今回は、スパークリングワインとは何かについてお届けします!
【基本1】スパークリングワインは泡の出るお酒です。
\「イタリアのシャンパン」はありません!/
発泡性のワインで、一般的にはガス圧が3気圧以上のものを総称してスパークリングワインと呼びます。白ぶどう品種を使った“白”が中心。泡の出ないワイン同様に“赤”や“ロゼ”もあります。甘口も多いのでワインが苦手な人にもおすすめ。
日本では発泡性ワインはすべて「シャンパーニュ(以下シャンパン)」と呼ばれがちですが、これは間違い(詳しくは“基本3”へ)。シャンパンはスパークリングワインの一種。「このイタリアのシャンパンおいしい!」という用法は間違いなので注意!
【基本2】海外では、乾杯の定番です。
\食欲とテンションを上げてくれます/
たとえばイタリアでは、「とりあえずビール」の代わりにスパークリングワイン。乾杯の最初の一杯や、日本でも注目されているフランスの「アペロ」(夕方のちょい飲み)でも定番です。
「炭酸が胃を適度に刺激して食欲を増す働きがあるので、最初の一杯に特におすすめ。食事中は口中をスッキリとさせてくれるし、何より、泡がテンションを上げてくれるので、食事の時間をより楽しく盛り上げてくれますよ」(平野さん)
【基本3】国によって呼び名も味もいろいろです。
\3大スパークリングワインは「シャンパーニュ」「プロセッコ」「カヴァ」/
スパークリングワインは、フランスでは「ヴァン・ムスー」、イタリアでは「スプマンテ」など国ごとに総称は異なり、産地や原料、製法でも呼び名が変わります。フランス・シャンパーニュ地方で伝統的製法で造られるものは「シャンパーニュ」、イタリアのヴェネト州産は「プロセッコ」…など、知っておくとラベルを見るときの参考に!
【シャンパンって?】
フランスのシャンパーニュ地方で、AOC(原産地統制呼称)の厳しい基準を満たして造られるものの名称。〝ドンペリ〟でおなじみの高級シャンパン「ドン ペリニヨン」は、17世紀末にシャンパンを考案した修道士の名前から。
シャンパーニュ(フランス)
芳醇な香りとキメ細かな泡が特徴。冷涼な気候がぶどうにキレのある酸をもたらし、シャープな味わい。
プロセッコ(イタリア)
ヴェネト州で造られる。フレッシュな果実味があり、熟成も短めで軽やか。手ごろな価格も人気。
カヴァ(スペイン)
カタルーニャ地方を中心にシャンパンと同じ伝統的製法で造られる。フルーティで、酸味は穏やか。
ゼクト(ドイツ)
ドイツのスパークリングワインの消費量は世界一。国産ぶどうで造るものはすっきりとした味わい。
教えてくださったのは…
料理家/ソムリエ 平野由希子さん
ひらの・ゆきこ/フレンチベースのおしゃれな料理、ワインとのペアリングセンスは常に評判。フランス農事功労章シュヴァリエを叙勲。著書に『ソムリエ料理家のワインを飲む日のレシピ帖』(KADOKAWA)など。
サントリー ワインインターナショナルスペシャリスト/ソムリエ 柳原 亮さん
やなぎはら・りょう/日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ。年間3000種類以上のワインをテイスティング。ワインとともにチーズもこよなく愛し、チーズプロフェッショナルの資格も持つ。特に好きなのがヤギ乳製チーズ。
明日は、スパークリングワインの泡と味わいについてお届けします!
撮影/須藤敬一 スタイリスト/渡辺智佳(人物)、洲脇佑美(静物) ヘア&メイク/川嵜 瞳(PEACE MONKEY/有末さん分)、後藤若菜(ROI/東さん、神谷さん分) 料理/村山由紀子 イラスト/ヤマグチカヨ モデル/有末麻祐子、東 あずさ、神谷由香 本誌デザイン/スズキのデザイン 構成/松田亜子
●この特集で使用した商品の価格はすべて、本体(税抜)価格です。
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