見た目では分からない「菌」に気づいて! 適度に「除菌」することが大事
朝はバタバタすることが多いため、時間があるときにおかずを作って、冷蔵庫や冷凍庫で保存し、朝弁当に入れる人も多いのではないでしょうか。時間の短縮になって良いのですが、この季節に気になるのが食中毒…。
今回、ジョンソン株式会社が一般家庭内での「作りおき」の食中毒リスクに関する実証実験を実施。衛生微生物研究センター 主席研究員 李新一さん監修のもと、一般家庭内での「作りおき」シーンを想定し、作りおき料理中の菌繁殖を検証しました。
■食中毒が発生するレベルの菌が付着していても、気付かない!?
検証では、作りおきをする際の調理器具(包丁・まな板・タッパー)に食中毒リスクがある菌(黄色ブドウ球菌)が付着していたケースを想定し、長期保管時の菌の繁殖を検証。菌が付着した包丁・まな板を用いて、加熱調理した鶏肉を切り分け、タッパーに入れた状態で冷蔵庫に7日間保管しました。
その結果、初日には料理に食中毒が発生するレベルの菌が付着しており、その量の菌が7日間付着し続けていても、鶏肉の見た目には変化が見られませんでした。食中毒菌は少量の付着でも食中毒を引き起こす可能性があり、食べ物の見た目やニオイにはほとんど影響がなくても、注意が必要です。
■作りおきの注意ポイント! 包丁・まな板・タッパーに菌が…
今回の検証のように加熱調理しても、その食材を菌がついたまな板の上や包丁で切ったり、菌のついたタッパーに保存したりすると、「作りおき」料理に菌がついてしまう可能性があります。たとえ、まな板・包丁・タッパー等の調理器具を食器用洗剤で洗っても、菌が付着したふきん等で拭いた場合は、同様のリスクがあるのです。
厚生労働省が推奨する食中毒対策にも、「調理器具の消毒」が挙がっています。
■調理器具は適宜「アルコール」や「熱湯」で除菌を!
食中毒が発生する菌を防ぐためには、どうすれば良いのでしょうか。衛生微生物研究センター 主席研究員 李新一さんにうかがいました。
「加熱調理で除菌した料理も、汚染された調理器具に触れると、再度細菌が付着し、食中毒リスクが高まってしまいます。調理器具に細菌が付着しているかどうかは肉眼で判断できないため、調理器具は適宜アルコールや熱湯などの適切な方法で除菌し、食中毒リスクを高めないように心がけましょう。」
検証結果をみると、本当に目では菌が分かりませんね。「見た目が変わってないから大丈夫」と思ってしまうと危険かも。ある程度日にちが経った作りおきおかずには気をつけましょう。また、調理後の除菌も忘れずに!
情報/ジョンソン株式会社
初出:しごとなでしこ
教えてくれたのは…衛生微生物研究センター 主席研究員 李新一さん
衛生微生物研究センター所属。微生物による生活被害を防ぐため、生活環境における微生物分布の解析など、各企業との共同研究を通じて、日夜調査研究を行っている。