もっと気軽に! 秋は花と仲よくなるチャンス!
暑かった夏を越えて、すっかり過ごしやすい季節になってきました。秋は実りの秋とも言われますが、野草や実ものなど、花屋に並ぶ花や植物たちも既に秋の訪れを知らせてくれています。
この「しごとなでしこ」の読者さんの中にも、「お花が好き!」という方が大勢おられると思います。
でも、その中には「好きだけどすぐに花を枯らせてしまう…」「せっかく花をいただいてもどうして良いかわからない!」と思っている方もいるのではないでしょうか。実は、私が働くお店にお越しくださるお客様からも、そういったお声をいただくことが多くあります。
そこで今回は、花を暮らしに取り入れるハードルが少しでも下がるような方法をお伝えしたいと思います。
秋は気候も穏やかで花や実ものも豊富。この時期にしか出回らない花との出会いもあります。ぜひ、花と仲よくなるきっかけになれたらうれしいです。
花が長持ちする5つのステップ
花の飾り方や楽しみ方にルールはありませんが、花をより長く、美しく、楽しむお手入れのコツはあります。
お伝えするこの5つのステップをぜひ参考にしてみてください。
■1:花器を清潔にする
花を活ける前に、花器をきれいに洗います。花器はガラス、プラスチック製がおすすめです。
ステンレス以外の金属製は化学反応を起こす可能性があるので注意! 私は自宅にあるガラス製のコップに活けることも多いです。
■2:水に浸かる下葉は取り除く
水に浸かる部分の枝葉は腐りやすくなるので、あらかじめ落としておき、バクテリアの繁殖と蒸散を抑えます。
このときに、咲きそうにないなと思う硬い小さなつぼみを取り除いておくと、水分の蒸散やエネルギーの消耗が防げて長持ちします。
■3:花ばさみを使って茎を斜めにカットする
花屋で購入した花は通常水揚げしてある状態ですが、部屋に飾る前にあらためて水切りをすると花の保ちが違ってきます。
水切りというのは、花を活ける前に水を吸いやすくしてたっぷりと水を補給する水揚げという作業の中の基本です。
(できれば)花専用のはさみやナイフを使い、茎を水に浸けたまま、切り口から3~5cm上を斜めにカットします。ポイントは茎を斜めに切ること。それにより吸水面が広がり、より多くの水を吸い上げられます。
(写真左→紙切りばさみ、写真中→花ばさみ、写真右→フラワーナイフ)写真でもわかるように、道具によって茎の断面の大きさが変わります。なるべく断面を大きく切ることを意識します。
■4:直射日光を避けて飾る
花も人と同じで直射日光やエアコンなどの風が直接当たる場所が苦手です。また果物などエチレンガスを発するもののそばも避けましょう。
■5:こまめにお手入れを
飾った後は、2〜3日に一度(夏季は毎日)ステップ3の要領で茎を切り戻しましょう。水を吸い上げる導管のつまりを抑えて吸水が良くなります。痛んだ花や枝葉は早めに取り除きましょう。
エチレンガスを発して周囲の花や葉を枯らせてしまう可能性があります。あわせて茎のぬるつきや花器もきれいに洗います。
■:応用編
毎日忙しくてこまめに水替えなんて難しい! という方。安心してください。
今は市販で「切花延命剤」「切花鮮度保持剤」と呼ばれる素晴らしいものが手に入ってしまうのです。
これらには、栄養補給とバクテリアの繁殖を抑える効果があり、真水で活けるよりも長い間花の美しさを楽しむことができます。忙しい方はぜひ活用してみてください!
ちなみに私は青山フラワーマーケットさんのオリジナル商品 フレッシュフラワーフードという切花鮮度保持剤を自宅で使っています。タンクタイプでプッシュ式なところが便利です。
その他に、殺菌効果のあるアイテムとして、キッチンハイターなど塩素系漂白剤や10円玉も使えます。塩素系漂白剤は、キッチン用や洗濯用ものでOK。目安は水1Lに5〜6滴投入します。10円玉の場合は、水1Lに10円玉を2〜3枚入れておくと銅が殺菌効果を発揮するそうです。
身近にあるアイテムを活用しながらデイリーケアも心がけられると良いですね。
仕事を頑張った自分へのご褒美に、この前お世話になったあの人に、週末遊びに行く友人宅へ。感謝の印として、あるいは少しの贅沢をお花で楽しんでみませんか?
初出:しごとなでしこ
なでしこリポーターズ 重森悦代
岐阜出身在住のフローリスト。https://www.instagram.com/florist_greenveil/
1988年生まれ。
趣味は野球観戦、花屋、カフェ巡り。
instagram@etsu___59