朝ドラ『風、薫る』1週間の見どころと感想をレポ
朝ドラ『風、薫る』、ご覧になられてますか? 明治時代の日本で看護の道を切り拓いた、一ノ瀬りんと大家直美の物語。見上愛さん、上坂樹里さんのダブル主演です。
朝ドラ大好きOggiチームきってのNHK「連続テレビ小説」ウォッチャー、ライター・朝 ドラ子が、毎週グッときたポイントを自由きままに語りたいと思います!
先週のレビューはこちら:恋する男たちの明暗! あの人気〝恋リア〟がデジャブ!?|『風、薫る』第21週
第20週「定めと選択」を振り返ります
吾郎と結婚し、幸せな新婚生活を過ごす直美。そして、ずいぶん時間がかかったけど、ついにお互いの想いを確かめ合ったりん&シマケン。りんとの将来を考えて、シマケンは小説の執筆にすべてを賭け、りんはそんな彼を支えますが…。「夢追い人と、支える恋人」のシチュエーションって、どこか悲劇の予感がしませんか?

筆、折れる。シマケンの天国と地獄
シマケンの小説がついに新聞連載決定!! …と思ったら、編集部のさじ加減でその話はなかったことになってしまいました。いよいよ夢が叶う!と大喜びしたのも束の間、まさに天国と地獄。
編集長に食いさがるも、「君の小説には強さがない」とはっきりダメ出しされてしまい、シマケン意気消沈。編集長がシマケンを買ってくれていたのは確かなのだけど、それは小説の才能ではなくて、彼のひたむきさや書評のスキルへの評価だったわけで。故意ではないにしろ、小説の掲載をチラつかせて、シマケンをいいように使っていたようにも見える。つらい。
いや心折れてる場合か! 何十社でも持ち込みしなさいよシマケン! 自ら輝ける場所を掴みに行けシマケン!!…と、ドラ子の野次も止まりませんが、う〜ん、でもこういう方向転換ができないのが彼の限界でもあるのかもしれません。筆を折る決意をした彼に、「シマケンさんが何者でもなくても、私にとってはただいとおしい人です」と寄り添うりん。しかし…。
出た! 朝ドラ名物「借金作って出奔男」
畳み掛けるように、シマケンにさらに試練が。なんと、地元・浜松で家業を継いだ兄が、事業に失敗して失踪したというではないですか。で、出た〜! 朝ドラ名物・借金作って出奔男! 母も寝込んでしまい、義姉に「浜松に帰ってきて欲しい」と頼まれるシマケン。これは小説書いてる場合ではない。
そもそもシマケンが夢を追求できたのは、実家がそこそこ裕福で、次男だから家業を継ぐ必要もなくて…という環境に恵まれたから、という側面もあります。生きるためにできることを必死にやってきたりん&直美とは対照的です。でも、そんな環境が反転するのはいつも突然。人生ってままならない…。しかし心折れたタイミングゆえに、シマケンもこの運命を受け入れたように思います。
なんやかんやシマケンは実家のことも大切なのでしょう。唐突に甥っ子(失踪した兄の子ですね)が変顔するシーンがまた効くんです。小さな子どもが、あえておちゃらけて大人たちの不穏なムードを和ませようとしている。甥っ子のそんな姿を見たら、シマケンも浜松に行くしかなくなっちゃうよ。
実家のあとしまつには、りんを巻き込めない。シマケンは核心を伏せて、彼女に「さよなら」を告げるのでした。本当のこと言えばいいのに! りんはきっと、一緒に悩み苦しみたかったと思うぞ。しかし、今となってはりんが「持ってる側」。患者を救う使命と責任があり、看護の才能もある。それを邪魔することは、シマケンにはどうしてもできませんでした。そして2年の時が過ぎ…。えっ!? シマケンさん退場してあっという間に2年!?
いや〜いつか、すべての後始末を終えたシマケンが遅咲きの小説家デビューを飾ってさ、りんが本屋で彼の作品を見かけて涙…みたいな展開あります? 夢破れても心折れても、やり直せるって証明してほしい!
忍び寄る戦争の影。こっちも退場フラグが立ちまくりなんですが
そんなこんなで2年の時が過ぎ、歴史上では日清戦争のころに差し掛かり、気づけば戦争ムードに染まりつつある日本。直美の夫・吾郎は軍人であり、出征の気配が忍び寄ります。今週頭に直美が言っていた「吾郎さんが軍人でよかった」がフラグにしか感じられない。これ、「吾郎さんが軍人じゃなければよかったのに…」ってなるやつでは!?とただただ不安です。また吾郎がよく口ずさむ歌が“埴生の宿”ってのも気になって仕方ありません。映画『火垂るの墓』で流れるイメージが強すぎる。
りんの幼馴染・虎太郎も自ら志願して朝鮮へ。そして看護学校の同期・多江は広島の陸軍病院へ…。
太田光さん演じる新キャラ・平蔵さんの言葉も重いです。直美の担当患者で、戊辰戦争の生き残りの男性。「生き残るんだったら、手柄なんかたてようとせず、じっとしてるのが一番だ。死んじまったら意味もねえ」。
頼む、みんな生きてくれー!
次週は「明るい未来」。前向きなサブタイがかえって不穏さを増す!
次週予告でも吾郎退場フラグがすさまじく、ここからさらなる「激動の時代」を迎えそうな物語。ドレスを着替え、何やら看護に取り組む捨松さまの姿も気になります。そして、直美に新しい命誕生の予感? 孤児だった彼女が母になる、その心の動きにも注目したいところです。
「朝ドラウォッチャー」ライター・朝 ドラ子
NHK「連続テレビ小説」(通称・朝ドラ)をこよなく愛するアラフォー。毎日退勤後にNHK ONEでじっくり観るのが日課。会議でのアツい朝ドラコメントが「天才的なウォッチャー」と編集長に認められ、この連載を開始。歴代ナンバーワン朝ドラは『スカーレット』(2019年度後期放送)。『ひよっこ』再放送にもワクワク!



