みなさん、こんにちは。
「クズ紳士」こと相席スタートの山添 寛(やまぞえ・かん)です。
What’s about「クズ紳士」?→酒・女・ギャンブルに精通するクズ男な一面を持ちつつも、レディーファーストでスマートな立ち振る舞いができるまさにクズと紳士のハーフ、これぞ山添 寛最大のオリジナリティ!? クズと紳士の両面に精通するために、あらゆる男心を分析できるという特殊能力も完備している。
今日のテーマは「クズとクズ紳士のお金の借り方の違い」についてお話ししたいと思います。
これ言うと驚く人が多いんですけど、僕はよく相方のケイさんにお金をお借りするんです。
そうですよね。確かに紳士は人にお金を借りたりしないですから、これは僕がクズだからなのでしょう。ですが僕はクズではなくクズ紳士。そこらへんのクズみたいな借り方はいたしません。そこは僕なりの信念・流儀がありますので、勝手ながら発表させていただきたいと思います。
1:借りる相手は厳選する
クズはお金を貸してくれるのであれば、誰彼構わずお金を借りる生き物です。誰だっていいなんて、なんて下品なのでしょうか。虫酸が走ります。
僕の場合、いくら相手が「頼む、このお金を借りてくれ」とお金を目の前に差し出してきて懇願されても、借りたくない人からは絶対に借りません。申し訳ないですけど僕の借りたいと思う相手でない場合、お帰りいただきます。
お金の貸し借りというのはとても重要なこと。だから信頼関係を築けている人以外、絶対に借りないですね。僕が信頼できないと思う方には「ごめんなさい」とこちらから辞退させていただきます。
そういう点でいうと、相方のケイさんは最高の「貸し手」です。
そもそもケイさんは非常に面倒見のいい性格で、人に何かをしてあげることが大好きなんです。
ある日、僕がケイさんに借りたお金で後輩にご馳走したことがありました。当然後輩は僕に「ありがとうございました」とお礼を言います。そして僕も当然ケイさんに「ありがとうございました」とお礼を言ったんです。
それを見たケイさんはこんなことをおっしゃいました。
「私がお金を貸したことで、本来は生まれなかったであろう2つの『ありがとう』が生まれた」と。
このことに気づけるケイさんって、本当に素敵な女性ではありませんか? つまりは相方としてだけでなく、お金を貸し借りするパートナーとしても最高のマッチングなんです。
2:絶対に嘘はつかない
クズはお金を借りる時に借りやすい理由をでっちあげる癖があるんですよ。
「今月家賃が払えなくて」「実家に帰るお金が足りなくて」などとその場しのぎの体裁のいい嘘を理由にお金を借りるのがクズなんです。
しかし僕は絶対に嘘はつきません。
「気になる女性と今夜デートするけれど、その女性においしい食事をご馳走してあげたいけれど、お金がないんです」や「今競馬場に来ていてどうしてもあと1レース勝負がしたいんです。お金を振り込んでいただけないでしょうか?」などと、嘘偽りなくすべてをさらけだします。
それで呆れられたらそれまでの関係。僕はそんなヤワな関係性の中でお金の貸し借りなどしませんので、むしろこちらからお断りです。
「このあいだお借りしたお金でその女性とおいしい食事をして、その後素敵なことが起こりました」とお借りしたお金でいかに自分が幸せになれたのかをきちんとリポートします。
それによってお金を貸した側にも幸せな気持ちになってほしいからなんです。そう、僕の真の願いはそこにあります。
3:借りた相手を不安にさせない
クズはお金を借りると、借りた相手を不安にさせてしまいます。例えば返済期限になったのにすっとぼけたり、なかなか連絡がつかなくなったり、もう目も当てられない酷さです。また相手から返済を迫られた時に逆ギレをする、という輩もいます。
これはもう由々しき自体です。僕は絶対にそんなクズなことはしません。
これは人からお金を借りる上で最も大事なことですが、「借してくれた方を不安にするような真似だけは死んでもするな」、このことは心にタトゥーを刻み込んでいますね。
相手から聞かれる前にきちんと返済計画をお話ししますし、万が一返済が遅れてしまう際にはきちんと期日やその理由を嘘偽りなく報告します。もしも貸していただいた際には、後日、当然ですがお礼も欠かしません。
ちなみに僕は毎月返済しているのですが、返済のことを「月々のご挨拶」と呼んでいます。
以上が僕の「お金を借りる際の流儀」です。
ここまで話を聞いておわかりいただける方には伝わっているかもしれませんが、僕の信念としては僕にお金を貸すことで幸せになってほしいんですよ。
もちろん僕自身がお金を借りたいという気持ちもありますが、へたしたらそれ以上に貸す側をも満たしたい、そんな思いで日々お金を借りています。クズの借金とは一線を画していることをご理解いただけたら幸いです。
そこで僕はあることに気づいたんです。これって何かに似ていないだろうか。
そうだ、「クラウドファンディング」じゃないかと。
僕にお金を貸すことで、貸した人が僕と一緒に幸せになる、夢を見る。そんな素敵な輪が広がるような夢のある借金をする、これが僕なりのこだわりですね。幸せになりたいみなさん、僕に夢を託してみませんか?
そして僕の究極の目標は、僕がお金を借りることで起こる幸せの連鎖を世界中に広げることです。頭が沸騰してるのかって? いいえ、本気で言っていますよ。
次回は僕の実体験「女性にプレゼントを贈るとき」についてお話しさせてください。
撮影/菊竹規 構成/吉田奈美
山添 寛(相席スタート)
お笑いコンビ・相席スタートのツッコミ(ネタによってはボケも)、ネタ作り担当。男女の微妙な関係性やすれ違いを描くコント・漫才に定評あり。2016年M-1グランプリでは決勝進出も。令和に時代が代わったことをきっかけに「クズ紳士」な自分と向き合うように。