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LIFESTYLE

2026.09.07

川口春奈「生き様、人生、そして覚悟を見届けて」高杉真宙と届ける、家族の愛の物語

21歳でステージⅣの大腸がんと診断されながら、夫や家族への愛を胸に、24歳で旅立つまで懸命に生き抜いた遠藤和さん。その実話をもとにした映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日(金)に公開されます。お披露目試写会には、主演の川口春奈さん、高杉真宙さんをはじめ豪華キャストが集結。撮影を通して感じた“家族の愛”や、“誰かを思う時間”の大切さについて、率直な言葉で語りました。

心を揺さぶる“愛の実話”。『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』お披露目試写会舞台挨拶をレポート!

2018年、青森。21歳の遠藤和(えんどう のどか)さんに宣告されたのは、ステージⅣの大腸がんでした。夫・将一さん、そして生まれてくる子供への愛を胸に、24歳で旅立つまで全力で生き抜いたひとりの女性の実話が、映画となってこの秋公開。和さん自身が亡くなる10日前まで綴り続けた手記『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』を原作に、川口春奈さんと高杉真宙さんが、愛と優しさにあふれた夫婦を演じます。

10月2日(金)からの全国公開に先駆け、9月7日に都内でお披露目試写会が開催されました。上映前の舞台挨拶には主演の川口さん、高杉さんに加え、松本穂香さん、中島瑠菜さん、清水くるみさん、笠原秀幸さん、一ノ瀬颯さん、星野真里さん、森田望智さん、デビット伊東さん、小林聡美さん、山戸結希監督の12人が登壇。Vaundyによる主題歌“しわあわせ”とともに、ステージの幕が上がります。

「私の体で、和さんの生き様を表現できたら」(川口さん)

この日は、観客の前で作品を披露する初めての機会。川口さんは少し緊張も感じていると明かしながら、ようやく作品を届けられる喜びを語りました。

「この1年、撮影のときから本当にさまざまな思いがあったので、まず観ていただけること、ここまで来られたことに、感謝の気持ちでいっぱいです」(川口さん)

もともと、テレビ番組を通して和さんのことを知っていたという川口さん。映画への出演にあたり、原作や実際の映像を改めて見たほか、山戸監督とも作品を作る意味について話を重ねたそうです。

「監督の思いだったり、この映画を作る意義みたいなものにすごく共鳴しました。私の体で何か、のどかさんの生き様を表現できたらという思いで、やらせていただきました」(川口さん)

さらに、病気と向き合いながら、いくつもの大きな選択を重ねていく人生を演じたことで、川口さん自身も背中を押されたといいます。

「和さんご自身、そして夫婦、家族が悩んで、さまざまな決断に迫られて、それを選択して、覚悟を持って生き抜いていく。その強さに勇気づけられました。家族のパワーや強さも改めて感じましたし、自分自身を見つめ直して、自分と対話するきっかけをくれたというのも大きかったですね」(川口さん)

「共有している時間も、共有していない時間も大切」(高杉さん)

和さんを献身的に支える夫・将一さんを演じた高杉さん。

撮影現場での川口さんについて、全身全霊で役に向き合いながらも、常に周囲への気遣いを忘れない姿を振り返りました。

「(川口さんは)役として生きるすべての時間が、一番大変な役どころだと思うんです。だからこそ、キャスト陣もスタッフも含めて全員で最大限フォローしようと思っていたんですけど、それに関係なく、川口さん自身が多くの方に気を配って撮影されている姿を見て。そんな川口さんと一緒に、いい、素敵な作品を撮りたいという気持ちで撮影させていただきました」(高杉さん)

川口さんも、高杉さんをはじめとするキャストたちの存在に支えられていたそう。

「すごく穏やかで優しくて、常に気を遣ってくださって。現場のみんなが、どしっと見守ってくださっているような雰囲気だったので、すごく心強かったです」(川口さん)

そして本作は、高杉さんにとっても自身の価値観に変化をもたらした大切な一本になりました。

「“共有している時間”と“共有していない時間”、どちらも大切な時間なんだなと。“思うこと”によって変わってくる部分も、たくさんあると気づかせていただきました。みんな流れている時間は一緒。その中で、大切な人と一緒にいられなくても、思う時間というのを改めて考えて、生きていこうと思いました」(高杉さん)

父親役を演じたデビットさんは、思わず涙

「(デビットさんは)映画のなかでも涙もろいんです」と小林さん

和さんの両親を演じたのは、小林聡美さんとデビット伊東さん。小林さんは撮影前、和さんたちご家族の実際の映像を見て、その姿から強く感じたことがあったそうです。

「家族の姿が本当に、ひとつのチームとなって、チームワークよく生きている人たちという印象がすごく強くて。そういう家族に応援されながら、最後まで命を輝かせていた和さんは幸せだったんじゃないかなと思いました。そういう家族を描ければいいなと、チームの一員として頑張ろうと思いました」(小林さん)

一方のデビットさんは、当初、この大きな役を自分が演じきれるのか悩んだと明かします。

「今の自分にこの役ができるのかなと、すごく悩みました。何回も『もう無理かもしれない、降りよう』と思って。でも撮影で“家族”のみんなに会って、スタッフのみなさんに会ったときに…(声を詰まらせる)、『この家族のそばにいよう』と。単純にそう思いました」(デビットさん)

感極まって涙を浮かべるデビットさんの背中を、すかさずさする小林さんの姿も印象的でした。

そんな父親役について、川口さんは——。

「いくつになっても親って親だし、親にとって子供って子供。そこにはもう愛しかないというか。見守る愛もそうだし、心配だけど本人のことを尊重するのも愛だし。言葉がなくても、その存在で守ってくれているような気持ちになった撮影でした」(川口さん)

松本さん&中島さんは「家族、姉妹になれた」

松本穂香さんと中島瑠菜さんは、和さんの妹である遥さん、結花さんを演じました。撮影が始まってすぐ、三姉妹の空気感が自然と生まれていったそうです。

「最初は姉妹の仲のよさを出せるかなという不安もあったんですけど、撮影の序盤で、みんなでわちゃわちゃ朝の支度をするシーンを撮ったときに、自然と大丈夫だなって。すごく居心地のいい、幸せな空間、温度感が好きでした」(松本さん)

「お姉さんふたりが髪の毛を整えてくれるシーンがあるんですけど、そのときに『あ、私、妹だ!』ってすごく思わせてもらって。それからはもう、“お姉ちゃん”という気持ちでふたりのことをずっと見続けようって決まりました。家族、姉妹になれたなって。すごく心地のいい空間でした」(中島さん)

「もっとフェアリーに」監督の独特な演出エピソードも!?

和さんの友人・夏子を演じた清水くるみさんは、山戸監督について「紡ぐ言葉がすごく美しい」と絶賛。

「舞台裏でも『濁流のように涙が出る』という表現が飛び出したり、まるでシェイクスピアのようで。そして私が演じた役については、『もっとフェアリーに、フェアリーに!』『夏子は妖精さんなんで』と言われて(笑)」

ユニークな演出を振り返りつつ、「なるほどと思って、そのニュアンスを入れてやってみました」と清水さん。

笠原秀幸さんには、台本には書かれていなかった指示が。

「ある日現場に行ったら、メイクさんから『今日は顔を濡らすみたいだから、(笠原さんには)メイクをしないね』と言われて(笑)。監督からも、『笠原さんがここで顔を濡らします。そこはとてもキラキラしていて』と言われて臨んだシーンがあります。今日みなさんに第一発見者になっていただければと思います」(笠原さん)

一ノ瀬颯さんは、監督の言葉の掛け方そのものが印象に残ったと話します。

「僕たち俳優が不安にならないように、優しく優しく寄り添って言葉をくださったのがすごく印象に残っています。僕が演じた拓海については、『とにかくまずは、包み込んであげるような人でいてほしい』と言っていただきました。不器用ながらも一緒にいて、支えてあげる存在。恋人の遥が成長していく姿を近くで見ることで、彼自身も成長していきます」(一ノ瀬さん)

「いただいた役を通して、自分の人生が豊かになっていく」(星野さん)

和さんの担当医を演じたのは星野真里さん。自身も娘さんを通じてさまざまな医師と接してきた経験を振り返りつつ、役を演じて初めて“医師の側”に思いを馳せたといいます。

「あの病室で、あの言葉を先生はどんな思いで私たちに伝えたのかな、ということを改めて考えることがすごく多くて。今までは、(役者として)自分の私生活をいかに豊かにして、それをお芝居で伝えていこうと思っていたんですけど、逆に、いただいた役を通して自分の人生が豊かになっていくんだと今回実感しました」(星野さん)

和さんと同じく、がんと闘う女性・ひかりを演じた森田望智さんは、当初「バリバリのギャルの役」と聞き、役作りのために“ギャルカフェ”へ足を運んだそう。

「すごくギャルになってきた!と思って現場に行ったら、実際は全然ギャルの役じゃなくて(笑)。監督からは、『森田さんは歌うように話されるので、そういう感じでしゃべってください』と言われて。私の役作り、どこ行ったんだろうって(笑)。でも結果、私自身も大好きな、すごく素敵な役にしていただきました」(森田さん)

実際にがんの当事者にも取材しながら、役を作り上げていった森田さん。その出会いから受け取ったものも大きかったといいます。

「病気だからかわいそうなわけではまったくなくて。本当に自分次第で生き方はどうにでも変えられるんだなということを、この役に教えていただいたなと思っています」(森田さん)

印象に残ったシーンは「全部ですね」(川口さん)

舞台挨拶の終盤、撮影で印象に残っているシーンを聞かれた川口さん。返ってきた答えは、「全部ですね」。

「本当にすべてです。今思うと、なんて贅沢な時間の使い方だったんだろうと思います。映画を撮っている、撮影をしている、お芝居をしているという感じとはまたちょっと違って、本当に、気づいたらドキュメンタリーを撮られているような。そんな気持ちに毎日なっていたような気がします」(川口さん)

撮影は、物語の時系列に近い順番で進んでいったそう。高杉さんも、その時間そのものが役を作ってくれたと感じていました。

「本当にたくさんのシーンを覚えていて、『どれ(が印象に残っているか)』と言われると難しいんですけれど。彼女と出会ってからの人生をすごく濃く切り取っていただけたなと思っています。なので最初の出会いも、僕の中では印象に残っているかもしれませんね」(高杉さん)

山戸監督も、映画に込めた思いを力強く語りました。

「映画は、人が生きていくためにあるということを一緒に信じてくださるみなさんと、映画製作をさせていただける喜びをすごく感じていました。映画館が明るくなって、映画館を出たあとの人生のために、この映画がありえる。そんな未来があることを願っています」(監督)

最後に、これから作品を観る人たちへ、川口さんと高杉さんからメッセージが。

「僕にとって、本当にすごく大切な作品になりました。愛を伝えるっていうのはすごく簡単なことだと思うんですけど、なかなか行動に移せなかったり、できなかったりすることもたくさんある。その中で、和さんはその愛を形にして、こうして多くの方に届けてくださった。僕らもそれを受け取って、届けさせていただく機会をいただきました。届いた愛が改めて、(和さんの)ご家族や旦那さん、娘さんに届くことを願っています」(高杉さん)

そして川口さんは、演じた“のんちゃん”と、その家族の人生に思いを寄せました。

「のんちゃんのこの生き様というか、人生、そして覚悟を見届けていただきたいです。そこを本当に尊重して、献身的にサポートして、愛情で包み込んだ、本当に素晴らしいご家族の話だと思っています。ぜひ最後まで観ていただけたらうれしいです」(川口さん)

映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記

10月2日(金)全国公開
出演:川口春奈 高杉真宙
原作:遠藤和「ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記」(小学館刊)
監督:山戸結希
配給:東映
©遠藤和/小学館 ©2026「ママがもうこの世界にいなくても」製作委員会
映画公式ホームページ

撮影/杉原賢紀 取材・文/徳永留依子

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