人口約3,000人の小さな楽園、ラナイ島
ハワイ諸島のひとつ、ラナイ島を知っていますか?
ホノルルから飛行機で約30分で到着する、約3,000人しか住んでいない小さな島で、「ハワイ最後の楽園」と呼ばれている島です。
「ハワイ最後の楽園」と呼ばれるその理由、それは長い間パイナップル農園だったために開発がほとんどされず、島の自然がそのまま残されているから。2012年、その魅力的な島の約9割を購入したのが、オラクルの創業者のラリーさん。
普通、このような買収の後に待ち受けているのはありのままの島の景観を壊して進めるリゾート開発。ところがラリーさんはそういうことをするつもりでこの島を購入したのではなかったのです。海水を淡水に変えたり風や波の力で発電したり、有機農法を進めてみたり、島の環境を活かしたサスティナブル(持続可能)なスタイルを模索しているんです。なんとも偉いですね、ラリー。
新たにリゾートを作るなんてことはしません。
島に以前からある海と山のふたつのフォーシーズンズホテルをリノベーションし、2016年、フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ(海側)から再オープン。全米No.1ビーチとして選ばれたプロポエビーチを見下ろすこのホテルはまさにパラダイス。宿泊は高価なので無理(1泊1000ドル以上は覚悟)でも、島を訪れこのホテルのラウンジやレストランを利用して、パラダイスな風景と気分を味わうべきです。
ラナイ島で絶対行くべき場所、神々の庭園
パラダイスなリゾートを出れば、ほぼ手付かずの島の風景が広がっています。島に行ったら絶対に行くべきなのが、 Garden of Gods(神々の庭園)。
島の中心のラナイシティから車で約40分で到着の赤茶色の世界。そもそも観光客が少ないラナイ島、ほぼいつ行っても人の気配なし。なので庭を独占状態ですよ。
シティからプリフアロードを進むとやがて見えてくる柵。「この先進入禁止」と勘違いしてしまいそうな佇まいに、引き返してしまう日本人観光客が少なくないのはホントです(かつての自分もそんなことが)。
柵の右側の標識「KEAHI A KAWELO GARDEN OF THE GODS」とあるように、柵を越えてドンドン進んでいきます。
標識に従い進んでいけば目的地エリアに到着。こちらの標識が目印。
なんともまぁ見事なまでの荒涼感漂う大地ですね。ハワイの伝説や神話の舞台にもなっているここ、写真のように見渡す限り人の気配と人工物なし。ここはどこ? 火星? それとも月面?… そんななんとも不思議な光景。
何故ここを神々の島と呼ぶのか、それは諸説いろいろあるみたいなので断言はできないのですが、伝説の中のひとつに興味深いものを見つけました。「ゴロゴロと転がっている岩はカフナ(神官)の排泄物(つまりウンチ)」という説。スゴイです。ウンチですよウンチ。たしかにそういわれればそう見えなくもないのだけど、どんだけウンチしたんだ?!って話です。
大小、様々なカタチの「ウンチ」が転がる中を車で快走。ただし道路の状態によっては行ける場所が限られてくるので事前にレンタカー屋でもらう地図で確認。
ラナイ島、かわいい島の中心部
島の中心、シティ(というよりビレッジサイズだけど)はこんな感じ。メインストリートが2本あり、そこに写真のようなプチサイズの建物のレストラン(というより食堂)やお土産屋さんが点在。
ラナイ島、そのほかのマストポイントはここ
そのほかラナイ島のマストポイントとして押さえておくべきなのがシップレック(難破船)ビーチと呼ばれているカイオロヒアと、
スイートハートロックと呼ばれるプウぺへ。ただしこれ、上から見ないと♥型とはわからないんだけどね。
マウイ滞在中に日帰りでラナイ島へどうぞ
そんな「最後の楽園」ラナイ島へはマウイ島からフェリーで30ドル、約1時間で到着。最初にお話したように、ラナイ島へはホノルル空港から飛行機で約30分で到着。なのですが、お勧めしたい行き方はマウイ島のラハイナからフェリー(片道30ドル)で日帰りするという方法。マウイ島に行く人はそれなりにいるのに、ラナイ島へ日帰りで行けるということを知っている人が少ないのか、そのことを言うと「知らなかった」「行けばよかった」「なんで早く言ってくれなかった!」と、後悔する人がほとんど。せっかくマウイまで行っているのに「ハワイ好き最後の楽園」ラナイに行かないなんて、実にもったいないことですよ。
冬の時期ならラナイまでの往復の途中、こんなボーナス風景が見られる可能性大。
そんなラナイ島、ハワイ好きなら(そうでなくても、旅好きなら)絶対に行くべきだと思います。
ラナイ島の詳しい情報は「気になるハワイネイバー」をどうぞ!
山下マヌー著 1,620円(税込) 東京ニュース通信社
※文書に登場したお店や場所のDATA は「気になるハワイネイバー」を御覧ください。
初出:しごとなでしこ
山下マヌー Manoue Yamashita
雑誌編集者を経て旅行コラムニスト/作家に。渡航回数300回超、最新刊『ハワイのホテルの使い方、遊び方』で著作は60冊に。
Travel columnist&writer after a magazine editor.
Over 300 times to foreign travel, and over 50 books of the copyright so that work.