塩野瑛久が“シャツスタイル”を着こなす
さまざまな役を演じ分けることから、“カメレオン俳優”とも呼ばれる、塩野瑛久さんの連載。 毎回テーマを設けて魅せるファッションはもちろん、Oggiの読者世代でもある塩野さんが等身大に語るインタビューにもご注目ください!

【Theme#15シャツスタイル】
──今回は「シャツスタイル」がテーマです。この春のトレンド・スキッパーシャツを雰囲気たっぷりに着こなしていただきましたが、いかがでしたか?
自分で言うのは気が引けますが、首もとがすっきり開いている服のほうが「雰囲気が出る」と褒められるんです。デコルテ周りを出していたほうが自分は引き立つのかもなと思うし、僕自身もスキッパーシャツは好きです。でも、普段はあまりアクセサリーをつけないのでネックレスがないと少し寂しげな印象に見えちゃう気がします。だから、私服では首が詰まったデザインのほうが僕的には使い勝手がいいかもしれません(笑)。そして今回は新しい試みとして、モノクロの写真に挑戦しました。皆さん、いかがでしたか?シャツの色合いは、ムービーがカラーで出るのでそちらもぜひご覧ください!
──以前、シャツのこだわり( #1スーツスタイル編)をお話しいただきましたが、その後、理想のシャツには出合いましたか?
実は最近シャツを買いました。ダークグレーのシンプルなシャツでサラッと羽織れるデザインなので重宝しています。私服では今回みたいなシャツをインするスタイルよりも羽織ものとして着ることが多いんですよ。あとは、白シャツを上まで閉めて上にニットを重ね着するスタイルも読書が似合う知的な雰囲気で好きなので、この春はたくさん着たいです。

──人や物、体験など、仕事を通して運命的な出会いを感じたことはありますか?
そんなことの連続なような気がします。出会いがまた新しい出会いにつながって…ということがよくあります。10代から30代に突入した今に至るまで15年のつきあいのメイクさんも縁を感じますし、何が運命かはわからないけれどずっと地続きな気がします。実家のクレープ店に通っていたと声をかけてくださる共演者の方もいらっしゃったり…(笑)。これはもう運命を感じちゃいますよね!これから先もきっと思わぬところでそういう縁が繋がるんだろうなと思います。
──4月といえば、新生活を始める人も多い時期。過去1年を振り返って変化したことや今新たに感じることを教えてください。
この1年を振り返ると本当に忙しくさせていただきました。“熱量をもって仕事に取り組んでいる人と一緒に働くと本当にいいものが生まれる”と感じられる機会にも恵まれました。そして、僕は感情をあまり表に出すタイプではなかったのですが、もっと出したほうがいいということも学べました。いつだったか読んだ本に、「何かをしてもらったときや手助けしてもらったときに、喜び、うれしさの感情を相手にちゃんと伝えると与えた側もうれしいものだ」という一節がありました。礼儀として当たり前のことですが、喜びを言葉や態度に込めて表現することは、ある意味で相手にお返しすることにつながる。改めてそう感じたので、今まで以上に感情を素直に表現したいです。

──人づきあいをする上で、日々心掛けていることはありますか?
無理はしないこと。コミュニケーションをうまく図れなかったときは、「あーできなかったな…」「もうちょっとお話ししたかったのにな」と思うことは日々あるけれど、その上手く振る舞えなかったことも含めて自分だから、ありのままでいようと心がけています。きっと無理して取り繕っても不自然な振る舞いになっちゃうし、飾らない自分を見せてもそばに居てくれる人はより大事にしたい。だから、会いたい人にはちゃんと会いたいと言おうと決めています。
──ちょっとしたことで気分が落ちちゃうことは誰しもあると思いますが、どうやって対処しますか?
落ち込むよりも根本解決に向かうタイプです。たとえば、対人関係で自分が違和感を感じてしまったなら、とことん相手と向き合って気持ちをストレートに伝えようと努力します。それが必ずしもいい結果につながるとは限らないですが、“それで疎遠になってしまうなら、もうしょうがない”と割り切っています。もし気持ちを伝えた上で、いい関係になれたならその縁はずっと大事にしたいです。

──カレンダーも発売されて、いつも連載をご愛読していただいている皆さんからうれしい感想もたくさん届いています。連載ではどんな姿により注目してほしいですか?
ありがたいですね。連載では毎回テーマを決めてファッションに挑戦させてもらっていますが、シチュエーションやファッションで、“いろんな人に変身する”みたいな感覚があって、好きなんです。なので、その姿を見て自由に楽しんでいただけたらうれしいです。テーマに合わせてつくっていく過程が好きだから、役者の仕事もファッションも好きなのかもしれません。
──“カメレオン俳優”と呼ばれるだけあって、本連載でもテーマごとにまったく違う魅力を見せてくださるのも塩野さんならではですよね。
皆さんから「演じる役によって別人に見える」とおっしゃっていただけるのはありがたいのですが、いい意味でも悪い意味でも“自分そのものにこだわりがない”からなのかもしれないです(笑)。

──まわりの意見を取り入れる受容性に塩野さんの器の大きさを感じます。
「固執」はしていないのかも。何が美しい、素敵、面白いかというのは人それぞれの感覚。だから、そこに信念さえあれば僕はついていきます。相手の中で正解があってこれがしたいというはっきりとしたビジョンがあるなら、それに全力で応えて世界観に溶け込むよう表現したい。逆に自由度の高い場合なら、自分の意見やしたいことをはっきり伝えて一緒につくりあげたいです。

シャツ[ネイビー]¥39,600・中に着たシャツ[ブルー]¥27,500(KANNMASA PHIL.) パンツ¥27,500(LAD MUSICIAN) ネックレス¥78,100(IVXLCDM)
【お問い合わせ先】
・KANEMASA TOKYO OFFICE 03-5784-1602
・LAD MUSICIAN HARAJUKU 03-3470-6760
・IVXLCDM 六本木ヒルズ 03-6455-5965
撮影/彦坂栄治(まきうらオフィス/スチール) 白木 努(PEACE MONKEY/ムービー)スタイリスト/能城 匠 ヘア&メイク/時田ユースケ 構成/佐々木怜菜、岡野亜紀子
【撮影現場ビハインド♡ 〝しおらしい〟取材メモ】
・新年度ということで「これから1年間の個人的なテーマ」を尋ねると、「隙間時間を見つけられるようにしたい。ジムに通う時間や絵を描く時間など、自分の興味の向くことにちゃんと動いて、いろんな角度からインプットをすることに費やしたい」と話してくださいました。
・連載での撮影中、テストカットを撮影したあと、モニターをじっと見つめる塩野さんの姿をよくお見かけします。その後、撮影が本格的にスタートすると撮影チームが思わずグッと引き込まれてしまうような素敵なカットを連発してくれるので、写真のニュアンスやスタイリングの世界観に溶け込むチューニング作業をしている瞬間なのかもしれません。
・取材中、「こんなファッションテーマがしたい」「こういうテイストの写真はどうですか?」「いつかできたらいいかもと思ったことなんですが」など、やってみたいテーマや気になったことがあると連載チームにアイディアを共有してくれる塩野さん。この先も連載ならではの塩野さんをお見せできるよう、これからも共に尽力しますのでご期待ください!

連載『あきじかん』の1周年を記念した、2025年4月始まりカレンダーの予約を受付中!詳細は、カレンダー公式X @akijikan_calで随時お知らせしています。
俳優 塩野瑛久
しおの・あきひさ/1995年1月3日生まれ。東京都出身。【公式Instagram @akihisa_shiono_official】どんな難役も演じ分けることから“カメレオン俳優”と呼ばれる実力派俳優で、話題作に多数出演。2024年は大河ドラマ『光る君へ』で一条天皇を熱演し話題に。その他、ドラマ『無能の鷹』、『天狗の台所 Season2』、映画『チャチャ』、映画『八犬伝』、連続ドラマW『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』等が放送・公開。2025年ドラマ「五十嵐夫妻は偽装他人」にてW主演。4月18日放送スタートのテレビ朝日系 金曜ナイトドラマ「魔物(마물)」に出演。ファッション好きとしても知られ、センスのよさから数々のファッションイベントに呼ばれる今、まさに旬の人。2024年1月より、Oggi.jpでファッション連載中! <<<2025年4月始まりのカレンダーが発売中。詳細はカレンダー公式X @akijikan_calをチェック!