カレーを食べに九州へ。
わざわざ行く価値のある名店2つ
ここ数年、SNSの普及などもあって飲食店のスタイルが様変わりしてきています。数年前までは一般受けする味や方向性のお店でないと営業を続けるのがなかなか難しかったのが、SNSの普及で発信する人も増え、新しいお店や面白いお店を気付きやすくなったおかげで、独自のスタイルを貫くお店や、非常に行きにくい場所にあるお店も、味と接客が確かなら続くようになって来たと感じています。
そんな時代だからこそ、自分のスタイルを貫く為、あるいは味にこだわった結果、東京で人気店を営んでいた方が地方でお店を営業するということも増えてきました。
今回はそんな名店をふたつご紹介いたします。どちらも九州。しかも公共の交通機関ではかなり行きにくい場所にあるお店なのですが、わざわざ行く価値があるどころか、この為だけに九州まで行っても損しないとまで言える名店です。
錦糸町の個性的名店が佐賀でさらなる個性大爆発!
「カレーのアキンボ」
まず行き方から。佐賀駅からバスに乗り、川上橋停留所が最寄りではあるものの、九州のバスは非常にわかりにくいのでタクシー利用がおすすめです。佐賀駅から15分前後、料金は2000円〜3000円程度。もしくは福岡空港から高速バスで高志館高校前下車、そこから徒歩20分程度で行くこともできます。空気の良い山道なので歩くのが好きな方ならそれも良いかもしれません。
そしてこちらのお店に行くにはさらなるハードルがあります。それは予約限定営業だということ。たとえ開いているように見えても、予約分しか用意していないので、Facebookなどから予約を確実にしておいてください。その際に好き嫌いなど聞いてくれます。つまり、そのお客さんごとに合った料理を出してくれるんです! 僕は予約の際に「とにかくカレーが食べたい!」と伝えたところ、カレー3種類のコースにしてくれました\(^o^)/
錦糸町時代から好きだったラムキーマ、今回初めていただいた帆立カレー、パワーアップした野菜カレー。すべてが最高! スパイスの使用量は最低限に抑え、素材の美味しさとハーブの使い方の上手さで絶品カレーに仕上がっているので辛いのが苦手な方でも安心です。
では辛いのが大好きな方には物足りないかというと、そうではありません。奥深い味わいで辛さ控えめでも十分満足できる味なんです。他になかなか無い唯一無二の美味しさといえるでしょう。さらに前菜もデザートのプリンも最高なので、下手なコース料理いただくより確実にこちらの方が絶対に良いです。
錦糸町時代から一皿一皿丁寧にカレーを作っていたシェフの川岸さん。当時は並び客を断ることもしばしばありました。実際僕も並ぼうとして断られたことがあるのですが、それはご自分のペースで納得できるものを作りたいという、アーティスティックともいえる職人気質からくるものだったのでしょう。
そのスタイルを貫く為には、予約限定営業がベスト。そのスタイルとその味に魅せられた人達の予約で常に満席状態の人気店です。ギリギリの日程だと埋まっていることも少なからずあるので、気になった方は是非早めに予約の上、行ってみてください!
「カレーのアキンボ」
住所:佐賀県佐賀市大和町川上475 平野商店隣
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東京で大人気だったお店が福岡でさらなるレベルアップ!
「月と亀」
こちらも行き方から。JR基山駅から甘木鉄道というローカル線で甘木駅まで。そこからバスで秋月停留所まで行けばすぐです。しかし1時間に1本程度しか出ていないので注意が必要です。
秋月は古き良き城下町。風情たっぷりの町並みの中にある古民家を改装したそのお店は、居心地も良く、癒されます。こちらのオーナーシェフである小松さんは、元々東京は森下の上亀で日曜昼限定で間借り営業を開始し大人気となり、その後こちらで独立。やはり大人気となるも、友人からのSOSで堀切菖蒲園の「スパイス喫茶 コーヒーロー」に移り、またもや大成功させたさすらいの名シェフなんです。
「コーヒーロー」からまた「月と亀」に戻ったのは紆余曲折あってのことのようですが、とにかくまた小松さんの絶品カレーが食べられるのであれば、秋月だろうと海外だろうとどこまでも行きますよ\(^o^)/
そんな思いで馳せ参じ、いただいたのは筑前インドスペシャル定食。食べてみればこれが確実に東京で食べたものより美味しくなってるんです!
水がきれいなことで有名な秋月。だからこその美味しさなのだと小松さんもおっしゃっていました。すごい! 個人的に大ファンなので、また東京でも営業してくれないかなと思っていたのですが、これだけのものを食べさせられてしまっては納得するしかありません。それほどまでに美味しかったので、小松さんのカレーのファンの方はわざわざ行って損はしませんよ! 営業時間が11時〜16時までと短いので注意してください。平日は予約も受け付けているそうです。
「月と亀」
住所:福岡県朝倉市秋月614
電話:0946-23-9277
どちらのお店にもいえるのは、元々腕が良い方なのですが、そんな方が良い素材や良い水、あるいはご自分に合った環境を手に入れたからこそ、100%の力が発揮できているということ。東京でも十分以上に美味しかったのが、九州だと十二分以上に美味しくなっているんですからたまりません。
そしてどちらのお店も、マニアにも初心者にも美味しくいただける味だというのも素晴らしいところ。わざわざ遠方から行くのはマニアでしょうが、お近くの方はカレー慣れしていなくても是非行ってみてください。カレーの新たな扉が開くこと間違いなしですから\(^o^)/
【おまけ】こだわりのつまったチャイ専門店「Chai Tea Heron」
最後におまけです。
今回の九州遠征でとんでもなく素敵なチャイ専門店を発見したので。こちらは行きやすく、薬院駅すぐ近くにあるお店。オーダー入ってからホールスパイスを調合、ミルで粉にしてからいれてくれるという、手の込みまくったチャイは日本全国探してもなかなか無いでしょう。
王道のチャイから、塩きなこチャイ、あるいはダーティーチャイ、さらにはターメリックラテなど、どれを飲んでも絶品です。お店の雰囲気も実に良く、一度行ったら何度も行きたくなるお店なのでリピーターがどんどん増えています。
かく言う僕も今回の九州旅行、5日間のうちに3回も行ってしまったほどハマりました。こちらも旅の締めくくり、あるいは合間に是非!
住所:福岡県中央区大宮1-4-22
初出:しごとなでしこ
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均900食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/