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LIFESTYLE

2026.03.21

発火事故が急増中!「モバイルバッテリー」の安全な選び方と使い方

モバイルバッテリーは「買ったらずっと使えるもの」ではなく、買うときから、使うとき、捨てるときにも注意が必要! 正しい選び方や使い方を学んで、安全に使いましょう。

改めて確認したいモバイルバッテリーの選び方と安全な使い方

最近、発火や爆発の事故が多発しているのはなぜ? これまでとは異なるタイプの製品も続々登場しているモバイルバッテリーについて、エレコム 商品開発部の田邉明寛さんに伺いました。

モバイルバッテリーについて教えてくれるのは…

エレコム 商品開発部の田邉明寛さん

エレコム 商品開発部・田邉明寛さん
たなべ・あきひろ/エレコム商品開発部コンダクション課所属。2011年の入社後、国内外問わず通電品・非通電品の幅広い製品カテゴリーでデザイン・企画・戦略立案に従事。’25年、世界初となるナトリウムイオン電池を採用したモバイルバッテリーを開発し、国内のさまざまな賞を受賞。

近年、増加する発火事故背景にあるのは?

Oggi編集部(以下):最近、モバイルバッテリーの発火事故がよくニュースになってますよね。都内で起きたマンション火災や、地下鉄、新幹線、航空機など乗り物での事故も…。

田邉さん(以下敬称略):実際、事故件数は年々増えています。スマートフォンが急速に普及し始めたのが2010年ごろ。同時にモバイルバッテリーを持つ人も一気に増えました。それから15年ほど経った今、当時の製品が劣化して大量に残っていることが、事故増加の背景にあります。また、バッテリーは熱に弱いので、近年の猛暑によって、特に夏場の事故が起きやすくなっているんです。

Oggi:猛暑も一因なんですね。そもそも、古くなったり暑いところに置いたりすると、どうして事故に?

田邉:現在流通しているほとんどのモバイルバッテリーは、リチウムイオン電池が使われています。内部では電気を通す〝電解質〟が液体状になっていて、セパレーターで仕切られた正極(プラス)と負極(マイナス)の間をイオンが行き来することで、電気をためたり取り出したりできる構造です。でもモバイルバッテリーが落下して衝撃を受けたり、高温の場所に放置されたりすると、セパレーターが破れたり縮んだりすることも。すると正極と負極の境界が決壊して電流が一気に流れ、発熱を制御できない〝熱暴走〟と呼ばれる現象が発生。数秒で600℃以上に達することもあり、発火・爆発の危険があるんです。

Oggi:わずか数秒で!?

田邉:充電回数を重ねて劣化し、内部にダメージが蓄積した古いバッテリーほど、事故の危険が高まります。さらに、モバイルバッテリーを充電0%のまま放置するのも実は危険です。過放電といわれる状態で、電池の中のリチウムが変質して針のような結晶に育っていき、やはりセパレーターを突き破ってしまうので。使っていないバッテリーも半年に一度くらいは、8割程度まで充電しておくことを推奨しています。

Oggi:我が家のクローゼットの奥にも、大昔に買ったバッテリーが0%のまま眠っています。使わないときは、充電をゼロにしておいたほうがいいと、思い込んでいました…。

田邉:モバイルバッテリーって、極端にいえば生鮮食品みたいなもの。使っても使わなくても、時間が経てば少しずつ劣化していく消耗品なんです。基本は2年を目安に買い替えることをおすすめします。

Oggi:2年!? もっと長く使えると思っていました。私たちがすでに持っているモバイルバッテリーの中で、危険性が高いものを見極める方法はありますか?

田邉:まず、メーカーからのリコール対象になっているものは、すぐに使用を中止してメーカーに返品しましょう。それ以外で最もわかりやすいサインが、バッテリーの膨張。内部でガスが発生している状態で、放置するとホタテ貝のようにパカッと開いて、衝撃などが加わると爆発に至る恐れが。即使用を中止してください。見た目が無事でも、購入から長年経つもの、発熱しやすくなったもの、「最近、なんだか充電に時間がかかるな」と感じるものは要注意です。

モバイルバッテリーの事故が急増中!

モバイルバッテリーの事故
提供/NITE

NITE(製品評価技術基盤機構)に報告されている事故の発生件数は、2015年以降の10年間で約7倍に。特にコロナ禍が収束したここ数年は、外出や旅行の増加、災害への備えとしての需要拡大に加え、安価で低品質な製品が出回るようになったことで増加傾向。持ち主の手を離れた後にごみ収集車や処理施設などで事故が起こるケースや、自宅で就寝中の充電時の発火事故も少なくない。

モバイルバッテリーの事故発生件数

モバイルバッテリーの事故発生件数

リチウムイオン電池はこんな仕組み

リチウムイオン電池の仕組み

電気をためる正極と負極がセパレーターで仕切られ、電解質の中でイオンが負極に移動すると充電、正極に移動すると放電される。1980年代から国内で研究が進み、’90年代に製品化。生活を変える画期的な製品として普及した。

新しく買う際の注意点とチェックするポイントは?

Oggi:新たに、モバイルバッテリーを買うときは、何を基準に選べばいいでしょうか?

田邉:第一に、表示義務のある安全認証PSEマークがあるかどうか。日本では、このマークがない製品は販売できないルールです。次に、極端に安価なものは避けること。検品ではじかれた電池や低品質な電池が使われていたり、安全装置に不備があるケースもあります。10000mAhで2000円台の商品などは、正直かなり怪しいです。

Oggi:安全性は価格とは引き換えにできないですもんね。

田邉:そのとおりです。購入場所としては、出品時に安全性レポートの提出が求められているAmazonなどの大手ECサイトや、家電量販店が無難。海外の格安通販サイトなどで扱っている製品は、偽のPSEマークが表示されていたり、トラブル時に連絡が取れなかったりするケースもあり、おすすめできません。中には問題のある製品を扱っていても、リコールすらかけない悪質なメーカーも…。

Oggi:それは恐ろしいですね。使用時の注意点は?

田邉:いちばん気をつけてほしいのは、高温。直射日光の当たる窓際、暖房に近い場所、閉じたバッグの中に入れっぱなし、暑い日に車内に放置… どれも危険です。就寝中に枕元で充電する人も多いですが、何かあったとき、大変危険なのでおすすめできません。100%の状態で充電し続けるのも、電池に負担がかかります。目に見える場所で充電し、終わったらすぐ外す。これが基本です。あわせて、落下などの衝撃を与えないように注意しましょう。

Oggi:最近、飛行機に持ち込む際のルールが変わったと聞きました。移動時の注意点は?

田邉:飛行機には容量160Wh(43243mAh)以下のものしか持ち込めず、預け入れの荷物には入れられません。さらに昨年7月からは、国土交通省によって「収納棚に収納しない」「充電は常に状態が確認できる場所で行う」というルールが追加されました。各航空会社も容量や個数の制限など独自のガイドラインを打ち出しています。モバイルバッテリーの事故は国際的にも増えていて、国によってもルールが異なるので、旅の前に確認を。現状、新幹線ではルールは定められていませんが、収納棚ではなく、いつでも目が届く場所に!

Oggi:トランク内で発火、なんてことになったら怖いですもんね。

田邉:実は、リチウムイオン電池が使われているのはモバイルバッテリーだけではありません。スマートフォンやスマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンなど、身の回りの小型家電の多くに使われています。どれもモバイルバッテリーと同じように、落下や高温、長期間の放置によって発火・破裂するリスクがあるので、取り扱いには十分気をつけてほしいです。特に、近年よく見かけるハンディファンは、リコール対象のものも出てきており、安価なものは要注意です。

Oggi:リチウムイオン電池を使ったものって、身近にたくさんあるんですね。モバイルバッテリーを捨てるときは、どうすれば…?

田邉:一般の不燃ゴミに出すのは絶対にやめてください。ごみ収集車や処理施設での火災事故が多発していて、捨て方しだいで大事故につながることも。主な処分方法は、家電量販店や自治体の施設に設置されている回収ボックスに入れること。多くが電池を安全に回収・再資源化する団体JBRCによって運営されています。ホコリや水分が入ってショートするのを防ぐために、充電をできるだけゼロにして、差込口をテープでふさいで。絶縁テープが理想ですが、なければセロハンテープで構いません。膨張したものは回収ボックスには出せないので、自治体やメーカーに適切な処理方法を問い合わせてください。

Oggi:身近な製品ですが、思っていた以上に取り扱いに注意が必要ということがわかりました。

田邉:実は近年、リチウムイオン電池に代わる、より安全な電池も、どんどん開発されています。発火しにくく、EV車にも活用されているリン酸鉄リチウムイオン電池、レアメタルを使わないため環境に優しく寒冷地でも使えるナトリウムイオン電池、電解質をゲル状にした半固体電池、さらに固体にした全固体電池などなど。これらを使用した製品はまだ価格は高めですが、普及に伴って、今後はリーズナブルになっていくでしょう。ただし、いちばん安全とされる全固体電池は、まずは車やロボット、宇宙産業などの分野で使われていく見込みで、モバイルバッテリーに使われるのはまだ先になりそうです。

Oggi:安全な電池が普及して、事故も減っていくといいですね。最後に、モバイルバッテリーを利用する機会も多いOggi読者にメッセージをお願いします。

田邉:使っていないモバイルバッテリーは、この機会に思いきって買い替えてほしいですね。電池の技術はここ数年で大きく進化。最新モデルは安全性が高まっているだけではなく、より小さく軽く、充電時間も短くなっています。

Oggi:毎日の生活になくてはならないものだからこそ、安全安心に使いたいですよね。家で眠っているバッテリーを確認してみます!

ココに注意! モバイルバッテリーの安全な使い方

・直射日光が当たる場所や車の中など暑い場所に放置しない
・落とすなど強い衝撃を与えない
・充電するときは目の届くところで
・2年を目安に買い替えを検討する
・充電ゼロの状態で半年以上放置しない
・膨張などの異常を発見したらすぐに使用を中止

安全性の高い新製品も続々登場!

世界初! 人にも地球にも優しいナトリウムイオン電池を採用

エレコム ナトリウムイオンモバイルバッテリー DE-C55L-9000 ¥9,980(編集部調べ)

エレコム ナトリウムイオンモバイルバッテリー DE-C55L-9000 ¥9,980(編集部調べ)

環境に優しい素材で熱暴走しにくく、雪山から砂漠まで幅広い温度で使用可能。一般的なリチウムイオン電池の約10倍=約5000回の充放電ができる長寿命型。

EV車で安全性は実証済み! リン酸鉄リチウムイオン電池

グリーンハウス モバイルバッテリー10000mAh リン酸鉄 GH-LFMBPA100シリーズ ¥5,380(編集部調べ)

グリーンハウス モバイルバッテリー10000mAh リン酸鉄 GH-LFMBPA100シリーズ ¥5,380(編集部調べ)

発火リスクが低いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、約2000回充電可能。スマートフォンなどを最大3台同時に充電できる。1%刻みの残量表示付き。

今後いちばん普及しそう…!? 半固体電池のモバイルバッテリー

マクセル 半固体電池採用モバイル充電バッテリー MPC-CSSB10000 ¥4,980(編集部調べ)

マクセル 半固体電池採用モバイル充電バッテリー MPC-CSSB10000 ¥4,980(編集部調べ)

電解液を約50%削減し、発火リスクを軽減。10,000mAhでスマートフォン約2回分を充電でき、充電回数は約2000回。Type-CとUSB-Aの両出力に対応。

覚えておきたいキーワード

1.過放電

電池の容量が0%を表示している状態から、さらにエネルギーを取り出そうと放電してしまう状態のこと。長く続くと電極が傷んで金属リチウムの結晶が発生しやすくなり、発熱などのトラブルを起こす原因になる。

2.リコール

製品に欠陥や不具合があり、メーカーなどの企業が修理・回収・交換などの対応を行うこと。持っている製品が対象になっていないか、メーカーや経済産業省・消費者庁のサイトで定期的にチェックすると安心。

3.PSEマーク

PSEマーク

国内で販売される電気製品に表示が義務付けられている安全認証。モバイルバッテリーは「丸形PSE」(写真)、コンセント一体型は「丸形+菱形」が必要。メーカー名の併記が必須で併記がない製品は信頼性に欠ける。

4.JBRC

JBRC

リチウムイオン電池など小型充電式電池の回収・再資源化を推進している一般社団法人。JBRC登録メーカーの製品を選んで買うと廃棄もスムーズ。公式サイトでは、正しい廃棄方法や回収協力店などを検索できる。

2026年Oggi4月号「Oggi大学」より
イラスト/八重樫王明 取材・文/中村茉莉花 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部
●掲載している情報は2026年2月9日現在のものです。

Oggi編集部

「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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