按田優子さんってどんな人?
今回ご紹介するのは、料理家・按田優子さん。
水餃子専門店「按田餃子」のオーナーです。
店開業当初は、「自転車操業でひどい状態。ランチをやってもお客さんが1人や2人…」というときもあったそうですが、油を使わない女性好みのヘルシー水餃子が評判を呼び、今では開店と同時に席が埋まるほどの人気店に。
また、5,000円以下で食事ができるコストパフォーマンスの高い飲食店が掲載される「ミシュランガイド・ビブグルマン部門」に2016年から3年連続で選出されています。
「食は健康の源」自身の体験から食の道へ進むことに。
現在ではオーナーとして日々忙しく働く按田さんですが、幼い頃は健康面に問題が。「いつもダルく、風邪気味で体力がない。生きる意欲も薄かった」という。
そんななか、食事で体質を改善すべく、医者から指導を受けながら常に母が食事を作ってくれたのだそう。そして、食べ合わせを少し変えるだけでみるみる体調が良くなったことを実感したのだとか。
そんな経験が食の道へ進むきっかけとなり、飲食店の工房長・乾物料理店店長などを経てフリーの料理家として独立。
レシピ本などを作る料理家として活躍しているなか、仕事で知り合ったカメラマンや仲間と共同で、2012年に東京・代々木上原に按田餃子をオープンしました。
按田優子さんの「7つのルール」
さて、そんな按田さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…
1. ひだを作らない
按田さんが作る餃子は、丸みを帯びたかわいい形。そう、餃子に必須だと思われがちな「ひだ」がないのです! それは、スタッフが日々シフトで入れ替わるなか、いかに餃子のクオリティーを同じに保つか、その課題を解決するための秘策なのだそう。ひだを作らず、代わりに両端を折り重ねることによって、簡単に包むことができ、肉汁も閉じ込められるのだとか。
2. 面接では落とさない
「按田餃子で働きたい」と思って面接に来てくれた人とは、ひとまず一緒に働いてみることをポリシーにしている。提供しているメニューも技術を要する調理方法ではないので、「誰でもやれる方法」ということに落とし込み、働ける人の間口を広げたいという考え。
3. 思い出を餃子に包む
旅行先で出会った調理方法や味を餃子作りのアイディアに取り込むことも。「旅の思い出を翻訳して餃子にしよう」という考えはユニーク! その結果、「鶏 香菜と胡瓜」や「マンゴー水餃子」などの一風変わった水餃子が誕生しました。
4. イケると思ったら拾う
東京でも、緑のあるところに行くと銀杏やヨモギなどの収穫物があるため、休みの日は収穫に行くことも。そして、その拾った食材で季節ごとにアイディア料理を生み出しているのだそう。お皿や花瓶、イスや鍋なども拾ったということには驚きですが、物を大切にする姿勢が素敵。
5. 1人でごはんは食べない
1人でごはんを食べるのが好きではなく、誰かを呼んで食事をすることが多いという。恋人や友人など、人と一緒に食べるとご飯も一層美味しく感じるのだそう。
6. 食材にこだわりすぎない
「食材にこだわりすぎないこと」にこだわっているという。食材は、基本的に仕入れ業者のプロに任せ、野菜が足りなくなったときも近所のスーパーへ買いに。そんな按田さんですが、餃子の皮には工夫が。幼い頃の食事療法で使用していたハト麦の粉が練り込んであるのだそう。
7. 吉野家を目指す
年中無休で24時間通し営業している吉野家のようなお店が理想なのだとか。そのため、定休日を廃止に。「今日は按田餃子にしよう」と誰でも気兼ねなく行けるお店にしたい。
ニンニクとニラが入っていないだけでなく、ひだもなく、食材の組み合わせも斬新なものばかりの按田さんの餃子。今後ますます、特にヘルシー志向の女性から注目を浴びそうですね♡
文/かわはらりな
次回の「7ルール」の放送は、1月30日(火)よる11時~11時30分です。主人公は、新井見枝香さん。自ら新井賞を選出し、作家や出版業界から注目されている書店員さんです。
しごとなでしこでは、様々な分野で輝いている女性たちに密着! 番組を振り返り、仕事をする女性たちへのヒントを見つけていきます! ぜひチェックしてみてくださいね♡
初出:しごとなでしこ
料理家 按田優子
1976年生まれ 東京都出身 41歳。東洋大学文学部卒業。飲食店の工房長、乾物料理店でのメニュー開発などを経て2011年にフリーの料理家として独立。2012年、仲間と共同で東京・代々木上原にヘルシーな水餃子が看板メニューの「按田餃子」をオープンし行列ができる人気店となる。2016年から3年連続でミシュラン・ビブグルマンに認定。著書『たすかる料理』を1月27日に出版。その他の著書に『冷蔵庫いらずのレシピ』など。