ニキビができるかどうかは、「毛穴」にかかっている!
化粧をするとき、鏡を見たら「ニキビ」が…。きっと、誰もが1度は経験しているはず。まずは、ニキビができる根本的な理由を探りましょう。
今回は、ニキビができる仕組みを美容科学者かずのすけ先生に教えていただきます。
■1:ニキビができるメカニズムを知ろう
アクネ菌は本来、肌にとって大切な「皮膚常在菌」の一種です。しかし毛穴に「皮脂」が詰まると、毛穴の中にいたアクネ菌が閉じ込められます。アクネ菌は皮脂が大好物なので、毛穴の中で増殖し、炎症を起こすことがあります。この炎症状態が「ニキビ」です。
■2:ニキビができる根本的な原因は「毛穴」の詰まり
通常のアクネ菌は皮脂を分解してくれるほか、肌を弱酸性に保つことで雑菌の繁殖を防いでくれています(雑菌は弱酸性環境では生きられません)。ニキビができる根本的な原因はアクネ菌ではなく、過剰となった皮脂が毛穴に詰まることだと理解してください。
なお、赤くて痛みや化膿を伴う吹き出物は、ニキビではなく「面疔(めんちょう)」というもので、「黄色ブドウ球菌」が原因です。この場合は、殺菌剤や抗生物質の服用が有効です。
■3:ニキビ誕生までのプロセスを知ろう
正常な肌から、ニキビができ、悪化してクレーターになるまでの流れを見ていきましょう。
1.正常な皮膚は毛穴の出口が開いた状態。
2.汚れを放置したり、洗顔のやりすぎによる刺激で、毛穴の角層が厚くなり、毛穴が詰まる。ホルモンの影響で皮脂分泌が過剰になることも。
3.毛穴の出口部分が塞がると皮脂が溜まり、アクネ菌が増える。ちなみに、皮脂が酸化すると黒ニキビに。
4.毛穴内に炎症が起こり、毛穴まわりが赤く腫れる。毛穴の中やまわりの白血球が集まり、アクネ菌を攻撃。悪化して膿をもつと黄ニキビ(膿疱)になる。
5.炎症が進むと毛穴の壁が壊れて広がる。炎症が強過ぎると凹んでクレーターに。
ニキビができる原因は、「毛穴」の詰まりが大きく関係しているのですね。日頃からきちんと毛穴のケアをしておけば、ニキビに悩まされなくて済むかも!
初出:しごとなでしこ
教えてくれたのは… 美容化学者 かずのすけ先生
1990年生まれ。現在は研究活動のかたわら、サイト運営や化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などにも携わる。2013年9月よりブログ「かずのすけの化粧品品評と美容化学についてのぼやき」を運営。確かな知識を生かした化粧品解析やわかりやすいコラムで、肌・髪に悩み多くの読者の信頼を得ている。著書に『化学者が美肌コスメを選んだら…じつは10秒で見抜けます』(三五館)などがある。近著『オトナ女子のための美肌図鑑』(ワニブックス)が好評発売中。