手に入れた「世界にひとつだけ」の名品を私のモノに育てていくために覚えておきたいのが、お手入れ方法。正しいケア&メンテナンスで大切な名品に長く愛情を注ぎたい。そのための基本のキをプロに直撃! たしなみとして覚えておけば、大人の女性としての自信やゆとりにつながります。
時計のお手入れ・心得1|オーバーホールは、機械式で2〜3年に一度、クォーツ式で3〜4年に一度が理想
「オーバーホールを怠ると、パーツは磨耗し、確実に時計の寿命を縮めることに。防水で3年以上経過した場合は、防水効果がなくなることもありますし、潤滑油が劣化すると、機械の各パーツに負荷がかかるようになるため、不調がなくても定期的なメンテナンスは必要不可欠。また、手を洗うときに時計をはずすだけで、だいぶ傷み方に差が」
チェックポイント
✔︎オーバーホール:オーバーホールは時計の健康診断のようなもの!
オーバーホールって?
定期的に時計を分解して、洗浄し、組み立て、パーツ交換、注油、調整、点検などを行うこと。機械式、クォーツ式問わず、長くつきあうためには必要な作業。
時計のお手入れ・心得2|時計を外したら乾いた布で拭く、そのひと手間を惜しまない
「革は水分を帯びたとき、乾こうとするのと同時に傷みやすくなります。長時間肌に密着する時計のベルト部分は、革にとっては過酷な状況。着用後にやわらかい布で乾拭きすることで、汗の蓄積を抑えられ、負担も軽減。また汗をかく時季は、いつもより少しゆるめにつけるのがおすすめ」なんだそう。肌に密着しているベルトは、清潔にしておくことを心がけて。
やわらかい布でサッと拭くのがポイント!
ごしごしと強く擦ると傷つくので注意。汚れを付着させたまま乾燥させることはNGなので一日使ったら必ず拭くことを徹底して。
時計のお手入れ・心得3|革ベルトは通年使用の場合、1年過ぎたら交換を
「一般的な革ベルトの寿命は1年程度。季節やシーンに合わせてベルトを変えるのもおすすめです。おしゃれを楽しむことに加え、休ませることでベルトも長持ち。使用しないときは乾いた布で汚れを拭き取り、直射日光の当たらない風通しのいい場所で保管を」本企画担当エディターは5本の革ベルトで回しています。
チェックポイント
✔︎革ベルト:夏用と冬用、両方そろえておくとベター!
教えてくれたのは…
銀座三越 M2 階 ウォッチ&クロック クリニック 店長 小林義明さん
テンプスアカデミーという時計学校で時計修理の修行をし、その技術力を見込まれて2005年4月に三貴商会に入社、現在に至る。時計修理に長く携わるスペシャリスト。
2017年Oggi1月号別冊「保存版 名品のそろえ方」より。情報は2016年のものです。
【本誌掲載時スタッフ イラスト/サトウアサミ 構成/小池百々子・須藤由美・村上花名(Oggi)】