言葉をじっくり堪能できる歌集3選
本は読みたい… でも1冊を読み切る気力と時間はない。そんなときこそ、歌集で言葉そのものを楽しんで!

『うたわない女はいない』 著/働く三十六歌仙 中央公論新社 ¥1,980(右)
参加しているのは会社員、パート、教師、エッセイストなどさまざまな職種に就く36人の女性歌人。働くことをテーマにつづった労働短歌&エッセイ集。「性別は関係なく、働くのは本当に大変なことの連続ですが、それでもやっぱり『私が女性だからこうなのかなあ』と思ってしまうことがある。みんなも奮闘しながら働いているんだ、と元気が湧いてくる一冊です。明日も働くためのお守りにどうぞ!」(ジュンク堂書店池袋本店・市川さん)
『気がする朝』 著/伊藤 紺 ナナロク社 ¥1,870(中央)
日常の見過ごされがちな一瞬を、著者らしい視点で切り取った102首を収録。自分だけの満足感を大切にしたくなる歌集。「伊藤 紺さんの短歌に触れると、心の中に、元気の種が静かに生まれる気がします。31音の文字の根底に流れる確かな『いのち』、『わたし』の肯定。そんな一首は心の支えにもなります。ふと手に取りたくなる、洗練されたブックデザインも魅力の一冊」(SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS・小島さん)
『水上バス浅草行き』 著/岡本真帆 ナナロク社 ¥1,870(左)
’22年に発表した著者の第一歌集で、現代短歌ブームを牽引する一冊。あとがきに収められた、この歌集のタイトル秘話も必読。「今は物語には入り込めないけれど、良き言葉たちを浴びたい。そんなときは歌集が一番です。私は部屋の至る所にいろんな歌集を置いていますが、最も好きな作品! たった31音の中に、主人公が・生活が・人生が見えてきて、世界が広がります」(紀伊國屋書店イトーヨーカドー木場店・宮澤さん)
お疲れモードなときに読みたい本4選
考え事で頭がいっぱいのときこそ、スマホは置いて読書の時間で心をリセットして♡

『私の孤独な日曜日』 編/月と文社 月と文社 ¥1,980(上)
『休日、とりわけ日曜日のひとり時間、何をして過ごしますか?』という問いを起点につづられたエッセイ集。書き手は、編集部が見つけた書くことが好きな一般人。飾らない日常が愛おしい。「明日からまた仕事か… と憂うつになりがちな日曜日。無理して出かける気にもならない昼下がりのお供にどうぞ。SNSに上げられないような、映えない休日でもいいじゃん! と思える、緩やかな連帯感のあるエッセイ集です」(ジュンク堂書店池袋本店・市川さん)
『ペンション・ワケアッテ』 著/八木沢里志 ポプラ社 ¥1,980(中央)
那須の山奥で訳あり夫婦が営む宿を舞台に、挫折や孤独を抱えて逃げ込むように宿泊する客たちとの温かな交流を描いた小説。「大自然の静けさの中、オーナー夫婦の生き方やシンプルな言葉が染み入るように心に流れ込んできます。息の詰まるような現実から逃げるようにしてやってきた宿泊客も、気がつけば肩の力を抜いて本来の力を取り戻していきます。昨日までと何も変わらない日常も優しく輝いて見えてくるようです」(くまざわ書店西新井店・塩さん)
『ペンギンハケン!そのお悩み、人鳥派遣会社にお任せください』 著/横田アサヒ イラスト/きゅう KADOKAWA ¥880(下)
前の会社を理不尽にクビになった陽ひ依よりの前に、突如現れた言葉を話す3羽のペンギン。彼らが営む派遣会社で働くことになった彼女は、さまざまな依頼を受ける中で心を回復させていく。「これは癒やし度MAXのお仕事小説です。自分たち(ペンギン)で『人鳥派遣会社』なるものを設立した3羽と、そこで雇われる陽依(ニンゲン)の物語。仕事もできて頼りがいのある上司がペンギンって、最高すぎませんか?」(未来屋書店碑文谷店・福原さん)

『明日、あたらしい歌をうたう』 著/角田光代 水鈴社 ¥1,870
孤独だった少女時代に音楽で救われた母〝くすか〟と、写真の中のカリスマミュージシャンを父親だと教わり信じて育った息子〝新〟。父親の真実を巡る、親子の葛藤と成長を描いた家族の物語。「角田光代さんの作品は昔から大好きですが、こんなにさわやかな気持ちで何度も読み返したい作品は初めてです! 角田さんの瑞々しい文章が、疲れた心にスーッとしみ入るようです」(紀伊國屋書店イトーヨーカドー木場店・宮澤さん)
Book Column:Oggi世代にも人気が波及! 若手歌人の台頭で今、「短歌本」が熱い
SNSなど発信の場が増え、若手歌人の人気が加速中。歌集を多く出版するナナロク社の岩永咲耶子さんによると、「短歌との出合いがより身近になったことは確かです。歌集には美しい造本・装丁が多く〝紙の本〟として手元に置きたくなる魅力も」とのこと。
2026年Oggi9月号「働く私たちのための読書ナビ!」より
撮影/よねくらりょう 構成/宮田典子
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
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