インドカレー食べ歩き♡ 気になる味わいは!?
久しぶりにインドへ行ってきました。今回は僕の本業である音楽の仕事で行ったので自由に食べ歩くことができなかったのですが、限られた時間の中で庶民派のお店から高級店まで、色々と食べてきました。
「インドのカレーは美味しいの?」
よく聞かれる質問です。この答えは「美味しいものもあれば美味しくないものもある」という当たり前の結論となってしまうわけですが、「日本で食べるのと比べてどうなの?」という質問に関しては、日本では手に入りにくい食材やスパイスを使用しているカレーもあり、そういう意味では比べようがありません。日本で入手できるものに関しては、現地のレベルの高いお店と差のないクオリティのものが日本でも食べられますよ。
これはインド料理に限らないと思いますが、日本人の味覚には難しい料理も少なからずあって、日本で食べる方が無難かもしれません。ただ、その独特のクセを味わいたいという方は、インドへ行って食べる価値はあります。
実際、インドではどのようなカレーが食べられるのか? 今回いろいろ食べてきた中から、特に美味しかったお店について、いくつかご紹介したいと思います。
◆「Oh! Calcutta」(コルカタ、デリー、グルガオン他)
コルカタに本店を持ち、デリーやグルガオンにも支店を持つベンガル料理のお店です。ベンガル料理で有名なのは魚。特にデリーでは貴重なシーフードを食べることができます。
ベンガル料理の特徴であるマスタードの使い方が非常に洗練されていて、高級ベンガル料理といえるテイスト。
ベクティという魚はボンレスでも提供可能。淡白な魚がリッチなソースでご馳走に変わっています。慣れていない人にも美味しく食べることのできるカレーだと思います。
▲ベクティ
アアムディエビンディ(オクラのマスタードマンゴーカレー)も美味しかった。どちらも短粒種のライスと合わせて食べるのがおすすめです。バングラデシュ方面の庶民的料理を期待してしまうと違うかもしれませんが、逆に言えばマニアではない方にも食べやすい料理であり、マニアにも一般人にも満足できるレストランだと言えます。
▲アアムディイェビンディ
◆「Karnataka Food Centre」(デリー)
南インドのカルナータカ州のデリー出先機関エリアにあるカルナータカ料理のお店です。南インド料理は北インド料理に比べて油の使用量が少なく、北インド滞在で油に疲れた時にはとても嬉しい存在。
野菜料理を中心に、ティファンと呼ばれる南インドの軽食も多種多様に揃っています。おやつ的に軽食をとろうと集まるお客さんも多く、僕が行ったのは16時くらいだったのですが大行列でした。
▲ティファンターリ
実際に食べてみると、その行列も納得のクオリティ。ティファンミールスはイドゥリ(米粉の蒸しパン)、ワダ(甘くないドーナツ)、ドーサ(南インドのクレープ)といった南インド名物の軽食を一度に味わえるお得なメニュー。
何を食べても美味しいのですが、僕が一番気に入ったのはパニールウタパム(インドのカッテージチーズの南インド風お好み焼)。肉は全く使っていないのに、肉料理を食べるのと同様の満足感を得られました。値段が総じて非常に安いということもポイント。ほとんどのメニューが300ルピー以内(日本円にして500円程度)で食べることができます。
▲パニールウタパム
◆「Lazeez Food」(グルガオン)
グルガオンのガレリアマーケットにあるテイクアウトを中心としたお店です。こちらは肉料理が充実しており、現地のノンベジタリアンに大人気。中でもカコリケバブは食べておくべき逸品です。
インドのタンドール料理は基本的にしっかり火を入れる文化。日本の名店のジューシーなタンドリーチキンはほとんどなく、人気店で食べてもパサついているような食感のものが多いのですが、このカコリケバブはふわふわの食感なんです。
日本ではほとんど見かけないこの料理。インドでもどこでもあるわけではありません。
▲マトンニハリ、ルマリロティ、カコリケバブ
他にマトンニハリ(骨付きマトンを時間をかけて煮込んだシチュー的カレー)とルマリロティ(ハンカチのように薄いインドのパン)も合わせてテイクアウトしたのですが、どれも美味しくて大満足でした。
マトンニハリはハーフサイズで頼んだのですが、ハーフでも日本のフルサイズ以上の量があったので、テイクアウトして何人かで食べるのが良いでしょう。
◆「Indian Accent」(デリー)
世界の食通たちの間でミシュランガイドと並び称される「world’s 50 Best Restaurants」において、アジアトップ9に選出されたモダンインディアンの名店。
モダンインディアンとは、インド料理とフレンチなどの他の料理をミックスさせたイノベーティブフュージョンの一種。
こちらのお店はニューデリーのみならずロンドンやNYでも大人気ということで、世界のモダンインディアンにおいても代表的なお店と言えるでしょう。また高級住宅街の中のホテルにあるお店なので一流のサービスを受けることができます。
それでいてお客さんの服装を見るとTシャツ短パンというカジュアルな方もいて、そんな方でも受け入れてくれるお店ですが、やはりこういうお店にはおしゃれして行きたいですね。
3日前に予約したら席がなく、ランチなら大丈夫とのことだったので昼に訪問しました。コースメニューは夜と変わりないものを食べることができます。ただし夜はワインとのペアリングも楽しむことができるので、お酒好きなら夜の方が良いと思いますが、お酒には興味がなく、美味しいものだけ食べたいという方は逆にお昼の方が良いかもしれません。
今回いただいたコース、前半はインドの庶民的スナックを最高級に変換させたような料理で攻めてきて、後半はインド料理とフレンチの融合させたものに、日本の食材も使った独創的なフュージョン料理を出してくるという、実にニクい攻め方。
全てが美味しかったのですが、特に驚いたのはカダイチキン。通常想像するカダイチキンとは似ても似つかないルックスなのですが、全部混ぜて食べてみれば確かにカダイチキンの味なのです。
▲カダイチキン
カニャクマリクラブのカレーはタピオカ入り。ココナッツベースの蟹カレーなのですが、蟹にも香りがあり、濃厚でありながら食べやすく、タピオカの食感が楽しくて、タピオカカレーの正解がここにありました。
▲カニャクマリクラブのカレー
さらにポークリブ。こちらは白身魚のようにも思えるふわふわの食感。火入れの技術とかけた手間暇が全て正しいからこその逸品です。
▲ポークリブ
ランチでお酒を飲まなかったこともありますが、コースのお値段とサービス料や税など諸々混みで6000ルピー(日本円にして約9000円)くらいでした。この味とこのサービスなら決して高くはなく、美味しいものを求めてインドに行くのであれば、ここには絶対に行っておくべき名店です。
インドは貧富の差が激しい国であり、お店の状況も様々です。僕が5年前にインド旅行をした時は、レストランではピンとくるものがほとんどなく、一番美味しく感じたのはジャイプールの名も無き屋台で食べたサモサでした。
今回は上記のような美味しいと思えるお店にも出会えたのですが、正直に言えば美味しいと思えないお店もありました。インドは世界2位の人口を誇る国ですから、人数も多ければお店の数も種類も多いので当然です。
それでもインドを楽しもうとするなら、見た事のない料理でも勇気を出して食べてみることだと思います。ただ、衛生状況には細心の注意をはらってください。身体を壊して旅が台無しになりかねませんから。それも含めてインドの醍醐味です。日本でもインドに負けない美味しいものは食べることはできますが、やはりインドでしか食べられない料理があるのも事実です。この記事がインドで美味しいもの探しをしている方の役に少しでも立ちますように。
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。
音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均1000食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/