あなたの品格レベルが、最もわかってしまうのが、お食事どき。ごく自然に、美しく優雅に食べるコツを知って、エレガントな女性を目ざしましょう。鶏肉、甲殻類、サンドの食べ方をご紹介します。
鶏肉、甲殻類、サンドを優雅に食す3レッスン!
教えてくれたのは・・・
小倉朋子さん[フードプロデューサー]
テーブルマナーや食文化を学ぶ「食輝塾」主宰。「食オタク」が高じて美しく凜とした食べ方を追求。著書『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)をバイブルにする人多数。
新井直之さん[日本バトラー&コンシェルジュ代表]
国内外の大富豪を顧客に持つ執事。映画などの執事監修も多数。その人脈術や気使いはビジネスマンにも好評。著書に『大富豪がお金を生み出す時間術』(青春出版社)など。
【Lesson1 骨や串がついた鶏肉】
人前でも優雅に美しく、肉にがぶりと食らいつきたいのでございます。
ココが食べにくい!
✔︎ 骨と骨の間の肉が食べにくく、密かに悪戦苦闘するけれど、肉が中途半端に残ることも。気づけば、顔も手もべとべと…。
✔︎ 肉をかじると頰にたれがつく。口を「イー」の形にして、肉を串から引き抜くときの自分の顔が心配。ラス肉になると串先が凶器に…。
✔︎ 肉にかぶりつくたび、秘めていた野性が目覚めそうで怖い。口の周りが油でぬらぬらになる。そもそも、どこまで食べれば正解…?
鶏手羽からあげはどう食べる?
必殺! 関節技で攻略。身はきれいに食べきる!
関節でぱきっと割り、さらに骨に沿って縦に割ると、肉がきれいに外れ、食べ終わりの骨もきれい。細い骨を抜いて食べてもOK。「ナイフ&フォークがない場合は手を使ってもお行儀悪くならないので安心して」(小倉さん)
焼きとりはどう食べる?
串のまま、「一肉二口」で上品に。女子力アピールの串外しは不要
串から外すと肉汁が出たり、肉が冷めやすくなったり。屋台などカジュアルな店や、人とシェアしない場合は串ごと食べるのが正解。「肉の片面を食べ、串を回転させて残りと、分けて食べてみて。最後のお肉は串から外してもOK」(小倉さん)
フライドチキンはどう食べる?
両端はいっそ残して、かぶりつく野獣感を消し去る
脚の部分なら両手で持ち、中央の肉を食べてフィニッシュ。肉が少なくて頑張りが報われにくく、骨をしゃぶる姿に野性を感じる両端は残しても。「一度口に入れた骨は紙ナプキンをかぶせれば見苦しくありません」(新井さん)
【Lesson2 カラがついた甲殻類】
ココが食べにくい!
✔︎ 殻むきにもたつき、食べ放題では連敗。身をぷりんと取り出せない。食べるのに必死で世界は静まり返り、会話なんて楽しめない…。
✔︎ 殻のむき方が合っているかわからないし、「もったいない食べ方…」と思われるのが嫌でひるむ。でも、手づかみで食べていいか悩む…。
カニはどう食べる?
ゆでかには、殻を折ると身離れよし
関節ではなく、関節より少し身のほうに入った殻の部分をぱきっと折ると、身がするんと取れやすい。
ゆでカニを口へ運ぶ時の注意点
「あ~ん」系の直食べはNG!
かにしゃぶを、箸で持つ「間」に品格が
「あ~ん」系の直食べはNG。身の根元を箸で押さえ、反対の手で殻を引いて軟骨をすっと取り、身を箸で口に運んで。「お箸に持ち替えるひと呼吸に品格が出ます」(小倉さん)
えびはどう食べる?
【箸で食べるとき】
鬼殻焼きなどは、頭を左手で持ち、頭と胴の境目に箸を入れて頭をくるんと回して外す。脚は箸で取る。
【フォーク&ナイフで食べるとき】
手に入れたアイテムで、殻をスマートに脱がせて♡
脚をナイフで切り落とし、殻と身の間にナイフを入れて殻をむく。ひと口ずつ切り、殻をむいて食べても。
【Lesson3 ボリュームたっぷりサンド系】
ナイフ&フォークがないとき。大口開けて、具がだだもれ状態で食べるなんて生き恥はさらしとうないのです…。
ココが食べにくい!
✔︎ ボリュームがあるとバンズとパティ、野菜を三位一体で味わいにくい。上下のバンズがだんだんずれて具が雪崩。ソースもだだもれ…。
✔︎ ひき肉や野菜の水分が散乱し、服やテーブルが大惨事。絶対にこぼすから、だれにも見られていない瞬間にかじるもバリっと大崩壊…。
ハンバーガーはどう食べる?
【手でPUSH】
具が逃げないようしっかりホールド。サイドメニューはしばらく我慢!
バンズを手のひらで上から押し、かじれる程度に少しつぶしてなじませる。ぺったんこにする人もいるけれど、貴族は品よく。
【指でホールド】
指を全体に広げ、バーガーをしっかりホールド。具の逃げ場をなくした状態で少しずつかじって。一度持ったら、全体が安定するまでポテトなどは我慢。手が多少汚れるのは気にしない。
ハードタコスはどう食べる?
持つ手は水平キープ。両手で持って、しっかりかみ切る
全体が崩れたり、具がこぼれないよう水平に、そっと、でもしっかりと持ってかじると、見た目も上品。
上に何も詰まっていない部分があれば、最初にタコスを割って食べる。その後、端から上→下→上→下…の順にかじっていく。「しっかり前歯でかみ切ることが大事!」(小倉さん)
Oggi1月号「アレを貴族はどう食べる?」より
撮影/福田喜一 イラスト/naohiga 料理・スタイリスト/美才治真澄 デザイン/稲垣章子 構成/松田亜子
再構成/Oggi.jp編集部