脱水症になりかけの「隠れ脱水」に要注意!
気温が高くなる日が増えてきた今、ちゃんと水分をとっていますか?
夏は熱中症や脱水症などになりうる可能性があるので、水分をしっかり補給することが大切! また、気付かないうちになっている「隠れ脱水」にも注意が必要です。
「隠れ脱水」とは、脱水症になりかけているのに、本人や周囲がそれに気付かないため、有効な対策が取れていない状態のこと。お医者さんにかかる脱水症の患者さんは、すでに発症してから数日経っている中度以上で、命の危険を伴う人も多いんだそう。
部屋や車の中など、炎天下や気温がそんなに高いところでなくても、湿気が多い日などは気付かぬうちに脱水状態になっていることもあるため、特に注意が必要です。そこで、すぐにできる隠れ脱水対策の2つのポイントをイシハラクリニック副院長の石原新菜先生にうかがいました。
■1.ただの水ではなく、塩分の入っているもので水分補給を
隠れ脱水を予防する水分補給については、「ただの水ではなく、塩分の入っているものが良い」と石原先生。さらに、細胞内に吸収されやすいのは「糖分」が少し入っているドリンクが良いそうです。
もしくは、お味噌汁を飲むようにしたり梅干しを食べるなど、いつもの水分補給に塩分を意識して摂取するだけでも◎。お味噌汁は、塩分の補給だけでなく、アミノ酸やビタミン、ミネラルも摂れ、梅干しにはクエン酸が豊富であるため、どちらも疲労回復、夏バテ対策の効果も期待できます。
■2.部屋の中の風を対流させて!
石原先生によると、「熱を放出しやすい服や、お部屋の中の風を対流させることも大事」とのこと。クーラーを使わないことがかえって脱水を加速させてしまうこともあるため、クーラーで冷えないように温度を少し高めにしつつ、扇風機やファンなどで部屋の中の風を対流させることがオススメです。
脱水症は、気付かぬうちになっていることがあるのですね…。夏は、少しでも体調悪いと感じたら、病院に行った方が良いかも。そして、塩分の補給やクーラーの使い方などを工夫して「隠れ脱水」を防ぎましょう。
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初出:しごとなでしこ
教えてくれたのは…イシハラクリニック副院長 石原新菜先生
帝京大学医学部卒業、同大学院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實先生のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診療の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。