プロが伝授! 鍋やフライパンの素材別お手入れ方法
■1:鉄素材
<日常のお手入れ法>
洗剤は使用しないのがベスト。金属たわし等でごしごし焦げを削り、まずは完全に焦げを除去。完全に乾燥させたのち食用油を塗りこみ、湿気の少ない場所で保管しましょう。
<錆びた場合のお手入れ法>
初期であれば軽く拭き取ればOK。しばらく使用している場合は、錆びの部分を軽くふき取り、その部分が浸る程度のお湯に10%程度の食酢orクエン酸を入れてしばらく放置。その後、通常の中性洗剤で洗い落とすと効果的。
<買い替えの目安>
上手に使えば、非常に長持ちする鉄。買い替えの目安は特にありませんが、取っ手が木やプラスチックの物は破損した場合は危険ですので、買い換えを。
■2:アルミニウム素材
<日常のお手入れ法>
使用後は、中性洗剤で洗いよくすすぎましょう。鉄やステンレスより柔かい素材のため、金属たわしを使ったり力任せに洗ったりするとすぐに傷ついてしまうのでNG。
<錆びた場合のお手入れ法>
アルマイト加工が施されているかどうかでお手入れ方法が違うので注意(アルマイトがかかっているかどうかは、品質表示の表面加工の項目で確認)。
◆アルマイト加工の場合
・アルマイトを傷つけないよう、スチールたわしや、クレンザーなど傷の付きやすいものはNG。柔かいスポンジなどで洗いましょう。
・お湯や水に充分浸して柔らかくしてからスポンジなどで丁寧に汚れを除去。
◆非アルマイト加工の場合
・アルミが黒ずんだり、焦げついたりしたらクレンザーやたわし(非金属)でごしごし落としてもかまいません。
・黒ずみ、焦げ付きをそのままにしておくと、その部分より腐食し穴が開いてくることがあるので要注意。
<買い替えの目安>
キズや変形が目立ってきたら、材質が薄くなっているため、穴が開いたり破損しやすくなっている証拠。買い換えをおすすめします。
■3:内面加工(ふっ素樹脂、ダイヤモンドコート等)素材
<日常のお手入れ法>
使用後は、中性洗剤でスポンジなどやわらかい材質の物を使い、表面を軽くこすれば汚れは簡単に落ちます。調理時、木製や耐熱樹脂製のツールを使うとキズが付きにくく長持ちするのでおすすめ。
<錆びた場合のお手入れ法>
フライパン/鍋によっては、ふっ素樹脂、ペイントで表面加工をしていない「銀色(※参照)」の部分で白い錆が出てくる場合も。サンドペーパーなどでかるくこすって取り除きましょう。
※
<買い替えの目安>
一つの目安としては、焼きそばがこびりつきやすくなってくるとふっ素が劣化している可能性が。また、焦げつく場所、焦げ付かない場所がまだらに出てくる場合、ふっ素の劣化が始まっている目安に。
■4:ホーロー(琺瑯)素材
<日常のお手入れ法>
使用後は、お湯にしばらくつけて汚れを柔らかくし、中性洗剤をつけたスポンジなどで洗い、すすぎましょう。
<焦げ付いた場合のお手入れ法>
通常のお手入れは中性洗剤で洗い良くすすぐこと。硬い物、尖ったものでこするのはNG。着色汚れは、重曹を使用したり、強めの酢水を煮たたせ一昼夜程度放置(臭いに注意)をすると表面がきれいになる場合も。軽微な着色よごれの場合は「メラミンスポンジ」でこするのも効果的。
<買い替えの目安>
表面に薄くヒビの様に見える筋が見えてきたら、その部分から割れが発生することがあるので替え時。ホーロー加工にヒビ割れが起こる原因としては、空焚き、急冷、落下など。
■5:ステンレス素材
<日常のお手入れ法>
使用後は、中性洗剤で洗い良くすすいでください。
<錆びた場合のお手入れ法>
初期の場合は、軽く拭き取るだけで取れます。しばらく使用した後であれば、錆びの部分を軽くふき取り、その部分が浸る程度のお湯に10%程度の食酢かクエン酸を入れてしばらく放置。その後、通常の中性洗剤で洗い落とすと効果的。
<焦げ付いた場合のお手入れ法>
先ずは、焦げを落しましょう。金属製の道具等でがりがりするとキズが付いてしまうのでNG。ぬるま湯を鍋に張り、食酢大さじ2程度を加えて様子を見ましょう。それでも柔らかくならない場合そのままとろ火で加熱。汚れがやわらかくなり、落しやすくなります。
<買い替えの目安>
ステンレスは上手に使えば、長持ちするのが特徴。特に目安はありません。
■6:銅素材
<日常のお手入れ法>
使用後は、中性洗剤で洗い良くすすぎましょう。鉄やステンレスより柔かい素材のため、金属たわしの使用や力任せに洗うと直ぐに傷ついてしまいます。また、水分を完全に取りのぞき乾燥させるのがポイント。
<錆びた場合のお手入れ法>
緑青(錆)が発生した場合は、目の細かいサンドペーパーなどでこすり取り除きましょう。
<買い替えの目安>
取っ手が破損、鍋に穴が開くなどがない限りは使えます。
鍋やフライパンを長持ちさせる秘訣5
■秘訣1:空焚きをしない
内面加工(ふっ素樹脂やテフロンなど)をしている鍋/フライパンを使用する際は、油を引きましょう。温度の上がりすぎを防ぎ、内面加工を長持ちさせてくれます。「空焚き」をすると、内面加工が傷みやすくなり、寿命が短くなるおそれが。また、ホーロー素材の鍋で空焚きをすると、表面のガラス質にヒビが入る原因にもなります。
※洗浄後の鉄鍋/フライパンについた、水分を飛ばすために空焚きすることは問題ありません。
■秘訣2:弱火~中火で調理をする
鉄素材の鍋/フライパンを除いて、極端な強火調理は素材を痛める原因に。弱火~中火の調理がおすすめ。
■秘訣3:先のとがった金属ヘラで勢いよくこすらない
内面コーティングの中には金属ヘラOKをうたう商品もありますが、角のとがった金属製のヘラなど、鋭利な道具の使用は避けましょう。
■秘訣4:スチールたわしや、クレンザーなどで勢いよくこすらない
内面加工のしてある鍋/フライパンやホーローは、傷がつきやすいスチールたわしや、クレンザーなど尖ったものでこするのはNG。お湯や水に充分浸して柔らかくしてから、スポンジなどで丁寧に取ることが大切。※鉄、銅はこすってもOK。
■秘訣5:調理後は早めに別容器に移す
料理の調味料などには、塩分やアルカリなどいろいろな成分が入っています。それらの成分が鍋の内面の変色や劣化を早めるおそれが。鍋/フライパンでの保存は一晩程度にとどめるのがポイント。
毎日使う調理器具だからこそ、お手入れをして大切に長く使ってあげましょう!
情報提供/和平フレイズ