みなさん、どうも「クズ紳士」でございます。
「返済」のことを「月々のご挨拶」という男・相席スタートの山添寛(やまぞえ・かん)でございます。
What’s about「クズ紳士」?→酒・女・ギャンブルに精通するクズ男な一面を持ちつつも、レディーファーストでスマートな立ち振る舞いができるまさにクズと紳士のハーフ、これぞ山添 寛最大のオリジナリティ!? クズと紳士の両面に精通するために、あらゆる男心を分析できるという特殊能力も完備している。
先々月のお話になりますが、僭越ながら去る6月11日に僕は34歳の誕生日を迎えました。そして相方のケイさんですが、実はその2日後、6月13日が奇しくもバースデーなんです。
この神から与えられた素晴らしい偶然をお祝いするために、いつしかお互いの誕生日にプレゼントを贈り合うのがコンビ間の暗黙のルールになったんです。日頃の感謝の気持ちを形にするために。
2018年の誕生日はというと!?
昨年の6月も、相席スタート恒例の「誕生日プレゼント交換会」が行われました。さらに昨年の僕は「サプライズ」を狙ったんです。ほら、女性ってサプライズが好きでしょう?
僕の中にいる「紳士」のカケラが疼き、どうせ贈り物をするならサプライズでより喜ばせたいと思ったからです。
そこで僕が選んだのが「観葉植物」、少し大きめのインテリアとして最適なものを普段のケイさんの嗜好を予想して選びました。というのもケイさん、その時期ちょうど引越しをされたので、新居お祝いも兼ねてご自宅に内緒でお贈りしようとしたんです。これは喜ぶはずだ、と確信しましたね。
しかし誕生日当日、ある1本の連絡があったのです。連絡主は宅配便業者。
「あのー、お客様が受け取りを拒否されたのですがどうしましょう」と。
…やってしまいました!!!! そうなのです。ケイさんの「警戒心が強すぎる」性質を、今回すっかり抜け落としてしまったんです。かくして2018年の誕生日プレゼント会はすがすがしいほど失敗に終わりました。
2019年でリベンジ成功!? ケイさんに贈ったものとは?
そして2019年。今年の誕生日こそ、なんとかケイさんを喜ばせたい。
「誕生日プレゼントを贈る前に借金を返せよ」、そんな声も聞こえてきましたが申し訳ございません。借金がたとえあろうとも、お祝いしたくなってしまうのがクズ紳士なのです。お赦しください。
さて、昨年サプライズに失敗したものの、やはり少しはサプライズ要素を取り入れたかったので、あえてケイさんに欲しいものを直接聞かずして、本当にケイさんが欲しかったものを贈ろうと思ったんですね。
そこで思い出したのが、ケイさんがロケ中にふと漏らしていた言葉、「いいなー、これいいなー」。
そう、「ソーダストリーム」という自宅で炭酸水を作れる器具が欲しいと、ケイさんが何度も話していたのを思い出したんです。
「これだ!」と、昨年のリベンジをするならこれしかないと直感で思いました。ぴったりなプレゼントを見つけたときってイナズマが走るんですね。そして誕生日に満を持して「ソーダストリーム」をお渡ししました。「ケイさん喜ばはるやろうなぁ」と想像しながら。
しかしですよ、プレゼントが「ソーダストリーム」であることがわかった瞬間、「あ、ありがとう…」となんだか微妙なリアクション。
突っ込んで聞いてみると、実はすでに「ソーダストリーム」をご自身で購入されていたのです…。
嗚呼、またヤッてしまいました! 本当にどこまでもキマらない男です。
でもケイさんはここからが優しいんです。「でももうだいぶ使ったから、山添にもらったのを私が使って、古いものは欲しがってた知り合いに譲るね。逆にありがとう」と。
なんたる優しさでしょうか! さすが「ちょうどいいブス」として崇められるだけあります。
ケイさんのあまりにも深いところから湧き出る優しさに、祝う側である僕がプレゼントを受け取った気持ちになれましたね。
後日この話をライブでしたところ、ファンの子から「この前のライブでケイさん、ソーダストリームを買ったって話、してたじゃないですかー!」とご指摘を受けまして…。そうなんです。なんたることか、その会話をすっかり聞き逃してしまっていたようで。
クズ紳士だからこそ叶った誕生日演出!?
でもここでこんなことを感じたんです。
今回のことで、ケイさんの誕生日にもかかわらずこんなにも優しい言葉をいただけたのは僕が「クズ紳士」だからなんじゃないかって。
ケイさんの欲しいものを紳士として一生懸命思い出したからこそ、ケイさんが本当に欲しがっていた「ソーダストリーム」に行き着き、また僕がクズだからこそ、ケイさんの話を聞き漏らしてしまいすでに持っている「ソーダストリーム」を贈ってしまった…。
紳士の要素とクズの要素どちらも備わっていたからこそ、ケイさんから優しきお言葉がいただけたわけです。
本当に僕はラッキーな男です、はい。
次回も引き続き、相席スタートの「絆」についてお話したいと思います。あれ? 興味ないですか? 申し訳ございません。お付き合い願えればと思います。
撮影/菊竹規 構成/吉田奈美
山添 寛(相席スタート)
お笑いコンビ・相席スタートのツッコミ(ネタによってはボケも)、ネタ作り担当。男女の微妙な関係性やすれ違いを描くコント・漫才に定評あり。2016年M-1グランプリでは決勝進出も。令和に時代が代わったことをきっかけに「クズ紳士」な自分と向き合うように。