山添、男女の仲に平和が訪れることを一心に願っております。
みなさん、こんにちは。
「クズ紳士」こと相席スタートの山添寛(やまぞえ・かん)です。
<What’s about「クズ紳士」?→レディーファーストでスマートな立ち振る舞いをする一方、酒・女・ギャンブルにも精通するクズと紳士のハーフ。これぞ山添 寛最大のオリジナリティ!? クズと紳士の両面に精通するために、あらゆる男心を分析できるという特殊能力も完備している。>
前回、プレゼントやお土産にまつわる女性が感じているであろう男性への不満をご紹介いたしました。
振り返ると3つの不満に集約していたのではないかと僕は思ったのです。
そこで今回は、プレゼントやお土産にまつわる女性が感じているこの不満に対し、男性側はどう思っているのか、その深層心理を解き明かしたいと思います。
男は「本当に使えるものをもらいたい!」と思っている!
<女性の不満1:「実用品をリクエストされること」に対する男の心理>
女性から海外旅行のお土産リクエストをされ、男は「タバコ」などと実用品を頼むことがあります。
これに対し女性は「なんて味気ないものを… お土産を買う楽しみを奪われた」とげんなりします。
しかし男性の心理はこうなんです。
「欲しいものを聞かれたから、心から欲しいものを言ったまで。人にいただくのであれば、確実に使うもの、無駄にしないですむものをいただかないと失礼になるから」
自分のセンスごと相手にプレゼントしたい女性サイド、あくまでも現実的に使うか使わないかでジャッジする男性サイド、このズレによりお互いの距離が広がっているのです。
男は「使えないものをもらったら思いやりのみで使えない」のです!
<女性の不満2:「あげたものを使わないこと」に対する男の心理>
女性がプレゼントしたものを受け取った男が、いつまで経っても一向に使う気配がないことに女性はイライラ…。これだけ見ると「なんて男だ」と思いますよね。しかし事情があるケースも多いんです。
僕自身、かつてこんなことがありました。
誕生日に「何が欲しい?」とリクエストされ、僕は前から欲しかったTシャツをブランド名、デザインとともにお伝えしました。
しかしいざプレゼントされたのは、僕がリクエストしたものとは全く違うTシャツでした。
その理由を聞くと、「こっちのほうがかわいいって思って」と。(これも女性の『自分のセンスごとプレゼントしたいという気持ち』の表れなのではないでしょうか)
そのとき僕は思いました。
「だったら『何が欲しい?』なんて聞かないでほしかった」と。
もちろんいただいたことには感謝していますよ。でもリクエストしたにも関わらず、それとは違う趣味ではないものをもらった際に、それでもなお、それを使わなかったことに文句を言われる筋合いはあるのでしょうか、と。
男は「本当に欲しいものをあげることが愛情である」と思っている!
<女性の不満3:「プレゼントを自分で選んでくれない」に対する男の心理>
女性に贈り物をする際に、何が欲しいのかを尋ねて「これこれが欲しい」とピンポイントで商品を指定する女性が案外少なく(キャバ嬢などがお客様におねだりする際などにはよく見られると思いますが)、それよりも「男性に選んでほしい」という思いから、「男性に選ばせる」ケースがよく見られます。
それは女性が「プレゼントをその人のために選ぶ行為そのものが愛情の証」だと捉えているからなのではないでしょうか。
しかし男性サイドの気持ちとしては、相手が本当に欲しいものをプレゼントすることこそ、愛情だと信じています。なので自分で選ぶのではなく、相手に品物を指定してほしいと思うんです。よく男性が女性の買い物に付き合い、その場で選んでもらうといった光景が多いのはそのためなのではないのでしょうか。
その裏には自分自身も「相手の趣味ではなく、本当に自分が欲しいものをもらいたいから」という気持ちがあるから。
過程主義の女性、結果主義の男性、この男女のズレを解消するには共通ルールが必要?
贈り物に自分のセンスを投影し、また相手が喜ぶものを想像して選ぶことそのものが愛情であるとする女性。過程主義とも言えます。
一方で、贈り物は本当に相手が必要とするもの、喜ぶものをあげることこそ愛情であるとする男性。結果主義とも言えます。
どちらの主張も悪いわけではありません。しかしながらプレゼントにおける「ルール」がそもそも違うわけです。このズレは致命的であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
このズレを解決するには、いったいどうすればよいのか。ここで本物の紳士であれば女性サイドに合わせるでしょうが、クズ紳士である僕はこれだけは譲れません。
そこで僕は、ある種異種格闘技戦になっているこの現状に、「贈り物における男女間の共通ルール」を設けることにしたのです。
贈り物をあげたりもらったりというのは、もともと女性が得意とするジャンルです。男はそもそもが下手なんです。そこをまずは前提として押さえておいてください。男は女性のホームで戦う、アウェイ状態であるんです。
プレゼントのルールは最初に決め、それに従う!
まずは女性のみなさんに言いたいです。プレゼントをあげる際、もらう際、あなたの目的はどこにあるのかということを最初に考えることが大事です。
目的は大きく分けて2つあります。
ルール1:「自分が楽しむことを第一優先にする」
ルール2:「相手に喜んでもらうことを第一優先にする」
※両方の目的を同時に満たすのは至難の技ですので、どちらかひとつを選んでください。
まずひとつ目の「自分が楽しむことを第一優先にする」という目的を選んだ際は以下を守ってください。
・お土産やプレゼントで何が欲しいのかを相手にリクエストせず、自分で選ぶ。そして相手が喜ばなかったとしても気にしない。
・自分がプレゼントをもらう立場の際にも、リクエストしない。相手に選んでもらう行為そものを楽しみ的外れなものをプレゼントされても怒らない。
次にふたつ目の「相手に喜んでもらうことを第一優先にする」という目的を選んだ際には以下を守ってください。
・お土産やプレゼントの際には相手が本当に欲しいものを聞き、それをプレゼントする。
・自分がプレゼントをもらう立場の際にも、自分が本当に欲しいものをリクエストし、もらったことを心から喜ぶ。
こうすることで、男女間のズレによる溝が少なからず埋まり、平和が訪れるのだと僕は思うのです。そもそもプレゼントを贈るという行為自体、とても幸せなことです。僕はこんなことで争いたくないのです。
今回はちょっと真面目にお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
「お前なんかに贈り物なんてしねーよ」
はい、ごもっともでございます。
しかしいつの日か、あなたの心に素敵であたたかなものをプレゼントできるよう、そしてあなたからもあたたかな心をいただけるよう、これからも精進してまいりますのでお付き合いくださいませ。
撮影:菊竹規 構成:吉田奈美
山添 寛(相席スタート)
お笑いコンビ・相席スタートのツッコミ(ネタによってはボケも)、ネタ作り担当。男女の微妙な関係性やすれ違いを描くコント・漫才に定評あり。2016年M-1グランプリでは決勝進出も。令和に時代が代わったことをきっかけに「クズ紳士」な自分と向き合うように。