺言により、死後家康は「東照大権現」の神号が与えられ、神格化されました。
家康が長寿であったこと、江戸時代という安泰の時代を作ったこと、などから、「健康運」「仕事運」「出世運」「人間関係運」に御利益があると言われています。
また中でも日光東照宮は風水と陰陽道に則って設計されており、あらゆる運気が集まる有数のパワースポットとしても有名です。
◆あちらこちらで見られる「稲荷」は商売の神様!
▲伏見稲荷の鳥居
あちらこちらで見られる「稲荷」は、約3万社以上あると言われる神社の系列になります。総本宮は千本鳥居で有名な伏見稲荷大社です。
※有名なところでは伏見稲荷大社、笠間稲荷神社、豊川稲荷(曹洞宗寺院)など。
また豊川稲荷などにおいては神社ではなく寺です。これは神仏習合思想時代に広まった言われ、神仏分離後も変わらず祀られ続けています。
ですので稲荷神社だと思ったら実は寺院だったというのも珍しくありません。いずれにせよ、稲荷は稲荷神と呼ばれる宇迦之御魂神(うかのみたまのおおかみ)を主にお祀りしています。
元々は農業の神様でしたが、そこから転じ、今では商売全般の御利益があるとされています。
以上、いかがでしたか?
神社の名前を見るだけでどんな神社かあたりがつくようになるので、何気なく散歩しながら神社を発見したら、「この神社にはこの神様が祀られているんだ! 参拝してみよう」などと興味を持つきっかけになるのではないでしょうか。
吉田奈美
雑誌・書籍・webメディアライター・編集者。著名人インタビューや著名人エッセイ、恋愛、女性の生き方、旅、料理などの分野で活動中。吉田奈美名義の著書に『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)。