そうめんや冷奴に欠かせない「薬味」その役割って?
お蕎麦やそうめん、冷奴、お刺身など冷たい料理に欠かせない名脇役の「薬味」。具体的にはネギ・生姜・ミョウガ・紫蘇・大根おろしなどが挙げられます。
もちろんピリッとした辛味が味のポイントにもなるのですが、そもそもなぜ冷たい食事には薬味が添えられているのでしょうか? 薬膳的に、とても大きな役割があるんです。
薬味のほとんどが「体を温める」効能を持つ食材
実は薬味に使われる多くの食材は、「体を温める」効果を持っています。つまり、味覚に加えて「冷たい食事との中和をはかる」という理由でも、その役割を果たしているんです。さらに中には、殺菌などの効果を持つ食材もあります。当たり前のように添えられている薬味には、ちゃんと訳があったんですね。
体を温める効能を持つ「薬味」
ここでそれぞれの食材が持つ効能を紹介します。
薬味の王様「ネギ」
温性で体を温める効果があり、冷たい食事との相性が良いのに加え、風邪で寒気を感じるときにも。
夏が旬の「ミョウガ」
旬の食材ミョウガ。夏野菜ですが体を温める作用があり、冷えによる生理痛などにも効果があります。
体を温めるといえば「生姜」
言わずと知れた温性食材、生姜。感冒時のほか、吐き気止めの効果も。クーラーや冷たいドリンクでお腹が冷えてしまった時にもぜひ積極的に取り入れてください。
クールに見えて実は温める「紫蘇」
お腹の冷えをとってくれる効果のある紫蘇。夏野菜のサラダには、紫蘇をたっぷり使った紫蘇ドレッシングはいかが?
お刺身のおとも、「わさび」
お刺身のほか、気づけばいろんなものに添えられているわさび。こちらも温性で、そのツーンとした辛味成分に殺菌の効果が。さらに食欲増進作用もあります。
(番外編)「大根おろし」と「もみじおろし」
大根には消化を助けてくれる作用があり、天ぷらなどと一緒に食べると胃もたれの予防になります。ただし大根はやや体を冷やす「涼性」。でも、唐辛子と混ぜた「もみじおろし」の場合は、その涼性が唐辛子の熱性で相殺されます。
夏はお腹を冷やしすぎないように、薬味のパワーを活用してくださいね!
大木さと子
国際中医薬膳師・漢方アドバイザー。日本中医学院(旧・国立北京中医薬学大学日本校)卒。よく食べよく飲むOL。ふだんメシをアップするinstagramにて、薬膳の情報も発信中。