カレーを食べて投票できる♡「神田カレーグランプリ決定戦」
今年も神田カレーグランプリ決定戦の季節がやってきました。毎年数万人を動員する大イベントで、昨年は悪天候ながらも4万2千人を動員したそうです。神田カレーグランプリ受賞をきっかけに全国展開し、成功をおさめていくカレー専門店も増えてきており、カレーを出すお店が日本一多いエリアのカレーフェスということもあって注目度も高いイベントとなっています。
2019年は11月2日(土)と3日(日)、毎年恒例の小川広場にて開催されます。イベント会場でグランプリ決定戦に参加している20店舗どこのカレーを食べても投票券をもらえます。その投票券で自分が美味しいと思ったお店に投票するというシステム。食べた人が審査員となるのです。
必ずしも券をもらったお店に投票しなくてはならないというわけではありません。例えば5店舗食べ比べて、一番好きなお店に5票入れるも良し、1番に3票、2番に2票と振り分けるも良し。なんなら食べてないお店に投票することも可能なわけですが、そこはやはり食べたお店に投票してこそだと思います。でも、20店舗もあったらどこのカレーを食べれば良いのか悩みますよね。
投票数によって毎年グランプリから3位までが決まります。そして神田カレーグランプリのスタンプラリー制覇者である神田カレーマイスターが選出する、神田カレーマイスター賞もあります。今年はどんなお店が受賞するのでしょうか?
かくいう僕も神田カレーマイスターの一人。今回はどこのカレーを食べるべきか悩んでいる方のためにも、僕が個人的に注目しているお店を紹介したいと思います。
◆無冠の帝王が愛弟子とあいがけで参戦「カリガリ」
毎年良い所まで行って結局受賞ならずという、非常に惜しい位置にい続けているカリガリ。オリジナルココナッツカレーのお店で、秋葉原という地の利も活かしてアイドルや女優さんなどが店員を勤めていることもあり、カレーファンのみならずアイドルファンからも支持されているお店です。というと色眼鏡で見られるかもしれませんが、味も個性ある美味しさを誇る名店であり、僕自身カリガリが渋谷の小さなお店からスタートした頃からのファンです。
▲アキバ盛りカレー
そのカリガリが今年は勝負に出ました。提供するカレーは、カリガリの看板メニューであるカリガリカレーと夢眠書店カレーが一度に味わえるSP合いがけカレー。この夢眠書店とは、大人気アイドルグループ「でんぱ組.inc」の元メンバーである夢眠ねむさんのお店であり、夢眠さんはカリガリのカレー弟子なのです。
アイドルのカレー? と思うかもしれませんが、こちらもお世辞抜きに美味しいカレーなのですから驚きます。アップルシナモンカレーという異色のカレーなのですが、カリガリの協力のもとに夢眠さんと共同で開発され、7月に行われた全国のカレーの名店が集まるカレーイベントで夢眠書店カレーが提供された際には、その美味しさは全国の名店に引けを取らないとカレーマニアたちにも評価されたカレーなのです。
メインのカリガリカレーもココナッツカレー好きにはたまらない逸品。タイカレーよりも濃厚で奥深くて個性ある美味しさ。
そしてカレーの相性も師弟関係だけあって、当然良いわけです。
夢眠さん自身がカリガリのカレーのファンだと公言しており、そんなこともあって夢眠さん本人の気合いの入り方も凄く、カリガリというお店のスタンスや夢眠さんの姿勢、そして神田カレーグランプリにおける立ち位置、色々と総合して考えると、味もスタイルもカリガリらしさを全面に駆使して勝負に出たと言える2019年、無冠の帝王が遂に王者になる日がやってくるのかもしれません。
▲夢眠書店カレー〜アップルシナモン〜
◆昨年のリベンジを果たしたい!「キッチン723」
神田ガード下の小さなバーであるキッチン723。女将なっちゃんの愛すべきキャラと美味しい料理とお酒によって常連客が連日通うお店です。
昨年カレーグランプリに初参加したところ、神田カレーマイスター達の支持を受けてグランプリ決定戦に参加。しかし、そこでトラブルが発生して初日はほとんどカレーが出せないという事態に陥ってしまいました。今年はそのリベンジを果たしたいということで万全の準備をしてグランプリ決定戦に向けて既に準備を始めているようです。
実際その味も、去年よりも確実にレベルアップしています。
▲全のせカレー
スパイスとハーブのバランスが良く、見た目も鮮やかでヘルシーなスパイスチキンカレー。
こってり系のカレーが評価されやすい神田カレーグランプリにおいては、このようなカレーは不利とも言われてきましたが、ここ数年で世間のカレーに対する概念も変わってきています。特にキッチン723のカレーは女性受けする美味しさ。女性や今どきのスパイスカレーが好きだという人たちの動員数次第でチャンスも大いにあると感じています。評価云々は置いておいても、個人的にこのイベントで絶対食べておきたいカレーでもあるのでおすすめですよ。
◆2017年王者が再び参戦「お茶の水 大勝軒」
2017年に約4000票という圧倒的票数でグランプリを獲得したお茶の水大勝軒が今年もグランプリ決定戦に参加します。
大勝軒といえばつけ麺で有名なラーメン屋。ラーメン屋のカレー? と思われるかもしれませんがこれが美味しいんです。
大勝軒創始者である山岸一雄さんは海軍カレー発祥の地である横須賀に住んでいたこともあったそうで、開店当初からカレーをメニューに加えていました。それを復刻させたカレーという、カレー的な文脈から見ても実に意味のあるカレーなのです。
▲復刻版カレーライス
昔ながらのカレーを大勝軒のスープでのばしていることもあり、大勝軒らしい旨味が全開となった個性派中華カレー。他にありそうでない美味しさとなっています。
今年はさらに隠し玉も用意しているそうです。なんと、このグランプリ決定戦の為に考案したドライキーマカレーを神田カレーマイスター限定で提供する予定だそうです!
▲ドライキーマカレー
実は僕、既にこのドライキーマカレーをいただいたのですが、濃厚なキーマのまわりにデュカ、ダッカなどと呼ばれるスパイスとナッツを乾煎りした調味料が散りばめられ、香り高くて美味しいスパイスカレーとなっていました。それでいて大勝軒らしさは失われないよう、使っている食材やスパイスは中華でも使われるものを中心。大勝軒のスープも使用されているので深みもしっかりとあり、レギュラーのカレーとあいがけになっても綺麗に調和すること間違いなし。
神田カレーマイスターだけでも数百人いるので、その人たちがこれを食べれば大きく票が動きます。ただでさえ人気のお店ということもありますから、返り咲きグランプリという可能性も高いと言えるでしょう。
他にも美味しいお店は沢山あります。マイスター賞常連の「べっぴん舎」や「スパイスボックス」。初参戦店舗では居酒屋が出すスパイスカレーが美味しい「ツバキ」、そして北千住の人気店が神保町に支店を出したことによってグランプリにも参加した「J’s Curry」などなど、神田らしい昔ながらのカレー、インドカレーにスープカレー、今どきのスパイスカレーまで多種多様。
例年以上に充実したラインナップだと感じています。楽しみ方としては複数でイベントに参加し、一人2〜3皿ずつ頼んでみんなで食べ比べるというのが良いと思います。特に美味しかったカレーはおかわりするのも良いでしょう。
神田のカレーグランプリは他の街のカレーグランプリと比べても平均年齢が高めなこともあり、落ち着いて食べることができます。ステージもあり、トークやライブも楽しめるのもフェスらしくて良いですね。
というわけでカレー好きの皆さん、11月2日、3日は小川町駅と神保町駅の間に位置する小川広場に集合です!
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。
音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均1000食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/