すべてに感動! 伊豆の絶景を思うがままに堪能できる湯宿「繭二梁」
長かったゴールデンウィークも終わり、いよいよエンジン全開で仕事をしなければ……と思いつつも、人間ですから憂鬱な気分になったりモチベーションが上がらなかったりするときもありますよね。
そういうときは、“次の楽しみ”を計画するのが一番! そこで今回は、そんな自分へのご褒美にもうってつけのとっておきのお宿をご紹介します。
今回ご紹介するのは、東京から車で3〜4時間ほどの場所にある、静岡県西伊豆の「繭二梁(まゆふたはり)」さん。2019年5月にグランドオープンした新しいお宿です。
こちらのお宿、1日6組限定。その分、部屋の構成はメインルームとセカンドルームの2部屋からなり、1組あたりの占有面積はなんと150平米。
私がお宿に到着したのは16時頃。まずは、セカンドルームに案内されます。
センスのいい床の間のある広々とした和室の中央には、高級感のあるクロスが敷かれたテーブル。そして海に面した窓辺には、マットの上に色とりどりのクッションが敷き詰められています。
こちらの部屋で、ゆっくりと寛ぎながらチェックイン。ウエルカムドリンクとスイーツのサービスをいただきながら、時々窓辺で夕日を眺めたりして……。この時点でとても特別感がありますよね!
無事にチェックインが済んだら、メインルームへ移動。
イタリアから輸入したという石が敷き詰められた渡り廊下を歩いて行きます。廊下も光と照明の使い方にこだわりを感じます。
いざ、メインルームに到着。期待に胸を膨らませながら扉を開けると…………、
広々したリビングの先に広がる伊豆の絶景。そして、シンプルで洗練されたインテリアは背の低いもので揃えられ、リラックスするのに最適な空間を演出しています。
“いかにも高級ホテル”といった大仰で華美な印象こそ受けませんが、モダンで品格があり落ち着いた佇まいは、ゲスト一人ひとりの居心地の良さを極限まで追求した結果なのではないでしょうか。
そして実は、シンプルなようで部屋の隅々までオーナーのこだわりがぎっしり詰まっています。
まず、部屋の中に足を踏み入れて気づいたのが、思わず素足で歩きたくなるほど床がなめらかで足触りが良いこと。
それもそのはず。こちらのお部屋の床は、すべて職人さんによって手作業で彫られているのだそう。この手の込みようにも脱帽。
アメニティは、華やかな香りで女性ファンも多い「SABON」。私も普段から「SABON」は愛用していますが、シャンプーやコンディショナーは使ったことがなかったので大興奮♡ 歯ブラシは、なんと電動歯ブラシ。持ち帰りOKだそうです。太っ腹……!
部屋着も一人ひとりの趣向に応じて選べるように、浴衣、パジャマ、バスローブ、館内着と複数種類が取り揃えられています。
内風呂にもオーナーのこだわりが。
バスタブには、ジェットバス機能やミストサウナ機能が付いているほか、肩からお湯が出る打たせ湯仕様も。
そしてお宿名の「繭」のような柔らかな曲線を描いたこちらのお手洗い。
実は、TOTOの「ネオレストNX」という最高級のモデルで設置費用は50万以上したそう。陶器の質感を生かしたフォルムの美しさは言うまでもありませんが、除菌・消臭効果も抜群。家に持って帰りた〜い!
無料のドリンクサービスもとっても充実。カプセル式コーヒーマシンが2台設置されてあり、コーヒー、紅茶、緑茶、抹茶ラテ……と、なんでもあり。
でも、お酒が飲みたいという人もご心配なく。冷蔵庫を開けると、きんきんに冷えたビールがしっかり用意されています! 他にも、静岡産のご当地ジュースやアイスなどが入っていて、目移りしてしまいます♡
この行き届いたサービスにすでに心を鷲づかみされていましたが、このお宿の最大の魅力と言っても過言ではないのが、やはり露天風呂。
木造りのテラスに設置された専用の露天風呂は、源泉掛け流しで水量によって温度調整も可能。部屋に温泉があると、着替えやお化粧の心配をしなくて済むのもうれしいですよね。
外からの視線が気になる方は、木板の目隠しをすれば問題なし。でもせっかくだからと、目隠しをとってお湯に浸かってみると……、
視界の先には、荒々しい岩肌を見せる島々が浮かぶ真っ青な海と水平線に沈む夕日が織り成す雄大な景観。
現在日本で9地域しかない「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されたこの伊豆の絶景を見られただけで、ここまで来た価値はあったと思えます。
そこであることに気づきました。このお宿の周辺だけ、電柱がない!
なんでも、民間事業としては日本初となる「電柱電線の地中埋設工事」に取り組んだのだそう。こうした眺望をよくするための徹底ぶりにも恐れ入ります。
ちなみに今回は時間の関係で実際には体験できませんでしたが、客室とは別に貸切で利用できるる露天ジェットバスを備えたお部屋「プライベート・シエスタ」も素敵です。
そして夜ごはんの時間になったので、チェックインをしたセカンドルームに再び移動。
夜ごはんは、地元産の食材をふんだんに使ったフレンチ懐石。結論から言うとどれもメインディッシュと言っても過言ではないほどに本当に絶品だったのですが、その中でも特別においしかったお料理をご紹介。
▲「伊豆の造里 地魚二種 西伊豆産本山葵」。この日は、新鮮な金目鯛と本マグロ。とろけるような甘みを感じる味わいでした! 伊豆の代表的な特産品でもある山葵は、鼻に抜ける爽やかな風味。
▲「地磯アワビの塩鰹ガーリックバターパン粉焼き 肝醤油ソース 季節野菜を添えて」。アワビの食感がぷりっぷり。口に入れた瞬間、肝醤油ソースの旨味が口いっぱいに広がります。
▲「しずおか和牛 フィレステーキ トリュフソース」。これはもうみなさんおいしいことは想像に難しくないと思います。やわらかな食感のフィレステーキに濃厚なトリュフソースがからまって、最高に幸せな味。
▲デザートは、「和モンブランとミルクアイス」。よもぎの青々とした風味が季節を感じられ和と洋の融合の締めにふさわしい一品でした。
お部屋に戻って、寝る前にもうひとっ風呂。この日は曇っていて星こそあまり見えなかったものの、耳を澄ませば聞こえる波の音やどこからともなく漂ってくる木々の香りに癒されました。
天気さえ良ければ、足湯に浸かりながらドリンク片手に星空を望む……なんてことも夢じゃないのでは。
そのあとはアイスタイム。温泉に入って、あとは寝るだけ! の状態で食べるアイスってなんでこんなにおいしいのでしょうかね〜。至福のひとときです。まったり♡
寝るのも惜しいくらいでしたが、心地よい空間はすぐに眠気を誘いました。
翌朝、朝食として出していただいたのは、三段のお重。それぞれを開けると、小鉢に上品に盛られた色鮮やかな料理が次から次へと出てきます。まるで玉手箱のよう。
特においしかったのは、伊勢海老の味噌汁。お椀を開けた瞬間に伊勢海老の食欲をそそる香りが……これは贅沢♡ だしもしっかり効いていて、いままで食べた味噌汁の中で一番味わい深い味噌汁だったかも。
夜ごはんも含め、こちらのお宿の食事は、どれも非の打ち所がないほどに絶品です。
そしてチェックアウトは12時と少し遅めなので、朝食のカロリー消費も兼ねて宿から徒歩5分ほどの堂ヶ島の海岸までお散歩してみることに。
ここでは、クルージングや遊覧船などのアクティビティを楽しむことができるんです。
今回は、天然記念物の島々を巡る「洞窟めぐり遊覧船」に乗ってみました。
洞窟を進むと、天井が抜け落ちてできた天窓から自然の光が降り注ぎ、水面が青く輝く神秘的な光景が……。
この遊覧船は定期的に出ているので、お好みの時間にふらっと立ち寄ることができます(詳しくは、HPをチェックしてみてくださいね!)。
そしてお宿に戻って、名残惜しみながらチェックアウト。
この時点で気づいたのですが、今回、他のゲストの方とほとんど鉢合わせすることがありませんでした。それもきっとスタッフの方々の格別な配慮があってのことだと思います。
非常にプライベートな空間で、心ゆくまで満喫することができました。しばらくここに住み着きたいと思うほどの居心地の良さ。
宿泊費は多少値が張りますが、口コミでもほとんどの方が「いままで泊まった宿で一番」「リピーターになりたい」と言うほどの素晴らしい宿です。
みなさんも、何かの節目や記念日などに、悠々とした優雅な時間を過ごしに行ってみてはいかがですか?
取材・文/川原莉奈
【住所】〒410-3514静岡県賀茂郡西伊豆町仁科2035-1
【アクセス】車:東名沼津ICまたは新東名長泉沼津ICより約2時間/バス:東海道新幹線三島駅から約2時間または伊豆急下田駅から約1時間