美しい大人の「肌と髪」論
若々しく健康的な美しさに欠かせない「肌」と「髪」。5年後、10年後も美しさを保つために、信頼できる先輩たちのリアルな美容アドバイスをお届け。今回は、美容エディターの松本千登世さんの美容論を伺いました。
▲美容エディター・松本千登世さん(59歳)
航空会社、広告代理店、出版社勤務を経て、フリーランスに。女性誌を中心に美容やインタビュー記事、エッセイの連載など幅広く活躍中。みずみずしい感性と表現豊かな文章で、まさに美容を哲学する人。さらに〝大人の透明感〟を体現する佇まいは、業界にもファン多数。
松本さんが考える、美肌・美髪に必要な要素
「理想は意識100ですが、それだとリアルじゃない。現実的には食事・睡眠・運動といった小学生で学ぶような規則正しい生活も欠かせません」(松本さん)
同じ〝なじませる〟も意識で変わる。だから意識を研ぎ澄まそう!
「私は大人すぎる大人だけれど…。皆さまのお役に立てるかしら…」そう前置きしながら、ひとつひとつの問いに優しく丁寧に答えてくれた松本さん。
「誤解を恐れずに言うと、美しい肌や髪は、〝意識がすべて”だと思うんです。もともとの肌質や、かける時間やお金によって左右されるものでは、きっとない。
意識=心持ちのようなもので、説明が難しいのですが、若い30代のうちから〝意識”を研ぎ澄ませることで未来は変わる。たとえば、先回りする意識。トラブルや不調を感じてからではなく、起こる前に予防する。
肌の保湿でいうと、乾燥を感じてから足すのと、感じる前に足すのでは、保湿の量もタイミングも回数も自ずと違うはず。意識の変化によって起こる小さなケアの積み重ねが、未来のキレイの差になると思います」
もうひとつ。肌だけに集中しない意識も年齢を重ねるほど大切だそう。
「私が皆さんと同じ年齢だったころは、初めて出合う肌変化や日替わりのトラブルに焦り、必死に対処しようと基本を蔑ろにしてスペシャルケアばかり。
でも弱った肌に過剰なケアは負担でしかなく、空回り。もっと自分の本来の肌力を伸ばすための丁寧な保湿ケアをきちんとしておくべきだったなと今は思う。
目の前の肌だけにフォーカスして焦ったが故の失敗。とらわれていたんですよね、キレイの価値はそれがすべてだと決めつけて」
〝キレイには女友達も大事”と、松本さんならでのトークが聞けた取材後半。
「〝美しさ”はだれと語るかで変わる。『どの化粧品がいい?』と話すのも楽しいけれど、『素敵な大人になるには何が必要?』と、もっと広い視野で本質を語れる友達がいたら、その人らしい美しさはより豊かに鮮やかに育っていくはず」
最後に知識は必要ですか? と尋ねると、
「気づいて工夫するっていう知恵はすごく大事だけど…。知識だけあっても、それはときに邪魔になるから。ただあればいいわけではないと思うんですよね」
美容エディター・松本千登世さんの愛用コスメ
「冬に必須のクリーム。UVカット効果のある〝コスメデコルテAQ〟のデイクリームはこの季節に頼もしい!」(松本さん)
「『なんだか髪の調子、いいかも』を感じた最近のヒットは、〝ロクシタン〟の薬用アンチヘアロスセラム。植物由来なのもうれしい」(松本さん)
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トップス・パンツ・靴・アクセサリー/すべて本人私物
2024年Oggi1月号「美しい大人の『肌と髪論』」より
撮影/当瀬真衣(TRIVAL/人物)、金野圭介(静物) ヘア&メイク/RYO スタイリスト/角田かおる 構成/杉浦由佳子
再構成/Oggi.jp編集部