視野を広げるノンフィクション4選
ある独特な視点から語られるディープな現実を見つめることで、逆に世界が広がることもある!

『発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ』 著/小倉ヒラク 角川文庫 ¥990(右上)
文化人類学と発酵学を学んだ著者が生物学・文化人類学・哲学・芸術などの領域を横断しながら、微生物と人間の繫がりを説いた一冊。「発酵カルチャーのバイブルである本書。微生物の働きを追っていく没入感、発酵を軸に次々と展開される世界中の風土と歴史。それらが著者のリズミカルな文章で体感でき、発酵大国・日本に生きる私たちの視野を深く広くしてくれます」(SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS・小島さん)
『渇愛 頂き女子りりちゃん』 著/宇都宮直子 小学館 ¥1,870(左上)
総額約1億5000万円の詐欺罪などで逮捕された〝頂き女子りりちゃん〟こと、渡邊真衣受刑者(当時被告)に迫ったノンフィクション。「面会や手紙で何度もやりとりを重ねた著者は、周囲から『被告に入れ込みすぎでは』と注意されるほど近い距離で頻繁に交流。被告の周辺の人間や被害者に会い、取材したことで見えてきた事件の全貌に、SNSやニュースだけでは知ることのできない確かな重みを感じます」(くまざわ書店西新井店・塩さん)
『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』 著/二宮敦人 新潮文庫 ¥781(中央)
入試倍率は東大の約3倍ともいわれ、天才の集まりとされる東京藝術大学。受験で肩を壊す/四十時間描きつづける/躍る打楽器奏者/卒業後は行方不明者多発… その未知なる生態に迫った、潜入インタビューをまとめたエッセイ。「独特すぎる学生生活や、芸術と真剣に向き合う人々の日常に迫る探訪記です。美術や音楽の知識がなくても楽しく読めて、自分の知らない世界の広さに驚かされます」(BUNKITSU TOKYO・牧野さん)
『「ダメ女」たちの人生を変えた奇跡の料理教室』 著/キャスリーン・フリン 訳/村井理子 新潮文庫 ¥880(右下)
38歳で名門料理学校を卒業した著者。年齢も職業もバラバラだが、〝料理が苦手〟という共通点がある10人の女性を集めて開いた無料料理教室の記録。「料理教室に参加した人はなぜ料理が苦手なのか、それぞれが抱える問題は十人十色。遅咲きの料理人である講師・キャスリーンの『失敗したっていい、変わるのに遅すぎることはない』という力強い言葉に励まされること間違いなし」(ジュンク堂書店池袋本店・市川さん)
旅気分を味わえる本4選
いつでも、どこでも本を開けば脳内トリップで非日常を体験できる!

『Bite! The World 上白石萌音と世界をガブリ!』 著/上白石萌音 集英社 ¥2,420(上)
著者が東京を中心とした世界各地の本格料理店を巡り、28の国と地域の料理を味わい尽くしたフォトエッセイ集。「今すぐ海外に行って、美味しいものをたらふく食べたい! でも時間がない!! そんな私たちの救世主になるのがこの一冊です。こんなにも美味しそうで美しい世界の料理の数々が、都内で食べられるなんて! 上白石萌音さんのキュートな写真も魅力的なグルメガイドです」(ジュンク堂書店池袋本店・市川さん)
『おさまる家 井田千秋 作品集』 著/井田千秋 実業之日本社 ¥2,750(中央)
緻密で温かみのある描写で、国内外にファンがいるイラストレーターの著者。創作の原点でもある同人作品7本に加え、描き下ろし漫画やエッセイ、作品解説などを加えた初作品集。「井田千秋さんの部屋や生活をモチーフとした作品集で、ページをめくるたび、物語の中の家を旅しているような気分に。インテリアの工夫も紹介されており、眺め慣れた自分の部屋を模様替えしたくなります」(BUNKITSU TOKYO・牧野さん)
『どこでもいいからどこかへ行きたい』 著/pha 幻冬舎文庫 ¥759(下)
元・ニートの著者が、突発的な旅や移動を通じて得た人生観をつづったエッセイ。「いつも家でしていることを違う場所でしてみる、散歩中に普段と違う歩き方をしてみる…。〝放浪欲〟に身を任せ、長い移動をぼんやり過ごすphaさんの旅に並走していると、日常という固定された風景から少しずつ自分が解放されていきます。心身を遠くに飛ばすヒントをくれる一冊」(SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS・小島さん)

『女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ』著/古内一絵 中央公論新社 ¥1,870
前作で完結した人気シリーズが、物語の舞台である夜食カフェ『マカン・マラン』のオープン10周年を記念して新刊を発売。今回は主人公たちが台湾へ旅立つ! 「この本を携えて今すぐ台湾に行きたい! 美味しいごはんと美しい景色が満載で、家にいながら旅の醍醐味を味わえます。凝り固まった考えがほぐれていくような心地よさもあり、シリーズものですが今作だけでも楽しめます」(くまざわ書店西新井店・塩さん)
Book Column:アルゴリズムに頼らないコミュニティ発のおすすめ本
情報過多な今、本探しも信頼できる人がすすめるものを求める傾向があります。書店のPOPや本好きのためのアプリ『Reads』のコミュニティ内で本を探す人も。「私は作家や編集者の方が本の感想を語り合うPodcastで本を見つけることも」(くまざわ書店西新井店・塩さん)
2026年Oggi9月号「働く私たちのための読書ナビ!」より
撮影/よねくらりょう 構成/宮田典子
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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