今ではすっかり日常用語になった「女子力」というワード。でも、女子力っていったい何?
そこで始まった、春ドラマから「女子力を学んじゃおう!」というしごとなでしこオリジナル企画。第2回は「人は見た目が100パーセント」(フジ系)を軸に、「モテる女子」と「嘘」の関係を探ってみましょう。
おしゃれしたいなら多少の我慢も必要!?
女子たるもの、やっぱりおしゃれは魅力アップの大事な要素。「人は見た目が100パーセント」(略して「ひとパー」)第2話で気になる一言が。
結婚式に出席することになった主人公・純(桐谷美玲)は、ドレスのレンタルショップですすめられるままノースリーブのドレスをレンタル。「ノースリーブはまだちょっと早いんじゃないですか?」という前田(水川あさみ)に店員さんが笑顔で放った言葉がこちら。
「快適さと美しさは必ずしも共存するものではありませんよ。おしゃれの基本は“我慢”ですから」
薄々感じてはいたものの…やっぱりそうなのね~。そういえば、ドラマ「架空OL日記」(日本テレビほか)第3話にも、升野(バカリズム)と同期のマキ(夏帆)の間でこんなやりとりが。
升野「さっきさ、地元の駅の近くに溝があって、ヒール刺さって派手に転んじゃったの」
マキ「あたしもたまにあるわ。ヒール刺さるよね」
それならヒールを履かなきゃいいって話…にはならないのが女子のつらさ。我慢や無理もときには必要。ここぞというときには寒い、痛い、面倒…なんて本音は飛び越えて、余裕を漂わせる女子でいたい。でもそれって思った以上に大変なこと。涼しい顔で実践するその裏には、相応の努力が隠されているんです。
それに彼女たち、そんな自分の見栄をしっかり自覚してもいます。「ひとパー」第3話でブランドバッグの魅力を聞かれた岸根たちの答えが痛快。
岸根「いろいろ言ってますけど、結局ブランドバッグ持ってる自分が好きなんですよね」
森村「そうそう。なんだかんだ言って、見栄とか自己満足じゃないですかね」
自分がまとった見栄や自己満足をこんなにもさっぱり認める姿に女子力を感じてしまうのは、私だけではないはず。大事なのは、根底に「自分はこうしたい」という確固たる思いがあるかどうか、なのかも。
揺れるイヤリング、合コンさしすせそ…“錯覚”を味方につける!
男女の関係においても嘘は重要な要素。
といっても、だます嘘ではありません。「ひとパー」では、物事を実際とは違った姿で見せる“錯覚”を使ったテクが語られます。
まずは丸の内ステキ女子が、パーティーファッションを研究する純にイヤリングについてアドバイス。
「絶対おすすめなのが、揺れるイヤリングです。男の人って狩猟本能を刺激されるから、動くものに目を奪われやすいんですって」
そして岸根たちが実践する“合コンさしすせそ”。これは「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスあるね」「そうなんだ」を繰り返し、ほめられるのが好きな男性のプライドを満たしてあげるというモテテク。
さらには“陽性転移”なる心理テクも登場。陽性転移とは、カウンセラーに患者が恋しちゃう状況なんかを指すそう。
前田「傷だらけでボロボロになってるときに手を差しのべられたら、どんな相手だろうとしがみついちゃうものでしょ。それを恋だと勘違いするのよね」
意中の人がなんらかの精神的ダメージを受けて凹んでいるとき、そばにいて励ましてあげることが恋愛感情に発展することも十分あり得るんだそう。
「恋愛はしょせん、脳の錯覚」と前田が言うように、恋愛においては“錯覚”というある種の嘘も、欠かせない要素の一つなのかもしれません。
とはいえ、すべてが嘘では人間関係は成り立ちません。
話題のドラマ「あなたのことはそれほど」(TBS系)第2話で主人公・美都(波瑠)が勤める眼科医院の花山先生(橋本じゅん)が、不倫にハマっていく美都にいち早く気づいてこう一言。
「目がキラッキラしてる。なんかいいことあった? …いいことはあった、けど人に話せるようなことじゃない、ってことでしょ。ははは、図星だ。目は口ほどにモノを言う、ってね」
ホントの気持ちは案外、相手に伝わっているもの。嘘で自分の気持ちや相手の気持ちを損なってしまうようでは「女子力が高い」とは到底言えません(もちろん、相手を欺いたり陥れる嘘も絶対ダメですよ)。
我慢も見栄も錯覚も、使いすぎにはくれぐれもご注意を。
文/広木こころ
初出:しごとなでしこ