異国情緒を感じる温泉宿で、地獄パワーにふれる
長崎県島原半島に位置し、「温泉」と書いて「うんぜん」と読まれていた歴史を持つ雲仙温泉。そんな雲仙温泉に位置する「雲仙地獄」は、水蒸気を含む火山ガスがいたるところで激しく白い煙を上げている噴気地帯で、周囲は硫黄の香りに包まれ、まさに恐ろしげな地獄の景色そのものといえるスポットです。

雲仙地獄に面し、立ち込める噴気や湯気が漂う温泉宿が「界 雲仙」です。標高700mの場所に構え、避暑地としても定評があります。
また、日本が鎖国していた時代に海外諸国と歴史的なつながりを持つ長崎ならではの、和(日本)、華(中国)、蘭(オランダ)の要素が混ざり合った文化に触れられるのも特徴のひとつ。今回は「界 雲仙」の見どころをたっぷり紹介します。

硫黄の香る湯けむりに包まれる「温泉」
界 雲仙の泉質は「酸性、含鉄(Ⅱ、Ⅲ)-単純温泉」で、源泉は雲仙地獄から湧き出た鉄と硫黄分を含む酸性の温泉で濁った色味が特徴です。大浴場は別棟の湯小屋にあるので、大浴場に向かうまでにも立ち込める噴気や湯気が漂う雲仙地獄のパワーを感じられます。
内風呂は、源泉かけ流しの「あつ湯」と、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」の2種類を完備。色鮮やかなステンドグラスから色とりどりの光が湯面や内風呂全体に映り込み、その美しさにうっとりすること間違いなし。特に朝日が差し込む時間帯は必見です。

露天風呂からは地獄の湯けむりを眺めることができる岩風呂式で、飾り気のない自然を満喫できるのが魅力。
界 雲仙の温泉は長湯をすると体が疲れてしまうため、時間を空け、一日に1~2 回の入浴に留めることを推奨しています。入浴後には、真湯で温泉成分を洗い流す「上がり湯」を行い、保湿することが、湯あたりや湯ただれを防いで肌のうるおいをキープする秘訣です。

異国情緒を感じられる客室「和華蘭の間」
界では、地域の文化に触れられる「ご当地部屋」に宿泊できるのも特筆すべきポイント。界 雲仙の全51室の客室は、いずれもご当地部屋「和華蘭の間」です。

和華蘭の間では、オランダから伝わった硝子工芸品のステンドグラスをモチーフにし、赤や青の色合いを日本文化である和紙を使って表現したスタンドライトや、長崎の焼き物である「波佐見焼き」、長崎の色彩豊かな土人形「古賀人形」といった長崎の文化である和華蘭(*1)の要素が取り入れられています。
*1 日本を「和」、中華を「華」、オランダやポルトガルを「蘭」と表現し、それらをあわせた長崎独自の文化のこと


湯浴みを心ゆくまで堪能したい方には、滞在スペースの半分以上を露天風呂が占める「客室付き露天風呂」という選択肢も。客室内のリビングルームを取り払い、入浴と休息に集中できるよう、露天風呂とベッドルームの境界に「湯上がり処」が設けられています。

開かれた景色に向かって置かれた湯上がりチェアでじっくり寛げるのもポイントです。目の前の地獄から湯けむりを感じることのできる露天風呂を堪能し、湯上がり処で外の景色を眺めながらのんびりと過ごす、至福のひとときを。

長崎の食材と、異国情緒を感じる「会席料理」
界の夕食は、会席料理で提供されるスタイルです。落ち着いて過ごせる半個室の食事処でいただけるのもポイント。

界 雲仙の夕食の始まりは、和華蘭文化の1つである卓袱(しっぽく)料理(*2)に欠かせない「豚角煮」をリエットにした先付です。雲仙温泉の名物である水の代わりに温泉水を使用して焼いた「湯せんぺい(*3)」にリエットをつけ、食感も楽しめる逸品。

酢の物・八寸・お造りを一緒に盛り合わせた「宝楽盛り」では、卓袱料理の丸い円卓をイメージした鮮やかな朱色の器で提供します。

会席料理のメインの台の物は、正月の雑煮で使用するなど長崎県で親しまれている〝あご〟を使用した「あご出汁しゃぶしゃぶ」。上品な旨味を感じるあご出汁に河豚や豚肉をくぐらせ、出汁とともに味わいます。柚子の香りと砂糖の甘さが特徴的な「ゆべし(*4)」を途中で加え、出汁のアクセントとするのもおすすめです。
鍋料理の締めには、五島うどんを。最後の一滴まであご出汁を堪能できます。
*2 和華蘭文化を反映した長崎発祥の宴会料理。大皿に盛られたコース料理を円卓に乗せ、その円卓を囲んで味わう料理が特徴
*3 小麦粉、卵、砂糖、温泉水を生地に練り込み焼き上げる、雲仙を代表するお菓子のひとつ
*4 柚子の皮に醤油、砂糖、胡椒などを加えて煮込んだ調味料

朝食でいただけるのは、島原半地方の郷土料理「具雑煮」をメインにした和食膳。具雑煮は、あご出汁にかまぼこや野菜、そして丸餅が入った鍋料理です。天草四郎が兵士たちに振る舞い、栄養を取りながら長い間戦をしたといわれています。

文字を刷ることの楽しさや奥深さを味わえる「活版印刷体験」
界では、伝統工芸、芸能、食などを満喫できるおもてなしを通してそれぞれの地域の特徴的な魅力を楽しむ「ご当地楽」を実施しています。
界 雲仙のご当地楽は、凹凸の魅力を感じる活版印刷体験です。4人の天正遣欧少年使節により長崎県島原半島にヨーロッパから運び込まれた活版印刷のルーツを学んだあとに、さまざまな書体のアルファベットやひらがな、漢字の活字を選び、丁寧に配置していきます。

最後には、活版印刷機を使ってカードに文字を転写。印刷の力加減によって文字の擦れが出るなど、自身の手で印刷する奥深さを体験できる貴重な機会です。


活版印刷に特化した空間にも注目。壁には「雲仙」や「和華蘭」などの大きな活字のモチーフや本物の活字がデザインされ、活版印刷独特の活字を堪能できます。

熱気や硫黄の香りを感じながら体を動かす新感覚のアクティビティ
温泉に食事に、存分に癒やされた翌朝には、澄んだ空気の中で雲仙地獄を1周する「雲仙地獄パワーウォーク」に参加してみてはいかがでしょう。専用の作務衣に着替え、足袋を履き、深い呼吸を意識しながら、普段よりも早足で全身を使ってウォーキングを行い、使い立ち込める噴気や湯気を全身で感じられる体験です。
参加者全員で地獄の鬼になりきって声を出しながら進むなど、各ポイントで体がほぐれるエクササイズを行います。足袋を履くことにより、ウォーキング中は足から地獄の地熱を直接感じることができるのが魅力。

ウォーキングの最後には「旧八万地獄」にある広場で寝転がり、体を整えるストレッチを実施します。「旧八万地獄」は現在、地獄の噴出活動を休止している地獄ですが、地熱は残っており、地面を触ると熱く、大地のエネルギーを感じることできる場所です。雲仙地獄の大地のエネルギーやパワーをたっぷり感じたら、活力がみなぎってくる予感。
贅沢に涼をとる「夕涼みテラス」が期間限定で登場
標高約700メートルに位置しているおかげで、夏の平均気温が21〜23度ほどと、長崎市内の平均気温と比較すると約-7度もの差がある雲仙温泉。「知られざる夏の聖地」として根強い人気を誇ります。
そんな雲仙温泉に構える界 雲仙では、涼やかな高地の風を活かし、夕暮れ時の涼を楽しむ「夕涼みテラス」を期間限定で展開中。クラシカルな天幕のもと、ステンドグラスを用いた色鮮やかな風鈴の音色が涼やかさを後押しします。

テラス目の前に広がる水辺に設置された、長崎の伝統工芸品「長崎ハタ」をモチーフにした行灯にも注目です。

また、明治から昭和初期にかけて雲仙で親しまれたレモネードから着想を得た「レモネードクリームソーダ」の提供も。島原の清らかな天然水と地元産のグリーンレモン果汁を使用したレモネードに、ステンドグラスを彷彿とさせる、光を受けてきらめく色とりどりのゼリーをオン。軽やかなヨーグルトアイスをのせ、爽やかでさっぱりとした味わいに仕上げています。レトロな仕上がりで見た目もかわいらしい一杯です。

山から吹き下ろす自然の涼風とともに、カラフルな光と涼やかな音色が響き渡るテラスは、日常を忘れさせる特別な空間に。刻々と移ろう夕闇の中で、雲仙ならではの歴史と風土に触れる贅沢なひとときを堪能してみてはいかがでしょう。
【「夕涼みテラス」概要】
・期間:2026年9月30日まで
・時間:16:00~19:30
・料金:夕涼みテラスは無料、レモネードクリームソーダ 1,200円(税込)
・場所:夕涼みテラス
・定員:なし
・予約:不要
・備考:宿泊者限定
さらに、夕食後の夜が深まる時間には、トラベルライブラリーがレトロで幻想的なラウンジへと様変わり。世界文化遺産「大浦天主堂」の修復過程で生まれたガラスの端材を活用した万華鏡の光が空間を華やかに彩ります。夏の期間は、万華鏡の光が青を基調とした清涼感たっぷりの色合いに。

滞在を通して、異国情緒あふれた華やかな文化や、大地のエネルギーに触れられる「界 雲仙」。心身ともにほぐし、パワーチャージしたいときにおすすめです。
Oggi編集部
「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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