お給料、仕事内容…。ステップアップした仕事人生は、薔薇色のはず!? 働く女性が一度は考える「転職」、経験者の「今」からその真実を明かします!
即戦力になれなかったDさんの場合
「急成長中のベンチャー企業に移ってあっという間に管理職に。最初はよかったけれど、今は期待に応えられているか自信がない」
転職後2年9か月 Dさん(33歳・既婚)
・職歴/22歳で広告代理店に入社(PR)→28歳でアパレル関連企業に転職(販売)→30歳でIT企業に転職(広報)
・年収/前職:約300万円→現職:約500万円
・残業時間/前職:10時間/月→現職:30~40時間/月
・待遇・福利厚生/副業OKなど前職に比べ充実
成長の敵は自分のプライド
ITサービス企業で広報を務めるDさん(33歳)は、転職後、いきなり壁にぶつかった。
「1社目の広告代理店でPRの経験があったので、〝広報も似ているからできるはず〟と高をくくっていたんです。でも、クライアントからの依頼でメディアにプロモートするPRと、自社をアピールするために戦略から考える広報とでは、根本的な考え方が違いました」と肩を落とす。しかし、即戦力として入った手前、仕事の仕方がわからなくても、恥ずかしくて周囲に聞けなかったという。「今考えるとバカみたいですが…」とDさん。
成果が出ない状況が続くこと1年。いよいよ行き詰まったあるとき、ついに上司から「君ならもっとできるはずだけど、どうしたの?」と声をかけられた。そこでようやく「仕事の進め方がわからない」と打ち明けることができたという。そこからは、周囲の人たちがアドバイスをくれるようになり、少しずつ仕事が回るように。
「つまらない意地で周りに迷惑をかけてしまったけれど、〝即戦力〟として活躍するということは、何もひとりで抱え込むことじゃないんですよね。周囲の人に相談したり巻き込んだりしていいんだと、基本に立ち返ることができました。それからは、〝困ったときは周りに頼る〟が私のテーマ。早めに問題を共有することで処理スピードが上がって効率化できたし、余裕が生まれたことで、PR時代のスキルを生かせることもわかり、自分なりに仕事を進められるようになりました。3年目の今、ようやく会社の期待に応えられていると自信が生まれました」とDさん。
即戦力としての転職であっても、そのスキルを進化させ続けなければあっという間に使い物にならなくなる。一方で、すぐに即戦力にはなれなくても、会社は入社後の成長を期待してくれるし、挽回するチャンスはある。転職はあくまでスタートなのだということを肝に銘じておく必要がありそう。
Oggi4月号「転職3年目の真実」より
メイン画像/Shutterstock 構成/酒井亜希子・佐々木 恵・赤木さと子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部