当たり前のことを確実に! 全てはカレーを美味しくたべるため!
ここのところテレビや雑誌でもカレーを取り上げられる機会が増え、カレーの見た目も進化して美しくなったこととSNSの普及の相乗効果により、カレーの行列店も増えてきました。長年毎日カレーを食べている僕からしても、元々行列店だったお店の列はさらに長くなり、そうでなかったお店にも列ができるようになってきたのを体感しています。
それと同時に、かつては無かった、あるいは少なかったトラブルもしばしば見受けられるようになりました。
人気店にはルールがあります。そのルールは人気店をスムーズに営業する為にできたものであり、人気店へ食べに行く人は全てそのルールを知っておくべきなのです。もちろん店ごとの細かいルールもあり、それを全て知るのは難しいかもしれませんが、今回は最低限のマナーといいますか、心がけといいますか、全ての人気店に行く人に知っておいて欲しいことをまとめます。
僕自身、しょっちゅう行列店へ食べに行きます。そこで並んでいて感じたことや、お店の方と話して考えたこと、あるいは、かつて学生時代に人気飲食店でアルバイトをしていた頃に思ったことなどから、人気店へ行く際のルールを5つにまとめました。
多くの人が並ぶ人気店へ行く際に、お店の人や他の多くのお客さんへ迷惑をかけることなく楽しく食べるためにも、行列慣れしていない方は是非ご一読ください。
■ルール1:お客様は神様ではない
これは少し古い世代の人に多いのかもしれませんが、「お客様は神様」という古い言葉がイメージにあるのか、行列店に来て、自分は並んでやっているんだという態度でいる人がいます。
時にお店の人に注意されて逆ギレしている方を見かけたこともあります。はっきり言いましょう。お店の側からしたら、そんな人は並んでくれなくて良いのです。
お客様は神様ではなく、あくまでお客様。客が店を選ぶ権利があるように、店にも客を選ぶ権利はあるのです。お店とお客さんは本来対等の立場であるはずで、お店はお金を払って来てくれるお客さんに感謝するのと同様に、お客さんは美味しいものを出してくれるお店に感謝するのが本来あるべき姿。
感謝には感謝を。当たり前のことです。神様気分を味わいたいのであれば、サービス料のかかる高級店へ行けば良いだけの話。
中には細かいルールが多いお店もありますが、そういうのが嫌なら行かなければ良いのです。お店はそういう人に来て欲しくないからわざわざ細かいルールを指定しているのです。自分に合うお店、合わないお店、それぞれあります。ルールを見た時点で行かないというのもトラブルを避けるひとつの方法です。
■ルール2:待ち合わせは割込みと同じ
行列店で割込み禁止というのは当たり前のルールです。しかし、中には先に1人並んでいて、後から来た友達がその先に並んでいた1人の後に当たり前のように入っていく光景も少なからず見かけます。
これは割込みと同じです。待ち合わせというのはあくまで並ぶ前に待ち合わせすること。並んでいる人の後ろに入るのは割込みです。
▲神田の行列店「カレーノトリコ」の注意書き
このあたりわかっていない人がどうやら多いのです。それを指摘すると中には「え? 何が悪いんですか?」と言う人も。考えてみてください。行列ができる程の人気店ですから、出せるカレーの数にも限りがあるのです。
例えばカレーが50食しか出せなかったとしましょう。先に並んでいた1人が20番目に並んでいたとして、時間がたって50人並んでいる所に後から来た友達2人が先に来ていた1人の後に入りこんだとしましょう。
▲カレーノトリコの絶品カレー
そうすると後から来た2人のせいで、その2人よりも先に並んでいた2人が食べられなくなってしまうのです。そんなことあるわけないと思う方は、行列店に行くことは向いていません。そんなことがよくあるのが行列店なのですから。
■ルール3:行列中は静かに綺麗に
行列店ではその行列だけで近隣のお店から苦情が来てしまいがち。そしてその並んでいる人が大声でしゃべっていたら、さらに苦情が来るのは明白です。
行列店は近隣のお店との信頼関係で成り立っています。行列店の店主は普段から近隣のお店に挨拶にまわり、行列に対する理解を求めていることも少なくありません。その店主の人柄を見て、近隣のお店もその行列を許容していたりもするものですが、大声による騒音問題まで発声してしまったら許せなくなるということもあるでしょう。
自分では大声と思っていなくても、声が異常に通る人もいます。そのような方は特に気を付けましょう。声を出すなというわけではありません。できるだけ静かに話し、大笑いなどしないよう心掛けたいものです。笑い話をするよりも、静かにカレーが出てくる時を待った方が、純粋に美味しくカレーを食べることができると思いますよ。
また、狭い道に並ばないといけないお店もあると思いますが、その際にも行列の幅が広がらないよう、綺麗に並ぶようにしましょう。広がることによりその道を車が通れなくなる場合もあるでしょうから。
こうなるとそれも苦情の原因です。お店の存続にかかる問題ですから、そこのお店で食べたいなら、行列は静かに綺麗に。これが鉄則です。
■ルール4:すぐに食べてすぐに出よう
友達同士で来て、食べ終わったのにダラダラと話し込んでいる人を時折見かけます。後に並んでいる人がいることに気づいていないのでしょうか。それとも、食べ終わってゆっくりするまでが客の権利だと思っているのでしょうか。
▲東新宿の行列店「サンラサー」の注意書き
そうだとしたらそれは間違いです。行列店の客の権利はそのお店の味を楽しむということのみ。ゆっくりしたいのであれば、ゆっくりしても良いという飲食店に行くべきなのです。
特にカレーは原価がかさむもの。薄利でやっているお店も多いので、回転を良くして多売にしないと儲けがなかなか出ません。食べ終わったらすぐ出る。これが基本です。
例え友達や恋人と一緒に来ていたとしても、片方が食べ終わったのであれば、食べ終わった人は先に会計をしてすぐに出て、外で待っているべきです。
また、食べる前に写真撮影を長々としているのも良くないです。SNSにアップすることによってお店の人気につながるということもあるでしょう。しかし、その為に良い写真を撮りたいと、5分も10分もずっと写真を撮っているというのはどうでしょう。
カレーを食べに来たのではなく、写真を撮りに来たのでしょうか。せっかく美味しいお店に来たのであれば、写真を撮るにしても手早く撮り、できたてを美味しく食べる方が良いに決まってます。
何も焦って食べろというわけではありませんよ。食べている時は自分のペースでしっかり味わい、その前後に無駄な時間を作らないようにしましょうということです。
▲サンサラーの大人気カレー
■ルール5:お店のルールをちゃんと読もう
行列店にはルールがある場合が多いです。そのルールは店内に書いてある場合もあれば、HPやSNSに書いてあることもあり、どこに書いてあるのかわかりにくいということもあるでしょう。しかし、行列店へ行くのであれば、予めそれを調べてしっかり読んでから行くのがマナーです。
例えば古くからドレスコードのあるお店は少なからずあります。それを知らずにラフな服装で行って入店できなかったといっても、悪いのはお店ではなくそのお客さんです。カレーの人気店のルールを知らずに行き、そのルールを破って入店できなかったとしても、悪いのはお客さん。いや、その場合客ですらありません。
そしてお店のルールも色々。店ごとに違いがあります。例えば最近では記帳制のお店も増えてきました。あるお店では好きな時間に名前を書けば良かったり、違うお店では好きな時間ではなく来た順番に名前を書かなくてはいけなかったり、お店によってルールが違います。
▲大久保の行列店「魯珈」の記帳待機列の注意書き
そのあたりのルールが調べてもどこにも書いておらず、わからない場合は店員さんに聞けば良いのです。そしてそのお店のルールに納得ができないというのであれば、何度でも言いますが、その人はそのお店に合いません。
▲魯珈の名物カレー
以上、当たり前のことばかりなのですが、慣れていないとそれが何故当たり前なのかわからない場合もありますからね。そしてもし、上記のようなルールを破っている人を見かけた場合は、注意するようにしたいものです。
もし自分が注意できないのであれば、お店の方に伝えましょう。お店の方が対処してくれるはずです。お店の方も、ルールを破る人がいることでルールを守っている人が食べられなくなるというのは避けたいものですから。
重要なのはまず客が偉いと思わないこと。そして想像力です。お店のことを思いやり、他のお客さんのことを思いやり、お互い平和に楽しく、美味しいカレーを食べたいものですね。
と、ここまで書いて少し思うのは、そもそも行列店で迷惑をかける人はこのような文章を読もうとしないのではないかという恐れがあるということ。しかしそこで諦めてしまっては何も変わりません。この記事に同意してくれた方、良かったらSNSでシェアしてください。多くの方の目に触れることが、行列する際のストレスを少なくする為の一歩となると思いますので。
全ての行列店の店主さんと、ルールを守って正しく並んでいるお客さんのストレスが無くなりますように!
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。
音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均1000食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/