「神社」と「大社」の違い、知っていますか?
昨今、日本各地の神社仏閣巡りがライフワークとなりつつあるライターの吉田がこの参拝シーズンに知っておくとちょっとだけ得した気持ちになる情報をお届けしたいと思います。
第1回目は「神社」と「大社」についてお話します。
◆日本の2大パワースポットといえばもちろん…?
みなさんは「神社」と言うとどの神社を思い浮かべますか?
日本全国には10万社を超える神社が存在していると言われていますので、なかなか難しいかもしれません。
それでも1つだけどうしても… と言われたら、天照大神を祀る「日本人の心のふるさと」とも評される「伊勢神宮」を挙げる人が多いのではないでしょうか。
またそれに双璧をなす存在として「出雲大社」を挙げる人もいるのでは? こちらは出雲の地を中心に巨大な国づくりを成し遂げ、その後天つ神の子孫である天孫(てんそん)に国譲りをしたことで知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られています。
「神社好き」を公言する人であれば、この二社は必ずや訪れるであろう神社のはず!
私感としては伊勢神宮には厳かで高貴でピンと張りつめた気が流れ、出雲大社には賑やかで大らかな気が漂っており、どちらも間違いなく日本トップクラスのパワースポットと言えるでしょう。
◆なんで両社とも「○○神社」ではないの?

伊勢神宮、出雲大社ときて、あることに気づきませんか?
それはどちらも「神社」という名称がつかずに地名+「神宮」、「大社」という表記な点。
この称号のことを「社号」と呼んでおり、これが意味するものを知ることで、ちょっとだけ神社についての歴史を知ることができるんです。
ちなみに社号は「神宮」「大社」以外にも、日光東照宮や鶴岡八幡宮といった「宮」、八坂神社や花園神社といった「神社」などもあります。
◆そもそも「社号」って何?
社号によってある程度の格式がわかります。
例えばボクシングで「ヘビー級」といえば大柄な選手を指し、「フェザー級」といえば小柄な選手を指しますよね。
それと同じように(全然同じじゃないですが…)神社でも社号を見るだけでどんな神社なのかがある程度わかります。なぜならどんな神様を祀っているのかや、歴史・由緒などが社号に表れているから。
今回は伊勢神宮に代表される「神宮」と出雲大社に代表される「大社」の社号の意味についてご紹介します。
◆「神宮」とは本来は「伊勢神宮」のことのみを指します!
本来「神宮」といえば、伊勢神宮のみを指しますので、単に「神宮」といえば伊勢神宮のこと。
また「○○神宮」という社号のつく神社は「伊勢神宮」だけでなく、全国各地24社あります。
初詣シーズンには毎年約300万人以上もの参拝者が訪れると言われ、全国1位の初詣参拝客数を誇る「明治神宮」。
明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后を祀っています。
他にも「神宮」には「熱田神宮」、「橿原(かしはら)神宮」、「鹿島神宮」など計24社あると言われていますが、それらの神社に共通するものは、祀っている対象が皇室の祖先神や天皇、『古事記』に登場する神様や皇室に関わりの深い人物が祀られています。
◆「大社」とは地域に根ざした大規模で特別な神社を指す
現在、「大社」とつく神社は「出雲大社」「諏訪大社」「春日大社」など、24社あると言われていますが、「大社」といえばかつては「出雲大社」のことのみを指していました。
また「出雲大社」は一般的には「いずもたいしゃ」と呼ばれることが多いのですが、正式には「いづもおおやしろ」です。
もともと「大社」の社号は出雲大社のみに許されたものでした。
出雲大社を祀っている神様は、『古事記』に書かれているように天孫族に国譲りをした出雲国の英雄・大国主命という神様。国づくりの過程において特別な存在の神様とあってか、特別に「大社」という社号が付けられたと言います。
出雲大社を始めとした「大社」という社号は、地域の信仰に根ざしている神社や大規模な神社に対して与えられます。
◆社号を知れば、神社巡りがさらに楽しくなる!
「神宮」と「大社」の違い、わかりましたか? どちらも神社の中で、とても大切で重要な位置付けの神社です。
由緒や歴史などを調べる前に、実は名前だけでどんな神社なのかイメージがつくので、この「社号」の知識は多少なりともインプットしておくと参拝の楽しさが広がりますよ。
次回は、これも神社好きなら知っておきたい「八幡宮」「天満宮」「東照宮」「稲荷」についてご紹介します。

吉田奈美
雑誌・書籍・webメディアライター・編集者。著名人インタビューや著名人エッセイ、恋愛、女性の生き方、旅、料理などの分野で活動中。吉田奈美名義の著書に『恋愛saiban傍聴記』(主婦の友社)。