風邪の咳が長引いてなかなか治らない…は要注意!
きちんと休んでいるし、熱も下がったし、体調も戻りつつあるのに、咳だけがなかなか治らないという人、意外に多いです。2週間経っても咳が治らないという場合は、風邪以外の病気の疑いがあります。
最近、女性に多い「咳喘息」
30〜40代の女性は、特に注意です。今まで喘息にかかったことがないという人でも、風邪をきっかけに発症してしまう人がいるのです。咳喘息を放っておくと、気管支喘息になってしまうこともあるので、早めの治療が必要な病気です。
また、免疫力が低下していると「肺炎」をおこしていたり、「結核」にかかっている可能性もあります。
結核は決して昔の病気ではありません。また風邪の咳だと思っていたら、「逆流性食道炎」だったという人も。
特に逆流性食道炎は、ピロリ菌の除菌をした人がなりやすい病気なので、ピロリ菌の除菌をした人は心に留めておいてください。
喫煙の習慣がある人ならば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気の恐れもあります。これは、煙草の煙などに含まれる有害物質が原因で肺に炎症を起こす病気です。
そして最近女性に増えているのが「肺腺がん」です。肺がんは喫煙している人の方がなりやすいと言われていますが、この肺腺がんは喫煙習慣がなくても発症している人が増えているがんです。
風邪の咳ではないかもしれない、と判断する基準はおよそ2週間
結核とかがんとか聞くと怖くなってしまうけれど、それを放置しておくのはもっと怖いこと。もし2週間経っても咳が止まらない場合は必ず内科、できれば呼吸器科を受診しましょう。
初出:しごとなでしこ
教えて下さったのは…板橋聖子先生
東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院にて外科医として勤務。出産子育てを経て、現在は東京女子医科大学予防学科兼女性科(非常勤講師)と、「優ウィメンズクリニック」勤務。病気だけでなく、女性特有の悩みや子育て、仕事のことなど、その人のバックグラウンドを考えあわせた診療を行っている。優ウィメンズクリニックは、スタッフは全員女性、おしゃれなインテリアと最新設備が整った女性専用クリニック。なでしこ世代の患者さんも数多く来院しています。